今年読んだ本ベスト20 世の中、神聖喜劇ならざる“真正悲劇”だぜ
2008年 12月 30日
このほかに記事に載せなかった本とか、途中で止まっている本も多い。

若い頃はちょっとめんどくさい本は大抵途中でやめてしまった。
前の会社で読み終わった本を寄贈する(引き取ってもらう、というべきでしょうね)ことにして、その紹介がてら社員メール”ホンの戯言”を始めてからきちんと読み終える癖がついた。
いい加減でもいいからと簡単に読後感をまとめるのも、それ以来の習慣になってこのブログに引き継がれている。
社員あてメールのときは400字前後の長さだったが、ブログになってからご覧の通り、牛の涎状態。
これで良くも悪くも俺の人生が幾分か変わったと云ったら大げさか。

掲載順(読んだ順)にベスト20くらいを選ぶつもりでサッと抜いてみる。
檀一雄 「石川五衛門」(上下)(講談社)
ダニエル・T・マックス 「眠れない一族」(紀伊國屋書店)
丁如霞著・和多田進聞き書き 「丁家の人びと」(バジリコ)
◎大西巨人 「神聖喜劇」(5巻)(光文社文庫)
〇神野善久 「日本の食と農危機の本質」(NTT出版)
皆本二三江 「だれが源氏物語を描いたのか」(草思社)
池田清彦・養老孟司 「ほんとうの環境問題」(新潮社)
◎湯浅誠 「反貧困ー『すべり台社会』からの脱出」(岩波新書)
〇W・E・フランクル 「夜と霧」(みすず書房)
平松剛 「磯崎新の『都庁』 戦後最大のコンペ」(文藝春秋)
山口宏・副島隆彦 「新版 裁判の秘密」(宝島社)
〇レドモンド・オハンロン 「コンゴ・ジャーニー」(上下)(新潮社)
保阪正康 「戦争と天皇と三島由紀夫」(朝日文庫)
〇ロバート・B・ライシュ 「暴走する資本主義」(東洋経済新報社)
山本譲司 「累犯犯罪障害者 獄の中の不条理」(新潮社)
辺見庸 「目の探索」(朝日新聞社)
〇観世寿夫 「観世寿夫 世阿弥を読む」(平凡社)
〇平野啓一郎 「決壊」(上下)(新潮社)
ダニエル・ケールマン 「世界の測量 ガウスとフンボルトの物語」(三修社)
〇コリン・P・A・ジョーンズ 「アメリカ人弁護士が見た裁判員制度」(平凡社新書)
〇R・D・ウイングフイールド 「フロスト気質」(上下)(創元社推理文庫)
榊原英資 「間違いだらけの経済政策」(日経プレミア新書)
勘定して見ると22冊、ま、こんなものだろう。
この中でも特に印象に残ったものに丸をつけてみる。
◎が2冊、〇が8冊、どうだ、ベスト10になったぞ。

裁判員制度の本は結構いろいろ読んで、どれも裁判員制度の問題点を教えてくれたが、ここにあげたアメリカ人弁護士の本は他の本に見られない視点で、日本の司法制度・法律(憲法も)と国民の関係について示唆に富む分析が刺激的だった。
それは山口宏・副島隆彦 「新版 裁判の秘密」についても言える。
裁判員制度の導入で日本の法律制度・運用の実態、その情けなさについて目が啓かれた。
ホレミロ!「国民の裁判に対する理解を深め」ることになったじゃないかと立法者たちが言うならば、それは盗人猛々しいということだ。
裁判員制度の導入でより”情けない”裁判になりそうだ。
環境問題、特に一般的に云われている炭酸ガスを減らせば環境は良くなるみたいな話に対する批判の本もいろいろ読んだ。
同じような指摘が多いのでブログにはあげなかった本も何冊かある。
食の問題にも顕著なように官僚たちがどこまで本気で国民の健康のことを考えているのかが心もとない。
保身や利権、省益で行政を行わないで、と思うけれど、それは猫に魚を食うなというようなものか。
ア、最近の猫は魚なんて食わないんだっけ。

