2017年 07月 19日
粋な地口 柳家小満んの会@関内小ホール |
雷が鳴って雨が降り出し、やれやれこれで紫陽花たちも一息つけるかと思ったら濡れもしないうちに止んでしまった。
猛烈な暑さに恐れをなし、あわせて大雨警報に敬意を表し横浜ぶらり&銭湯をあきらめて本を読みつづけた。
ブログも書けないので5時間近く読みつづけたら頭が痛くなる、弱虫になった。

6時に横浜関内着、雨が上がっているので20分ほどぶらぶらして関内小ホールへ、第140回柳家小満んの会。
前座市坊「転失気」のあと、小満ん「王子の幇間」
呼ばれもしないのにずんずんやって来ては言いたい放題、そこらにある物をもって行って、それを売りつけにくる厚かましさはシャレの域を超えて嫌われている幇間・平助。
口先三寸で飯を食う「顎飯商売」。
使用人の娘を地口の軽機関銃でからかうこと、からかうこと、憎らしいけれど可笑しい。
「平助お断り」と貼り紙してもなんのその、旦那は女将さんと平助退治を相談する。
いない人の悪口をいう悪癖を逆手にとって、旦那は留守だと言って悪口を言わせ、頃を見て姿を現わせばキマリが悪くなって来なくなるんじゃないか。
計画図に当たり、悪口のオンパレード、そんな悪い人だとは知らなかった、愛想が尽きた、一緒に逃げておくれ、と女将さんのしたたかなこと(元新橋芸者でならしたんだもの)。
金の延べ棒や株式証券が入っているつづらを背負わせ、首からからくり時計をぶら下げ、鉄瓶と猫のニャーを手に持って逃げようとするところに旦那が現れる。
こうまでしなくちゃ顎飯が食えないってのはちと気の毒でもある。

小満ん「大名房五郎」
茶室設計施工の名人房五郎は人情に篤く米飢饉で苦しむ人々に米を分けてやるために、ケチな質屋に母の形見・岩佐又兵衛の軸を買ってもらおうとする。
50両で買おうとなったが、その金で施しをすると聞いて、「施しと塩辛は大嫌い」な因業にして貧乏人大嫌いな質屋はへそを曲げて軸は買わない、仕事もさせない。
房五郎、一計を案じ、質屋に横谷宗珉の目貫を見せるからとおびき寄せ(天眼鏡で目貫を嘆賞する質屋、感じあり)、又兵衛の軸をさりげなく飾っておく。
雨に煙る遠山、橋の上に傘を持った男の絵。
質屋が便所から帰って来ると、なんと外の雨に合わせて図のなかの男が傘を広げて差している。
質屋、こりゃ凄い、大儲けができる!と無理やり軸を買う。
50両が60両、70両、100両、房五郎首を縦に振らず、200両なら売ってもいいという。
値段の吊りあがるたびに、ケチな婆さんが驚き「オ、オ、オジイサン!」と喚くのがおかしい。
質屋、人々にフレを出して「粗飯をふるまうから名画を見に来てくれ」、評判を広めて大名の耳に届かせようという腹。
腹ペコな連中がやってきて、さて雨も止んだが、図の男は傘を差したまんま。
二本の軸をすり替えた房五郎のトリックにまんまとはまった。
房五郎がやってきて種明かしをし、又兵衛の軸をやり、おかげで200両施しをしたら貧乏人たちが喜んでいる、喜ばれるっていい気持のものでしょうと笑う。

休憩時間に、エクサイトも開通したので「実績作りの」投稿をする。
以前、毎日百本の煙草を吸っていたのをやめたときは一挙に一本も吸わないことにして止められた。
意志が弱いから、一日くらい休んでも、一本くらい吸っても、という器用な真似ができないのだ。

小満ん「湯屋番」
勘当になった道楽若旦那が銭湯の番頭になりたい、肺ガラ(肺病病み)のダンナがすぐにも亡くなりそうな美人の奥さんがいる梅の湯がいいと言い出す。
強引に番台に座って女湯を見ると「シワ袋」のおばあさん一人、男湯は混んでいる。
無駄に肥った男、人間の脂肪で電気がつくなら、区役所に脂肪届を出したりして、、
そのうち、女湯に来て男前の(まったく自惚れ)自分に惚れるべき女についての妄想が始まる。
声に出して仕方噺をするから男湯の客は見とれて軽石で顔をこする始末。
幇間・平助も真っ青になるような軽口地口の連発が、実にもって面白く耳に快い。
聞きとれなきゃそれでケッコウという粋なしゃべりを堪能した。
たいしたジョークでもないのに、わざとらしく間を置いて「わかりましたか」と訊いたり繰り返したりするあのイヤミな噺家の真逆な名人芸だ。

