俺と堀井憲一郎の落語家ベスト・リスト発表 附・アン・タイラー「結婚のアマチュア」について
2008年 12月 28日
もう売ってないかな、週刊文春の新年特大号に堀井憲一郎が「2008年江戸方落語家ベスト150」という記事を書いている。
江戸方には450人あまりの落語家がいるそうで、その中から「いま、見ておきたい」「お笑い好きだけど、あまり落語を知らない人に見せたい落語家はこの順番だ」というのを作ったという。
ただうまい、とか面白い、芸が確か、というだけではランクが落ちる。
圓歌(55位)や馬風(57位)などがそれだ。
演者としての気迫、気合いがあって「見たことないものをねだる客」をねじ伏せる力技を持っている順番だそうだ。
(写真に載っていないが、18・古今亭菊之丞、19・三遊亭歌武蔵、20.三遊亭遊雀)
俺の趣味とかなり合っていると思うのだが。
刺激されて俺のベスト10を作ってみよう。
好き嫌いが7、評価が3、くらいな感じで(そこが堀井と違う)。
談志は声が出るかどうか分からないから番外というのは真似することにして。
カッコ内の数字は堀井の順位。
1・柳家小三治(1)
堀井も”その空間に一緒にいられるだけで幸せになれるのだ。すごい。”と書いているがまったく同感、ぶっちぎりのトップ。毎日でも聴いていたい。
2・立川談春(6)
3・柳家喜多八(11)
4・柳家権太楼(4)
5・柳亭市馬(10)
6・古今亭志ん輔(16)
7・柳家さん喬(8)
8・春風亭昇太(5)
9・瀧川鯉昇(25)
10・春風亭正朝(38)
11・立川志の輔(2)
12・柳家小満ん(45)
13・五街道雲助(15)
14・桃月庵白酒(33)
15・柳家喬太郎(8)
16・入船亭扇辰(34)
17・入船亭扇橋(65)
18・春風亭小朝(3)
19・橘家圓蔵(56)
20・柳家三三(22)
いやはや、到底10人に絞ることは出来なかった。
20人にしてもまだ林家たい平(12)とか入船亭扇遊(36)、三遊亭小遊三(17)、昔昔亭桃太郎(23)、古今亭寿輔(48)なども捨てがたい。
小朝や志の輔の順位が低いって怒る人もいるかもしれないが、俺の好き嫌いだということだから勘弁してください。
20位に入れた三三(さんざ)、まだそれほど知られていない噺家だが、聴かせる。
33歳、小三治に入門、一昨年真打ちになったばかり。
本格派でフラもあって楽しい。
(よみうりホール。村野藤吾)
市馬、談春と三人で始めた「三人集」の二回目に行って来た。
談春が「明烏」と「権助魚」を伸び伸びと楽しげにやり、市馬が「三十石」という上方ネタを朗々と舟歌を歌って聴かせる(楽屋の前座と、きっと談春・三三の合いの手も聴かせどころ)という中でトリで「双蝶々」を上下に分けて(間に談春の「権助魚」をはさんで)堂々とやった。
円朝の作、円生くらいしかやらないたいして面白くもない陰々メツメツたる噺、若者が多いよみうりホール・1100人をしてシンとして聴き入らせた。
意欲が空回りしてないところが大したものだ。
志ん生、文楽でなくっちゃ、なんて言ってたこともあるのだが今落語界は面白い。
この中から本当に名人として後世に名を遺すのは誰だろう。
みんながんばれ、がんばれ、せいぜい俺は楽しませてもらうよ。
週刊文春新年特大号でもう一つ、小林信彦が「冬休みの読書は『結婚のアマチュア』を」という記事を書いている。
前に紹介した本だ。
著者はアン・タイラー、「あのころ、私たちはおとなだった」という本も紹介した。
小林は
爺泣かせのホンですね。
江戸方には450人あまりの落語家がいるそうで、その中から「いま、見ておきたい」「お笑い好きだけど、あまり落語を知らない人に見せたい落語家はこの順番だ」というのを作ったという。
ただうまい、とか面白い、芸が確か、というだけではランクが落ちる。
圓歌(55位)や馬風(57位)などがそれだ。
演者としての気迫、気合いがあって「見たことないものをねだる客」をねじ伏せる力技を持っている順番だそうだ。
俺の趣味とかなり合っていると思うのだが。
刺激されて俺のベスト10を作ってみよう。
好き嫌いが7、評価が3、くらいな感じで(そこが堀井と違う)。
談志は声が出るかどうか分からないから番外というのは真似することにして。
カッコ内の数字は堀井の順位。
1・柳家小三治(1)
堀井も”その空間に一緒にいられるだけで幸せになれるのだ。すごい。”と書いているがまったく同感、ぶっちぎりのトップ。毎日でも聴いていたい。
2・立川談春(6)
3・柳家喜多八(11)
4・柳家権太楼(4)
5・柳亭市馬(10)
6・古今亭志ん輔(16)
7・柳家さん喬(8)
8・春風亭昇太(5)
9・瀧川鯉昇(25)
10・春風亭正朝(38)
11・立川志の輔(2)
12・柳家小満ん(45)
13・五街道雲助(15)
14・桃月庵白酒(33)
15・柳家喬太郎(8)
16・入船亭扇辰(34)
17・入船亭扇橋(65)
18・春風亭小朝(3)
19・橘家圓蔵(56)
20・柳家三三(22)
いやはや、到底10人に絞ることは出来なかった。