前からみると小説を読むことが少なくなった。
若い頃は好きなミステリ作家の新作など見逃さずに読んでいたのに。
いわゆるビジネス書は昔も今も読まないけれどライシュや榊原の本のような経済についての本などは最近読むようになった。
もっと早く読めばよかった。
読んで仕事や生き方に活かせる年頃は目の前の仕事に夢中で本と云えば小説・随筆・面白いノンフイクションの類ばっかりだったのが悔やまれる。

「神聖喜劇」は圧倒的な迫力だ。
上にあげた22冊のそれぞれに内包されるさまざまな問題すべてと全力で戦ったような小説だ。
御用とお急ぎの方はこの本だけを読めば現代の問題が分かります。
って、ちっちゃな字でみっしり書いてある厚い文庫本が5冊だ、御用とお急ぎがあっちゃあ手に取るのも恐ろしいかも。
でも、マジ、他の本を一冊も読まなくともこれを読むことをお勧めします。

湯浅の「反貧困」は今最もホットな本だ。
日本のセイフテイネットなるものが穴だらけなことを指摘した本、読めるかどうかは分からないが総理大臣以下にぜひ読んで欲しい。
夏の軽井沢・緑陰トップセミナーの向こうを張って冬の隅田川・青いテント・トップセミナーでもやってこの本を講義したらどうだい。
パフオーマンスとして受けまっせ!


写真の読書スタイル、憧れますねぇー。
来年も無料ブログセミナーを楽しみにしております。
>レドモンド・オハンロン 「コンゴ・ジャーニー」(上下)(新潮社)
>ダニエル・ケールマン 「世界の測量 ガウスとフンボルトの物語」(三修社)
私も濫読の部類ですがこんなところまでは手が伸びません。
『岡潔』とか『白川静』などの新書までは手が届きますが。
来年もよろしく!
読み方についても教わったように思います。
来年もよろしくお願いします。
小百合さんは主演賞取れたのかな。
毎回読み応えのあるエントリー、時に斜めから切り込み、
時に優しく包み込み、いつもそっと楽しませて頂いていました。
ありがとうございます。
お孫さんの笑顔にも、魅了されました。
来年も隠れファンとしましては、ブログ楽しみにしております。
どうぞ、御身体に気をつけて、良いお年をお迎え下さいませ。
いつもコメントありがとう。
とても嬉しかったです。やはり反応がないのはさびしいですね。
良いお年を!
また、自分でも書評から興味を惹かれたものを
メモ替わりに記事にしたりしていながら、
今年はまともに読んだ本が1冊もなかったことに今気付きました。
こんな人間にとっては、たいへん貴重な記事の数々、
本当にありがとうございます。
来年もよろしく!

楽しいブログいつまでも続けてくださいね。
来年もよろしくおねがいします!
一ファンより
よく考えたら読んだ本の感想と食べものの写真と、観劇の感想などなど
女の子みたい〜〜〜ネームカードもビーズ編みの写真だしなあ、、
実はsaheiさんはかわいい人なのであった・・・
てことで今年最後のかきこみを装ったイタズラお許しください。
今年はsaheiさんと出会えてとっても嬉しかったです!
いつかまたご一緒したいですね☆

ベスト20なんて・・・・そんなに読んでないよ、10もないかも.......
知らないことを沢山学ばせて頂きました。ありがとう、
来年も、一つ、よろしゅう頼んます。ヘッヘッへ、
何せ、代々アッシの家はのうたりンと来たもんで、
佐平次さん、今年はもぉお仕舞いで? ま、いい年を迎えなすって、
すっとこどっこい! ごめんなすって、
と、書いてみたものの、へんやね、ま、腐れ縁と諦めてちょ、
よいお年を!
とまれ,いろいろ勉強させていただき,ました。感謝感謝です。
良いお年をお迎えください。

次の更新を楽しみにしてます。
来年もよろしく!