静かな感動 NHK「きょうの料理スペシャル サミットの料理人・シェフ 中村勝宏の挑戦」
2008年 08月 26日
去年の12月、突然の指名に驚きながらも彼にとっては初めての地である北海道に行かれてあっという間にサミットも無事終了した。
外野席にはあっという間でも中村さんには激闘の日々だったと思う。
自分のこととかプレッシャーというよりも何とか責任を果たさなければならないという思いだけでいっぱいだった。短い準備期間で焦りもしたけれど
今までの経験の全てを投入しようと思った。大役を成し遂げられて心なしかほっとした笑顔を見せながら如何にも中村さんらしい言葉だ。
「北海道の大地と海の幸」をテーマにした。
中村さんは真冬の美瑛に行き雪の中から”越冬ジャガイモ”を掘り出してもらう。
いいですねえ。素晴らしい。美しいなあ。ジャガイモをみて嬉しそうに笑う中村さん。
土の下で冬を越すことでジャガイモの甘さが凝縮する。
利尻のバフンウニは利尻昆布を食べて絶妙の味となる。
その利尻昆布は海に流れ込む川のケアから始まる。
昆布が枯れてしまったという苦い経験を克服するために山に植林をして森づくりをしたのは漁協の女性たちだった。
中村さんは忙しい中を5時間もかけて白糠の羊の放牧場を見に行く。
ここの羊農家は羊が食べる草の質を上げるために土壌作りに必死だ。
今日は私自身が安心するために来たのです。この人の育てた羊なら心配ないと確信しました。ニッコリ笑う中村さん。
後は自分との闘いです。
オホーツクの毛蟹を獲る猟師たちは乱獲で毛蟹が激減した経験に鑑みて雌と一定の大きさのない蟹は厳格に海に戻している。
そのようにして獲った蟹を中村さんは”まるごと”、甲羅も脚も使ってスープをとる。
食料危機ということは常に私たち料理人が意識しなければいけないことです。シエフは厨房を見るときは裏から入って、まだ使える食材が無駄に捨てられていないかをチエックする心がけが必要だと淡々と語る。
ウニ、ジャガイモ、毛蟹、羊、、選び抜かれた食材を考え抜いた調理法で丁寧に、熟練の手さばきで美しい、旨そうな料理に仕上げていく。
途中で
いい匂いでしょ?(これを味わえるのは)料理人の特権ですよとても嬉しそうな、まるで小さな子どものようないい顔で笑う。
1000人からの料理、24時間サービスのビュフエ、”民族、宗教、個人の三つの違い”を頭に入れながら、メニューを構成していく。
ひどい時には作り始めてからアレルギーを持ったゲストの情報が入って、違う料理に変えたこともあったという。
最後に
私一人で出来ることではなく、ホールや厨房など多くのスタッフのお陰でできたことを感謝したい。という言葉が静かな調子ではあるが社交辞令ではなく真心からの言葉と感じた。
俺の料理で大向こうを唸らせてやろう、というような山っ気など微塵もない。
そのかわりに料理(食材)に対する深い愛情と真っ当な哲学には揺るぎがない。
だからこそ、史上最大規模のサミットで混成部隊を率いて見事に大役を果たすことが出来たのだと思った。
美味しそうですね。レストランの料理は見て美味しく、食べて美味しい、ですものね。
ジャガイモやバフンウニを食べながら(ウニはそう食べる機会はありませんが)作り手の方たちの苦労を知らず当たり前に食べていましたがもっと感謝して食べなくてはいけませんね。
「きょうの料理」って面白いですね。
今日は沖縄編でしたがアグー(黒豚)のこととか面白かったです。たまにはテレビもいいもんです^^。
沖縄の長寿のおばあたちは食べ物を「命の薬」として感謝して食べる。海藻とか豚肉、ゴーヤなど食材もヘルシーですが、そういうふうに感謝して食べるという心の持ち方が長生きの原因ではないかと思いました。
朝早く起きて畑仕事、早めに晩御飯を食べて後はみんなが集まって”ゆんたく”といってのんびりおしゃべりをする。興が乗れば踊る。80過ぎのおばあが長生きして幸せだと語っていました。
民族、宗教、個人を考えての調理は凡人にはとても考えられません。そんなことがどうして満足いくように成し遂げられたか、saheiziさんの解説でよくわかりました。
中村氏とてもいいお顔です。
苦手だった数学の多変数方程式を思い出しました。
まったく気取りのない威張らないシエフです。
こちらでも話題になりました。
せめてオープニングと閉会式は見たかったなぁ・・・・
オリンピックくらいは何とかならないかと思うけれどね。
薄いパンのうにサンド、こんなに薄くパンをきれるのかしら・・・・・料理ってアートですね。
これをツマミに泡立つシャンパン、私も首脳になりたくなっちゃう^^。
でも見られてよかった!