名人芸を観ることが出来る喜び 第166回=文楽公演(国立劇場)
2009年 02月 28日
先日人形文楽を観た。
人間国宝・竹本住太夫や吉田蓑助が出て「敵討襤褸錦(かたきうちつづれのにしき)」。
とても面白かった。
文楽は今、実際にどのくらいのお客がいるのか知らないが、もう少し売り出す工夫をすれば若い人たちにも人気が出るのではないかと思った。
古い言葉や言い回しも舞台の両側に大きな字で読めるようになっている。
筋書きも漫画と言ったら語弊があるかもしれないが劇画のように激しく愛して憎んで殺して自殺して、、韓国ドラマにも通じる?
そういえば「パンソリ」って、前に「春香伝」という韓国映画で聴いたけれど、あれも義太夫みたいなところがあるかもしれない。
落語「寝床」の旦那の義太夫は聴く者すべての“悪夢”だったようだが、あれはマア下手のバイオリンが鋸の目立てに聞こえるようなものだろう。
朝日新聞の夕刊に竹本住太夫の自叙伝のような記事(聞き書き)が連載されている。
今も続く猛烈な稽古ぶりが語られている。
政治家に読ませたい。
若い頃「寺子屋」を語ってうまく行ったと意気揚々と舞台を降りてきたら親父(6世・住太夫、やはり国宝)が立っていていきなり横っ面を張られた。
84歳の住太夫が若い娘、侍、家来、若侍、、何役をも語り分ける。
物真似ではない、音(おん)の遣いわけ、それが至難の業、
膝行し、そのまま後ろ向きで下がる、胸のすく動き。
70歳の小三治が、78歳の扇橋が何人もを語り分ける。
そのどれにも酔い呆けたようになっている俺。
間に合って良かった。
(お父さんのかな、バースデイケーキ作りをじっと眺める坊や。君は文楽を楽しむことになるのかな)
人間国宝・竹本住太夫や吉田蓑助が出て「敵討襤褸錦(かたきうちつづれのにしき)」。
とても面白かった。
文楽は今、実際にどのくらいのお客がいるのか知らないが、もう少し売り出す工夫をすれば若い人たちにも人気が出るのではないかと思った。
古い言葉や言い回しも舞台の両側に大きな字で読めるようになっている。
士の心を志と訓ませ、士の口を吉と訓む。それには背く宇田右衛門とか
嫌がるものを命に代へて思ふてくれるはよくよくと、ひょっと義理に気が付いて馴染めば憎うも思はれず、マア繋がってはゐやんすがとか
サアそのゐやんす処へ早う往きたい
他人の子の利口なより阿呆のわが子の可愛いは親の習い調子が良くて面白い。
筋書きも漫画と言ったら語弊があるかもしれないが劇画のように激しく愛して憎んで殺して自殺して、、韓国ドラマにも通じる?
そういえば「パンソリ」って、前に「春香伝」という韓国映画で聴いたけれど、あれも義太夫みたいなところがあるかもしれない。
落語「寝床」の旦那の義太夫は聴く者すべての“悪夢”だったようだが、あれはマア下手のバイオリンが鋸の目立てに聞こえるようなものだろう。
朝日新聞の夕刊に竹本住太夫の自叙伝のような記事(聞き書き)が連載されている。
古典芸能には珍しく、文楽は世襲制度と違います。親の七光りは通用しませんから、修行が厳しい。しかも芸が難しいし、お金も儲からない。親父は自分が味わった苦労を息子にはさせたくなかったんですね。「サライ」2月号も文楽特集、竹本住太夫がインタビューの中でそういってる。
今も続く猛烈な稽古ぶりが語られている。
政治家に読ませたい。
若い頃「寺子屋」を語ってうまく行ったと意気揚々と舞台を降りてきたら親父(6世・住太夫、やはり国宝)が立っていていきなり横っ面を張られた。
上手ぶってやるな!とただ一言だったそうだ。
84歳の住太夫が若い娘、侍、家来、若侍、、何役をも語り分ける。
物真似ではない、音(おん)の遣いわけ、それが至難の業、
日夜、七転八倒、悪戦苦闘を続けています。狂言では78歳の万作が「奈須与市語」で那須与一と義経、実基を一人三役で語り演じ分ける。
膝行し、そのまま後ろ向きで下がる、胸のすく動き。
70歳の小三治が、78歳の扇橋が何人もを語り分ける。
そのどれにも酔い呆けたようになっている俺。
間に合って良かった。
>上手ぶってやるな!