「団欒」の居残り会は4人。
ホヤやイワガキ、クサヤはわざわざ用意してくれたようだ。
久しぶり、話が弾み、燗酒もすすみ、ホレ見ろ、やっぱり意志薄弱だ。
帰宅したのは日付をマタイ伝。

猛烈な暑さに恐れをなし、あわせて大雨警報に敬意を表し横浜ぶらり&銭湯をあきらめて本を読みつづけた。
ブログも書けないので5時間近く読みつづけたら頭が痛くなる、弱虫になった。

前座市坊「転失気」のあと、小満ん「王子の幇間」
呼ばれもしないのにずんずんやって来ては言いたい放題、そこらにある物をもって行って、それを売りつけにくる厚かましさはシャレの域を超えて嫌われている幇間・平助。
口先三寸で飯を食う「顎飯商売」。
使用人の娘を地口の軽機関銃でからかうこと、からかうこと、憎らしいけれど可笑しい。
「平助お断り」と貼り紙してもなんのその、旦那は女将さんと平助退治を相談する。
いない人の悪口をいう悪癖を逆手にとって、旦那は留守だと言って悪口を言わせ、頃を見て姿を現わせばキマリが悪くなって来なくなるんじゃないか。
計画図に当たり、悪口のオンパレード、そんな悪い人だとは知らなかった、愛想が尽きた、一緒に逃げておくれ、と女将さんのしたたかなこと(元新橋芸者でならしたんだもの)。
金の延べ棒や株式証券が入っているつづらを背負わせ、首からからくり時計をぶら下げ、鉄瓶と猫のニャーを手に持って逃げようとするところに旦那が現れる。
こうまでしなくちゃ顎飯が食えないってのはちと気の毒でもある。

茶室設計施工の名人房五郎は人情に篤く米飢饉で苦しむ人々に米を分けてやるために、ケチな質屋に母の形見・岩佐又兵衛の軸を買ってもらおうとする。
50両で買おうとなったが、その金で施しをすると聞いて、「施しと塩辛は大嫌い」な因業にして貧乏人大嫌いな質屋はへそを曲げて軸は買わない、仕事もさせない。
房五郎、一計を案じ、質屋に横谷宗珉の目貫を見せるからとおびき寄せ(天眼鏡で目貫を嘆賞する質屋、感じあり)、又兵衛の軸をさりげなく飾っておく。
雨に煙る遠山、橋の上に傘を持った男の絵。
質屋が便所から帰って来ると、なんと外の雨に合わせて図のなかの男が傘を広げて差している。
質屋、こりゃ凄い、大儲けができる!と無理やり軸を買う。
50両が60両、70両、100両、房五郎首を縦に振らず、200両なら売ってもいいという。
値段の吊りあがるたびに、ケチな婆さんが驚き「オ、オ、オジイサン!」と喚くのがおかしい。
質屋、人々にフレを出して「粗飯をふるまうから名画を見に来てくれ」、評判を広めて大名の耳に届かせようという腹。
腹ペコな連中がやってきて、さて雨も止んだが、図の男は傘を差したまんま。
二本の軸をすり替えた房五郎のトリックにまんまとはまった。
房五郎がやってきて種明かしをし、又兵衛の軸をやり、おかげで200両施しをしたら貧乏人たちが喜んでいる、喜ばれるっていい気持のものでしょうと笑う。

以前、毎日百本の煙草を吸っていたのをやめたときは一挙に一本も吸わないことにして止められた。
意志が弱いから、一日くらい休んでも、一本くらい吸っても、という器用な真似ができないのだ。

勘当になった道楽若旦那が銭湯の番頭になりたい、肺ガラ(肺病病み)のダンナがすぐにも亡くなりそうな美人の奥さんがいる梅の湯がいいと言い出す。
強引に番台に座って女湯を見ると「シワ袋」のおばあさん一人、男湯は混んでいる。
無駄に肥った男、人間の脂肪で電気がつくなら、区役所に脂肪届を出したりして、、
そのうち、女湯に来て男前の(まったく自惚れ)自分に惚れるべき女についての妄想が始まる。
声に出して仕方噺をするから男湯の客は見とれて軽石で顔をこする始末。
幇間・平助も真っ青になるような軽口地口の連発が、実にもって面白く耳に快い。
聞きとれなきゃそれでケッコウという粋なしゃべりを堪能した。
たいしたジョークでもないのに、わざとらしく間を置いて「わかりましたか」と訊いたり繰り返したりするあのイヤミな噺家の真逆な名人芸だ。

ホヤやイワガキ、クサヤはわざわざ用意してくれたようだ。
久しぶり、話が弾み、燗酒もすすみ、ホレ見ろ、やっぱり意志薄弱だ。
帰宅したのは日付をマタイ伝。

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by saheizi-inokori
| 2017-07-19 11:42
| 落語・寄席
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