テレビも捨てたものじゃない NHKアーカイブズ「アンデス 天空の鏡 〜ボリビア ウユニ塩原〜」 |
録画だとCMは飛ばされてしまうのでスポンサーが嫌がるのだそうだ。

かくて、どのチャンネルも同工異曲。
異星人がみたら「オイシイ」「カワイイ」は日本人の挨拶かと思うだろうような、朝から晩まで「オイシイ」「カワイイ」の連発。
なんせ、食べ物を口に入れた途端、噛みもしないのに「オイシイ」だもんな。
暮れの内に撮りだめした正月のマンネリ番組が嫌で、朝のストレッチのお供は衛星放送になった。
国際ニュースも面白いし、3チャンネルの再放送も優れている。
ちょっと前まで続いた、岩佐又兵衛、広重、歌麿などの浮世絵師たちの特集など、ストレッチが終わって食事も済んだのに、ついつい見入ってしまった。

去年、炎熱燃ゆる新宿で見た映画「やがて哀しき復讐者」、アンソニー・ウォン扮するギャングの親分の殺される娘が行きたがっていたのが、ここだ。
ここに行きたいから金を欲しがったのに父親はそれをウソと思って、、。
たしかさいごにこの塩原を死んだ娘が歩いて行くような場面があったと思う。
天国のどこまでも続くふわふわした雲の原を歩いて行くのだ。
それが実在の土地だと知ったのは最近、やはり別の旅番組だった。
アンデス山脈に囲まれた富士山より高い百キロ四方の塩の原っぱ、逃げる場所もない。
映像で見ているだけで存在のあまりの小ささに慄く。
独りで行ったら怖くてちびってしまうかもしれない。

地中200メートルでも塩が半分、その下がどうなっているかはまだ分かっていない。
番組ではウユニ塩原周辺に住む人々の生活も紹介する。
洞窟の中のミイラ化した先祖たちに祈りをささげ、雨乞いの祭りをする。



運よく、晴れた夜に居合わせたら、空も下も星、どこまでも続く星の原にいることになる。

軟弱隠居には到底行くことができないアンデスの狭間にある奇跡の地。
テレビも捨てたものじゃない。

過去30時間の番組を好きなときに見ることができるなどの自動録画機能が充実しているという最近のテレビ。
バカにしていたが、、ちょっとソソラレている。