20人にしてもまだ林家たい平(12)とか入船亭扇遊(36)、三遊亭小遊三(17)、昔昔亭桃太郎(23)、古今亭寿輔(48)なども捨てがたい。
小朝や志の輔の順位が低いって怒る人もいるかもしれないが、俺の好き嫌いだということだから勘弁してください。
20位に入れた三三(さんざ)、まだそれほど知られていない噺家だが、聴かせる。
33歳、小三治に入門、一昨年真打ちになったばかり。
本格派でフラもあって楽しい。
市馬、談春と三人で始めた「三人集」の二回目に行って来た。
談春が「明烏」と「権助魚」を伸び伸びと楽しげにやり、市馬が「三十石」という上方ネタを朗々と舟歌を歌って聴かせる(楽屋の前座と、きっと談春・三三の合いの手も聴かせどころ)という中でトリで「双蝶々」を上下に分けて(間に談春の「権助魚」をはさんで)堂々とやった。
円朝の作、円生くらいしかやらないたいして面白くもない陰々メツメツたる噺、若者が多いよみうりホール・1100人をしてシンとして聴き入らせた。
意欲が空回りしてないところが大したものだ。
志ん生、文楽でなくっちゃ、なんて言ってたこともあるのだが今落語界は面白い。
この中から本当に名人として後世に名を遺すのは誰だろう。
みんながんばれ、がんばれ、せいぜい俺は楽しませてもらうよ。
週刊文春新年特大号でもう一つ、小林信彦が「冬休みの読書は『結婚のアマチュア』を」という記事を書いている。
前に紹介した本だ。
著者はアン・タイラー、「あのころ、私たちはおとなだった」という本も紹介した。
小林は
「結婚のアマチュア」のラストでは、思わず、涙がにじみそうになった。と俺(=「最後にマイケルがポーリーンを偲ぶくだりでは危うく涙が出そうになった。」)と同じことを書いている。
爺泣かせのホンですね。
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maru
at 2008-12-28 23:16
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saheiziさんのリストかなり共感できます。
小朝、志の輔より滝川鯉昇が上なのも嬉しい。
今、落語界は女子フィギュアスケート界と同じくらいレベルが高いと思います。(違うか)
小朝、志の輔より滝川鯉昇が上なのも嬉しい。
今、落語界は女子フィギュアスケート界と同じくらいレベルが高いと思います。(違うか)
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HOOP at 2008-12-29 00:14
読むまでもなく、私はアマチュアです(泣)
プロになる必要はないでしょうが、せめても少しちゃんとしたい。
プロになる必要はないでしょうが、せめても少しちゃんとしたい。
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滝×瀧〇
at 2008-12-29 07:10
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saheizi-inokori at 2008-12-29 07:43
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saheizi-inokori at 2008-12-29 07:49
きとらさん、「推理小説はもういい、純文学はしんどい、といった読者(長く生きてくれば、そうなる)にとって、ぴったりの大人の作家である。孫のいるひとだったら、さらにぴったりくる。」と小林は書いてます。
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saheizi-inokori at 2008-12-29 07:58
きとらさん、 「いつかは蓮の花と咲く」、いい記事ですね。“歩きつづける“気になります。
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saheizi-inokori at 2008-12-29 08:00
HOOPさん、この小説を読んでもプロにはなれそうもない。結婚のプロって?アマチュアがあるんだからきっとあるんでしょうね。
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saheizi-inokori at 2008-12-29 08:02
滝×瀧〇さん、ありがとう。鯉が昇れなかったですね^^。
桃太郎!イイナア、あの服装も、ぜんざい公社には笑いました。
桃太郎!イイナア、あの服装も、ぜんざい公社には笑いました。
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saheizi-inokori at 2008-12-29 08:04
ア、間違え!ぜんざい公社で笑ったのは寿輔でした。この人も欠かせない。
