ホウレンソウの始まりは? 「漢字語源の筋違い」など
2009年 03月 22日
誰が言いだしたか、「ホウレンソウ」、ポパイが食う、イヤ俺も大好きだが、あれではなくて「報告・連絡・相談」の頭をつなげてホウレンソウ。
社内のコミュニケーションが大切なことを言うときに「ホウレンソウを大切に」などという。
俺も一時よく言ったものだ。
言っても言ってもなかなか実行はされなかった。
とくに「報告」、大事なことは「着手報告、中間報告、終了報告」のそれぞれがタイムリーに自主的になされなければ困るのだが、実際には催促しなければ何も報告されないことも多かった。
「相談」もソウダンだ、、なかなか励行されない。
メールという凄い武器があってもなかなかだ。
“上から目線”(ていうのか、最近知った言葉)でホウレンソウといっても部下たちは簡単には応じられない諸般の事情ってのがあること。
そんなことは知ってるつもりで、だからこそのホウレンソウと勇み立っていたんだが、まあ、大海人皇子だった。
連絡といえば先日、紹介した、高島俊男の「漢字語源の筋違い」に面白いことが書いてあった。
殆ど小説を読まない高島旦那が雑誌に載っていた“楚々たる美人”作家に心を奪われて彼女の小説を読んだという。
江戸時代の話。
そこで登場人物が
そして、その出所に二つあると推測するのです。
一つは陸軍、部隊間の情報や指示を伝え、文書をとどけたりすることを「連絡」といった。
これが役所でも使われ復員兵も使い、世の中に流布した。
もう一つ、こっちが主流と思われるのが共産党。
非合法であった頃、活動家が、街頭やアジトで会ったりして、情報や指示を伝え文書を手渡すのを「連絡をとる」といった(連絡する、じゃない)。
これが戦後、一挙に増加した労働組合の活動家、大学細胞、さらには一般の労働者や学生に広がっていったのではないか。
同じ小説の中で「きちんと報告します」と主人公が喋っているのや「神経がまいってしもうた」なる米屋の爺さんのセリフ、「一年は360日の余もある」など江戸時代に在るべき筈のない言葉や事柄が平気で書いてあるのを
ちなみに明治5年に太陽暦になるまでは、一年は通常は三百五十数日、十九年に一度の閏年(たとえば明治元年)は三百八十三日(一年が十三か月)だったということも本書では親切に教えてくれる。
「相談」や「報告」という言葉がいつ頃から使われるようになったかをネットで調べたが分からない。
ところで「ホウレンソウ」の由来。
ホウレンソウは西南アジア原産で、中国を経て江戸時代に日本に渡来したらしい。漢字で「菠薐草」と書かれる。中国にはペルシャを経由して伝わったため、中国でのペルシャの呼び名「頗陵(はりょう)国」にちなんで、「菠薐(はりょう)」(初めは「波薐」)となった。日本に伝わったころ、菠薐は中国語でポーレンなどと発音されていて、それが日本人が「ホウレンソウ」と呼ぶようになった。
(武庫川女子大教授・佐竹秀雄。2005年5月19日、読売新聞による)
どうもホウレンソウの方が「報告」「連絡」「相談」なる言葉より早く日本に来ていたわけだ。
しかも、「ホウレンソウ」はイラン!というわけだった。
俺はイッタのにな。
社内のコミュニケーションが大切なことを言うときに「ホウレンソウを大切に」などという。
俺も一時よく言ったものだ。
言っても言ってもなかなか実行はされなかった。
とくに「報告」、大事なことは「着手報告、中間報告、終了報告」のそれぞれがタイムリーに自主的になされなければ困るのだが、実際には催促しなければ何も報告されないことも多かった。
「相談」もソウダンだ、、なかなか励行されない。
メールという凄い武器があってもなかなかだ。
“上から目線”(ていうのか、最近知った言葉)でホウレンソウといっても部下たちは簡単には応じられない諸般の事情ってのがあること。
そんなことは知ってるつもりで、だからこそのホウレンソウと勇み立っていたんだが、まあ、大海人皇子だった。
連絡といえば先日、紹介した、高島俊男の「漢字語源の筋違い」に面白いことが書いてあった。
殆ど小説を読まない高島旦那が雑誌に載っていた“楚々たる美人”作家に心を奪われて彼女の小説を読んだという。
江戸時代の話。
そこで登場人物が
