たまにみた映画が当たり！ 「ダークナイト」

たまには映画の話。
映画って見だすと予告編などに刺激されるのか次から次に見たくなるけれど見ないでいるとご無沙汰してしまう。
貧乏学生であっても学生時代は人並みに見に行った（アートシアターなど懐かしい）けれど就職してからは、あまり行かなくなり、再び観だしたのは仕事が変ってから。
仕事のためにも“今、やっている映画”（テレビの名画劇場じゃなく）を観ることが大事だと思った。
と云っても月に一度か二度くらいだったかな。
部下には勤務時間中でもやりくりして映画くらい見てこいよ、と云ったが冗談だと思われたらしい。

最近は毎週一回くらい、多いときは続けてみたりしていた。
このブログも最初の頃は結構映画の感想を書いている。

それが、このところ、やはり能と落語かな、夢中になってしまったから、映画にまで時間もエネルギーも回らなくなった。
能や落語のぎりぎり無駄が削ぎ落とされた表現からみると冗長に感じる映画が多いように感じたこともあるかもしれない。

それなのに、先日観たのは「ダークナイト」、１５２分という長い映画だし、中身もよく分からないままに観たのは、なんとなく面倒なことを考えないでワクワクするような活劇を見たいということと、たまたま、開始時間の都合がよかったというだけだ。
長くても短くても料金は１０００円だしね。

バットマン、てこういう映画だったのかな。
普段は大きな企業のオーナーがハイテクの鎧みたいなのを身につけると空を舞うことも出来、凄い車も使える。
めちゃくちゃ強い、正義の味方だが、どうも正義を行うには市民的法秩序を無視しなければならないこともあって（闇の必殺お仕置き人？）警察からは逮捕状が出ている。
絶対的な正義執行役なのだが心の悩みもあるのが面白い。
めちゃくちゃ強いけれど犬にかまれたり疲れたりもする。
どうもこのあたりは前篇があって、そこに経緯は描かれているようだが、そんなことを知らなくてもハラハラしながらアクションを見ていると１５０分は退屈しない。

何よりも面白かったのは、ジョーカーという悪の権化だ。
バットマンを正の極とするなら、まったくその反対の負の極にいる。
自分が存在するためにもバットマンの存在が必要だ、という。
その辺が金を求めるギャングたちとはまるで異なった存在だ。
こっちは心の悩みなどないようだ。
人間どもは性悪であるはずと云う信念、その一点をかけてバットマンと戦う。

ふと、鵺を思い出した。
じゃあ、バットマンは頼政か＾＾。



映像をここにコピーするのは著作権に触れるから、ネットで検索して頂ければ一目瞭然だが、なかなか気味の悪い顔をしている。
真っ赤に裂けたかにみえる口の由来をいろんな殺人場面で説明するのだが、相手によってそれを変えるところなど芸が細かい。
臭い息が感じられるような吐息混じりに喋るしわがれ声が迫力ある。
山と積んだ札束に火をつけるところ、総合病院を爆破してひょいひょいと現れ最後に「アァ、忘れてた」みたいに何気なく持っているスイッチを押して仕上げの大爆破をさせて又人ごとのようにスタスタと歩いてくるところ、その他迫力満点のサデイステイックな殺人場面、、魅力的と云っちゃあなんだがいい出来でした。
ユーモアを感じた。
ヒース・レジャーという俳優が演じていたのだが、この人撮影終了後に急死したという。
エンド・ロールに彼を悼むクレジットが出ていた。
惜しいなあ、冥福を祈る。

他の俳優もそれぞれ好演、と云っても言葉がよく分からないから、見た目ですが。
知ってる人ではモーガン・フリーマンがバットマンを補佐する社長役でいつもの味。