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greenagain at 2008-12-29 12:01
わ、参考になります。初心者なので、saheizi様のランキングを参考に、耳を傾けてみます。
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saheizi-inokori at 2008-12-29 12:27
greenagainさん、片づけは又来年にして笑い飛ばしましょう^^。
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滝×瀧〇
at 2008-12-29 14:18
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不躾な指摘で失礼いたしました。
落語ってホントに良いですよね。他のジャンルで好みのパフォーマーが、これほど数多くあがるものって、少ないんじゃないですかね。
桃太郎師匠も、ぜんざい公社やりますよ。あの独特の「間」に、はまってます。
落語ってホントに良いですよね。他のジャンルで好みのパフォーマーが、これほど数多くあがるものって、少ないんじゃないですかね。
桃太郎師匠も、ぜんざい公社やりますよ。あの独特の「間」に、はまってます。
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convenientF at 2008-12-29 17:56
>もう売ってないかな、週刊文春
町内のコンビニでは、11月に入った頃から「新潮」ともども次号が出るまで残るようになりました。これらはまだマシな方で、若者向けはまるで売れなくなったそうです。
週刊誌と最も安いメシがほぼ同額ですからね。
町内のコンビニでは、11月に入った頃から「新潮」ともども次号が出るまで残るようになりました。これらはまだマシな方で、若者向けはまるで売れなくなったそうです。
週刊誌と最も安いメシがほぼ同額ですからね。
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旭のキューです。
at 2008-12-29 21:11
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結婚のアマチェアで勉強してみます。
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HOOP at 2008-12-29 21:39
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saheizi-inokori at 2008-12-29 22:12
滝×瀧〇さん、桃太郎さんには新宿三丁目出会ったことを除くと今年は一度もぶつかりませんでした。来年は意識して行ってみましょう。
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saheizi-inokori at 2008-12-29 22:14
convenientFさん、確かに読まなくても全然痛痒を感じませんからね。飯は食わなくちゃ生きてケン。
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saheizi-inokori at 2008-12-29 22:14
旭のキューです。さん、あなたはもう卒業でしょう^^。
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saheizi-inokori at 2008-12-29 22:16
HOOPさん、週刊文春の立ち読みもあるのでしょうか。立ち読みしてまで読みたいのかなあ。もっともそれじゃ買うこともないんだけど、、。
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散歩好き
at 2008-12-29 22:16
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皆様のように深く吟味はできませんが菊之丞の語りは私には心地よいです。
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saheizi-inokori at 2008-12-29 22:19
散歩好きさん、アァ、彼を20から落としてしまった!まだ若いから次回に期待しましょう。
先日「元犬」を聴きました。だんだん自信をつけているようです。
先日「元犬」を聴きました。だんだん自信をつけているようです。
by saheizi-inokori
| 2008-12-28 22:38
| 落語・寄席
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