お佐和さん、あっしが首を長くしてあんたからの連絡を待ってるってことだけは、忘れないでいてくんなさいというのだ。
いやこれにはまいった。よもや天保の人の口から「連絡」が出てこようとは思わなかった。先生は、「連絡」という言葉が普通の人の会話で使われるようになったのは昭和も戦後ではないか、とおっしゃる。
そして、その出所に二つあると推測するのです。
一つは陸軍、部隊間の情報や指示を伝え、文書をとどけたりすることを「連絡」といった。
これが役所でも使われ復員兵も使い、世の中に流布した。
もう一つ、こっちが主流と思われるのが共産党。
非合法であった頃、活動家が、街頭やアジトで会ったりして、情報や指示を伝え文書を手渡すのを「連絡をとる」といった(連絡する、じゃない)。
これが戦後、一挙に増加した労働組合の活動家、大学細胞、さらには一般の労働者や学生に広がっていったのではないか。
同じ小説の中で「きちんと報告します」と主人公が喋っているのや「神経がまいってしもうた」なる米屋の爺さんのセリフ、「一年は360日の余もある」など江戸時代に在るべき筈のない言葉や事柄が平気で書いてあるのを
美人だけあってこのかたは肝が太い。その当時の暦のことも知らないで時代小説を書こうというのはいい度胸だ。と先生は厳しい。
ちなみに明治5年に太陽暦になるまでは、一年は通常は三百五十数日、十九年に一度の閏年(たとえば明治元年)は三百八十三日(一年が十三か月)だったということも本書では親切に教えてくれる。
「相談」や「報告」という言葉がいつ頃から使われるようになったかをネットで調べたが分からない。
ところで「ホウレンソウ」の由来。
ホウレンソウは西南アジア原産で、中国を経て江戸時代に日本に渡来したらしい。漢字で「菠薐草」と書かれる。中国にはペルシャを経由して伝わったため、中国でのペルシャの呼び名「頗陵(はりょう)国」にちなんで、「菠薐(はりょう)」(初めは「波薐」)となった。日本に伝わったころ、菠薐は中国語でポーレンなどと発音されていて、それが日本人が「ホウレンソウ」と呼ぶようになった。
(武庫川女子大教授・佐竹秀雄。2005年5月19日、読売新聞による)
どうもホウレンソウの方が「報告」「連絡」「相談」なる言葉より早く日本に来ていたわけだ。
しかも、「ホウレンソウ」はイラン!というわけだった。
俺はイッタのにな。
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yoshihiroueda at 2009-03-22 23:31
語源の追求はおもしろいですね。特に漢語 (みたいな語) が明治初期にたくさん「発明」されましたからね。
「ホウレンソウ」に関しては、それを難しくしているのの一因は上司の方にもあるのです。タイムリーに出せと言いながら、報告書の体裁がきちんとしていることを求めていたり、問題点を報告するだけでなく解決案も同時に出すことを求められると、自分でなんとか解決してから報告しようと思うものです。たとえ佐平次さんがそういう上司でなくとも、それまでの経験からそういう対処法が身に付いているかもしれません。
ところで「大海人皇子だ」は初めて聞くのですがどういう故事成語なんですか。
「ホウレンソウ」に関しては、それを難しくしているのの一因は上司の方にもあるのです。タイムリーに出せと言いながら、報告書の体裁がきちんとしていることを求めていたり、問題点を報告するだけでなく解決案も同時に出すことを求められると、自分でなんとか解決してから報告しようと思うものです。たとえ佐平次さんがそういう上司でなくとも、それまでの経験からそういう対処法が身に付いているかもしれません。
ところで「大海人皇子だ」は初めて聞くのですがどういう故事成語なんですか。
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mmiizzz at 2009-03-22 23:53
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kaorise at 2009-03-23 00:14
ホウレンソウ、大好き!明日はみそ汁におあげと一緒に入れてたべるの〜
でも義務的なホウレンソウなんかイラン!