おっ、と思うほど深みのある駄目出しですね。
しかし、何度も使い回された駄目出しの可能性もありますね。
一度、大阪の文楽劇場の切符を貰いまして、お里沢市を観たことがあります。楽しいものですね。しかし、若い人に言葉が通じるかどうかですね。
くすねる銭もだんだんに
とうとう島をおわれ鳥
着なれた花の振袖で
髪も島田に由比ヶ浜
歌謡曲の「弁天小僧」すら、そのままでは頭に入りません。
佐藤優、読んでみます。
オバマがムッソリーニ?
おっ、と思うほど深みのある駄目出しですね。
しかし、何度も使い回された駄目出しの可能性もありますね。
一度、大阪の文楽劇場の切符を貰いまして、お里沢市を観たことがあります。楽しいものですね。しかし、若い人に言葉が通じるかどうかですね。
くすねる銭もだんだんに
とうとう島をおわれ鳥
着なれた花の振袖で
髪も島田に由比ヶ浜
歌謡曲の「弁天小僧」すら、そのままでは頭に入りません。
佐藤優、読んでみます。
オバマがムッソリーニ?
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HOOP at 2009-03-01 04:24
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saheizi-inokori at 2009-03-01 09:07
きとら さん、今流行りの若者の歌なんかもっと何を言ってるのか分からないじゃないですか。
あれはまず調子の良さなんでしょうね。
そうか義太夫の調子は若者には向かないかな。ちょっとラップみたいな感じもナキニシモなんですが。
オバマ=ムソリーニは”分かる見立て”です。
アメリカがイタリアのようになるかは別ですが。
橋下さんはどうですか?
あれはまず調子の良さなんでしょうね。
そうか義太夫の調子は若者には向かないかな。ちょっとラップみたいな感じもナキニシモなんですが。
オバマ=ムソリーニは”分かる見立て”です。
アメリカがイタリアのようになるかは別ですが。
橋下さんはどうですか?
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saheizi-inokori at 2009-03-01 09:08
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旭のキューです。
at 2009-03-01 10:03
x
還暦過ぎて、やっと苔が生えてくる。63年やってもいまだに迷ってもますわって、いい言葉ですね。私も迷っていきたいです。
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saheizi-inokori at 2009-03-01 11:06
旭のキューです。さん、迷わないで済むなら、、無理には^^。
オバマは人々のポジティブな感情に訴えてますね。キング牧師の演説を通俗的にしたような感じです。一方、橋下は人々のネガティブな感情に訴えてますね。有害ですが、大阪から大政治家は出ませんので、安心しています。
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saheizi-inokori at 2009-03-02 06:50
きとら さん、アメリカは日本やヨーロッパに勝つんだと、具体的な処方箋を描くより一致することを呼びかけると根拠もなくみんなが歓呼の声をあげる。
なにが悪い?かもしれませんが、日本の誰かが同じようにして中国に勝つんだと云ったら、私は嫌だな。いくらそれまで好意を感じていても。
橋下さんはそうですね。批判ですね。共闘ではないかも。その分ある意味では安心できるかな。
なにが悪い?かもしれませんが、日本の誰かが同じようにして中国に勝つんだと云ったら、私は嫌だな。いくらそれまで好意を感じていても。
橋下さんはそうですね。批判ですね。共闘ではないかも。その分ある意味では安心できるかな。
by saheizi-inokori
| 2009-02-28 21:58
| 能・芝居
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