恥多し、されど懐かしき往年の勤務地 浦和と千葉

昔、勤務したところを相次いで歩いてきた。
仕事に夢中だったから、職場周辺とみんなと飲み食いした場所以外はほとんど知らないのだ。
今思うと勿体ないような気もする。
草花とか建物なども同じことで、当然目に入っていたようなものも気が付かないというか意識して見ていなかったから、今頃になって「アァ、こんなところがあったんだ」とか「こんな花が昔咲いていたのか」などとびっくりしている。
まあ、これから新しい発見が出来るのだから、それで良いのかもしれない。

まず、２０年以上も前にいた浦和。

コンクリート打ちっぱなし、隙間風たっぷりのオフイス、石油ストーブで暖をとったが底冷えがして寒かったなあ。
当時は新宿から出ていた埼京線、超満員の客が降りた後の電車の中はむ～っと、独特の空気が淀んでいた。
彼らが網棚に置いていった「少年マガジン」などを読むこともあった。
それまでやったことのない商業施設の開発という仕事、髪型を変え、フアッションも変え、原宿に行って一人で女性の下着売り場で商品を手にとって“度胸”をつけた。
一年ちょっとで、新宿でまったく違う仕事をすることになる。
濃い一年だった。

調神社（つきのみや）、有名なのに初めて観た。

つき、にちなんで兎があっちこっちにいる。
狛犬の代わりにコマウサギ、写真は撮らなかったが。
巨木が目について近づいて行って神社に気づいたのだ。




浦和といえば鰻が有名なのだが、俺が行ったのは一回だけ、それも東京に転勤になってからだ。
この店には入ったことがない。

千葉には二度、トータルでは８年ほど働いた。
その最初の方の仲間と集まった。
当時の若手、といっても７８歳を筆頭にみんな爺さんばかり９人ほど。
３時間以上も笑い且大いに飲んで、来年も又集まろう、生きていたらと言い交わして、帰ろうと思ったら、カラオケに誘われてしまった。
昔はカラオケなんかなくて手拍子で民謡、歌謡曲、軍歌、唱歌、、よく歌ったね、その方が楽しかったよなあ、なんて言って、Ｔさんが「スタコイ東京」、Ｉさんが「木更津甚句」、Ｇさんが「戦友」を１４番だったかな、最後までちゃんと（俺もほとんど覚えている）、俺が「知床旅情」、他に、もう忘れちゃったけど、ＳさんやＩＳさんたちも、全部アカペラで歌った。
それで結局歌心に火がついて歌い足りなくてカラオケって比較的若い４人が行くことに。

一時間のつもりが、採点がついてくるのに興奮したりして結局二時間だ。
俺が歌ったのは「公園の手品師」「早春賦」「爪」「こいさんのラブコール」「青春時代」「花（沖縄）」「君恋し」「雨に咲く花」、、一日たってまだこれだけ覚えているのは立派か。



千葉駅前で知事選の候補者が声を嗄らしていた。
千葉の人にとってはいい人が知事になって欲しいだろうが、今は国政を左右するような選挙になってしまった。

飲んでいて、俺が

皆さんと過ごした４０年前のことを思い出すと、よくもあんなひどいことを言ったもんだと、いたたまれないような気になることが多い。若気とは恐ろしいものだ。

みたいなことを、まあ、手遅れの謝罪のつもりもあって、言ったのだが、Ｇさんが

ほんとだ。私も突然、とんでもないことを思い出して、かあっと熱くなることがある。
食事中に「ちえっ」と地団駄を踏んで家人に驚かれることもある。
そうやって思い出すことは悪いことばかり、良いことだってしてきたはずなのに、不思議に悪いことばっかり思い出す。

と、共感してくれた。
ところが他のメンバーは、まったくそういうことはないというのだ。
Ｇさんはメンバーの中ではもっとも人格円満で他人に悪い言動とはあまり縁のない人だと思うんだが。

いわゆる“損な性分”とでもいうのだろうか。
まったく悪いことばかりだったらこうして集まってくれないだろうから、と自分を慰めながら総武線に揺られているうちに居眠りをしてしまった。


これは現在時々行く”いつもの定食や”のブリ大根定食。
アサリの味噌汁もうまい。

ところで明日から３日ほど日本にいないので更新並びにコメントに返信できないかもしれません。
すみません。帰ってからご報告とご返事いたします。