相手の立場を考えればちょくちょく経過を耳にいれたいと思う。
そうすればお互いの不安を解消できる、いい方法もみつかる。
逆に不安をあおるような不確かな情報は流さない。対処の方法は自分である程度考えておく。なんでも耳に入れればいいってもんじゃないし。
人間関係って結局は思いやりの心が大きな効果を産むと思います。
でも義務的なホウレンソウなんかイラン!
相手の立場を考えればちょくちょく経過を耳にいれたいと思う。
そうすればお互いの不安を解消できる、いい方法もみつかる。
逆に不安をあおるような不確かな情報は流さない。対処の方法は自分である程度考えておく。なんでも耳に入れればいいってもんじゃないし。
人間関係って結局は思いやりの心が大きな効果を産むと思います。
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たま
at 2009-03-23 01:16
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saheizi-inokori at 2009-03-23 08:23
yoshihirouedaさん、おっしゃる通り”諸般の事情”の中にはそういうことも大いにあると思います。
でも早め早めに報告や相談してくれることが結局無駄な作業も省くし解決策も適時適切に考えられるのですがね。
冷たい言い方になるけれどホウレンソウをして叱られるリスクは部下にとって教育研修の一環だと割り切っていた方がいいのですが。
大海人皇子、ですか、な~に、おおあまのおうじ、大甘皇子ということで^^。
でも早め早めに報告や相談してくれることが結局無駄な作業も省くし解決策も適時適切に考えられるのですがね。
冷たい言い方になるけれどホウレンソウをして叱られるリスクは部下にとって教育研修の一環だと割り切っていた方がいいのですが。
大海人皇子、ですか、な~に、おおあまのおうじ、大甘皇子ということで^^。
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saheizi-inokori at 2009-03-23 08:28
mmiizzzさん、ソウダンですよね^^。
安全保障、保険がホウレンソウ。
でもそれが嫌な上司もいて「もう少し煮詰めてからもってこい」「それでどうしたいっていうの」などと対応するから部下も腰が引けることもあるのは良く分かります。
又そういう上司に限って、では、と別の人に相談したりすると「何でおれに言わない!」なんて怒鳴ったりいじけたりする。
でもこういったことは常にあることですから、自分にとって何が一番プラスになるかとかんげたら答えは出るはずですよね。
安全保障、保険がホウレンソウ。
でもそれが嫌な上司もいて「もう少し煮詰めてからもってこい」「それでどうしたいっていうの」などと対応するから部下も腰が引けることもあるのは良く分かります。
又そういう上司に限って、では、と別の人に相談したりすると「何でおれに言わない!」なんて怒鳴ったりいじけたりする。
でもこういったことは常にあることですから、自分にとって何が一番プラスになるかとかんげたら答えは出るはずですよね。
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saheizi-inokori at 2009-03-23 08:38
kaoriseさん、私はその不確定な不安になるような情報こそ早めに欲しかったんですよ。
解決策が難しいようなことこそ自分で抱え込まないでSOSを発信して欲しかった。でもね、なかなかね、難しいですよ。
要は私に対する信頼があるかどうか、それに尽きるのです。とほほ。
解決策が難しいようなことこそ自分で抱え込まないでSOSを発信して欲しかった。でもね、なかなかね、難しいですよ。
要は私に対する信頼があるかどうか、それに尽きるのです。とほほ。
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saheizi-inokori at 2009-03-23 08:40
たま さん、オーストラリアでしたか。わが末っ子もパースにいます。暮れにジャカランタの並木の写真を送ってきました。もう咲いてないでしょうね。
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antsuan at 2009-03-23 10:07
部下からのSOS、それをしっかり受け止められるだけの技量が無いと、ホウレンソウは活発にはなりませんね。私も多いに反省しなくっちゃ。
ところで、日本人がいま食べているものって殆どが外来種なのでしょうか。
ところで、日本人がいま食べているものって殆どが外来種なのでしょうか。
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saheizi-inokori at 2009-03-23 11:11
antsuan、まったくです。私ももう反省です。
外来種かどうか私にもわかりません。
外来種かどうか私にもわかりません。
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gakis-room at 2009-03-23 13:07
現役の頃は,ホウレンまではしましたが,ソウはしませんでした。ソウができるとはとても思われませんでしたから。しかし,ずるい私は行動の「指示」は受けました。実行の仕方は私流にやっても,最終責任を回避するためです(笑)。
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kaorise at 2009-03-23 13:22
>不確定な不安になるような情報こそ早めに欲しかった
そうなのよね〜情報が欲しいのはわかってるんですよ。
でも現場を全くわかっていなくて、不安要素を聞くとすぐヒステリー気味になる人とか、一緒に考えるどころか自分の保身の為に逆にプレッシャーかけてくる人には伝えない、、というか伝わらないんです。
指揮する立場なのに現場がSOSを発信したら、俺だって大変なんだからお前ら判断しろよプロなんだろ、と逆SOSを発信する人もいるんです。
ここで知恵を出し合い15分でいいから話をすれば更に良くなるはず、、と思いますがそれさえできない。現場をわかってないから、、
判断できない人にあたったら、経験のあるプロとして責任をとる覚悟でコツコツと仕事を進める、っていうのが実のところです。
報告の意味をわかってくれて相談できる人がいれば相談したいよ〜
そうなのよね〜情報が欲しいのはわかってるんですよ。
でも現場を全くわかっていなくて、不安要素を聞くとすぐヒステリー気味になる人とか、一緒に考えるどころか自分の保身の為に逆にプレッシャーかけてくる人には伝えない、、というか伝わらないんです。
指揮する立場なのに現場がSOSを発信したら、俺だって大変なんだからお前ら判断しろよプロなんだろ、と逆SOSを発信する人もいるんです。
ここで知恵を出し合い15分でいいから話をすれば更に良くなるはず、、と思いますがそれさえできない。現場をわかってないから、、
判断できない人にあたったら、経験のあるプロとして責任をとる覚悟でコツコツと仕事を進める、っていうのが実のところです。
報告の意味をわかってくれて相談できる人がいれば相談したいよ〜
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saheizi-inokori at 2009-03-23 13:57
gakis-roomさん、ははは、さもありなん、眼に見えるようです。
上司はお気の毒だなあ、凄過ぎる部下がいると。
上司はお気の毒だなあ、凄過ぎる部下がいると。
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saheizi-inokori at 2009-03-23 13:59
kaoriseさん、分かるわかる、かく申す私も上には殆どホウレンソウどころか水一杯上げなかったなあ。
矛盾してるんだね、そういう自分が人に要求することが。
矛盾してるんだね、そういう自分が人に要求することが。
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散歩好き
at 2009-03-24 08:38
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傷寒論には「十五日得一気於四時之中一時有六気四六名為二十四気也。」
一気は15日で四季の一季節に六気あって1年では二十四気あり
一年は15X24=360日になりますが土用その他で調節し一年は365日にしています。
漏刻と言う水の溜まるのを利用した精密な時間もありました。天文時間に関係する事は紀元前の中国は現代と変わりないと思います。
一気は15日で四季の一季節に六気あって1年では二十四気あり
一年は15X24=360日になりますが土用その他で調節し一年は365日にしています。
漏刻と言う水の溜まるのを利用した精密な時間もありました。天文時間に関係する事は紀元前の中国は現代と変わりないと思います。
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saheizi-inokori at 2009-03-24 11:39
散歩好きさん、ということは太陽暦だったと言うわけですね。
太陰暦の由来を知りたくなりましたよ。
太陰暦の由来を知りたくなりましたよ。
by saheizi-inokori
| 2009-03-22 22:11
| 今週の1冊、又は2・3冊
|
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