カミもホットケない、長くも薄い噺
2008年 08月 20日
毛頭・・髪の毛がある頭のこと、禿頭(とくとう・はげ頭)の反対語。
なんちゃって、でも信じる人もいるかもしれない、なんて毛頭信じられない。
子どものころからふさふさとツヨイ髪だった。孫にだって負けないほど。
就職してからはずっと七三に分けていたが、一晩寝ると癖が出て旅行用ドライヤーを買った(当時はドライヤーのないホテルが多かった。ウオッシュレットもそうだった。関係ないけれど)。
普通の七三だからどこの床屋でもよい、旅先で時間があると居酒屋とともに床屋にもよく行った。
どちらもその土地の言葉が行き交い、感情があるから楽しい。
20年ほど前に180度仕事が変わって、ライフスタイルを変えようと、服装も変えいろいろ髪型を模索している内に近所の床屋がすすめるものだからパンチパーマをかけた。
ソフトといって長め、泣く子も黙るってほどのチリチリではないけれど、やはりパンチ。
毎朝のケアが不要なのが有難い。
似合う、と自分では思っていた。
二転三転仕事が変わって、割とカタメの仕事の千葉支店の責任者になって挨拶したとき、みんな驚いたらしい。
パンチの責任者は史上初だった由。
問題は床屋、何軒か当たってみると、ソフトパンチをやるところがない。
競輪場が近くにあるからか、あのてのパンチばっかり。
困っていたら家のまん前にある美容院の看板に「育毛パーマ」とある。
清水の舞台から飛び降りて美容院のドアを開けた。
「キャ~」という人はいなかった。
にっこり笑う先生(と呼ぶんだって)に、おずおずと訊いて見ると「そんなパンチなんか髪によくないから私の育毛パーマにしなさい」と今までの顧客の使用前・使用後の写真アルバムを見せる。
ノーべル賞を貰ってもいいような発明だからといいながら折りたたみ椅子に乗っかって俺の頭を上から撮る。使用前だ。
”まん前”だし、ビデオを見たり馬鹿話(床屋とも居酒屋とも違う、とてもためになる話、忘れたけれど)をしながら頭をいじってもらうのはストレス解消にもなるし、結構はまったかな。
ただ、「これ以外を使ったら直ぐに髪がめちゃくちゃになるから」といわれて高いシャンプーを買っていたが、ある時アメ横のスーパーで半分以下の値段で売っていたのには呆れた。
当時はまだ普通に”あった”から”育毛の使用後”効果もイマイチはっきりしない。
そうこうする内に又東京に転勤(母と同居)、ここでは近所の床屋に恵まれた。
なぜか床屋の多い界隈で3・4軒の床屋がある中でその店だけが超繁盛。
日曜日の朝、8時前何分に行くか、ちょっと遅れると一時間待ち。
芸術的にカミソリがうまい、長寿表彰されたお爺ちゃん(今でも、オヤジには敵わないと息子が云っていた)がたまに顔、とくに目の周りを剃ってくれるが、コレマタ話が楽しい息子たちの、弟の方が俺の担当。
お兄ちゃんはフィリピンの女性と結婚、だからスタッフ(基本的は家族)の旅行会はフィリピン。
育毛であれなんであれパーマなんて必ず髪にダメージがありますといって、それでも二ヶ月に一度くらいはパーマをかけていた。
佐平次さんの頭はデリケートだからなあなどと誉めたんじゃないと思うけれど、いろいろ首をひねって思案して「ウン、巧くいった」と出来栄えに頷いたりしていた。
寄席で手品の世津子さんが「大成功!」と言うのに似ている。
まだらに、美しくなく、白髪が出てきたので、イタズラ半分に酸性カラーと言うのをやった。
マルマル坊主の高校生、理髪学校の生徒の練習台としてただ同然で刈ってもらった大学生、キチンと七三に分けた社会人、どの時代にも、まさかこの俺様がパーマだ、染毛だなんて夢にも考えなかった!
若い頃社内報に「親から貰った黒い髪をなぜ赤く染めるのか」と女性の染毛を批判したエッセイを書いたこともあるのだぞ。
人間は変われば変わるものだ。
そして今、引っ越した家の近くで半年かけて探し回って結局又もや美容院。
髪って一月経たないとやり直しが出来ないから時間がかかる。
最初はマスターが担当、「うんと嫌らしくしよう」とか「もっとワイルドに」などとダルビッシュ(坊主以前)みたいな長髪でフザケテいるうちに女性スタッフが脇から俺を奪取、今ではその子たちが担当だ。
目下のわがヘアケアチームの主要テーマは「いつ坊主頭にするか」それとも「ダイを辞めて白髪に戻すか(やってみないとどうなってるかは分からないのだが)」でなければ「赤青緑などの日替わりメッシュでキメルか」である(残念なことに今はパーマの必要はなくなっている)。
坊主になると、もう美容院に来る必要もない。
自分でバリカンをあてればすんじゃう。
そうなっちゃうよ、というと「ただ店にきてお茶飲んでればいいですよ」と答える二人だ。
そのうちのひとりが秋には結婚、「花束を親に贈るときに泣いちゃうんじゃないか」と今から心配している。
泣くのをみんな期待しているから構わないんじゃないの、と言うと、キチンとやりたいんだと。
先日、待たせて「直ぐやりますから」というから「蕎麦屋の出前」って知ってる、ときいたら案の定知らない。
一生懸命説明したが、それが一体どういう意味?という顔をしていた。
千葉の育毛あたりから俺にとって床屋(美容院)は単に髪を切ってもらうだけの場所ではなくっている。
なかなか坊主になるフンギリがつかない。
中学の頃、坊主頭の格好から「ムスビ」というあだ名で呼ばれたことも思い出すし。
金の切れ目が、、かな。
それなら、モウトウに。
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お茶好き
at 2008-08-20 23:59
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ここ数日は読みながら、泣いたり、怒ったり、難しい話に眉間にしわを寄せながら自分なりに考えたりする事が多かったけれど今日はケラケラ、んふふ、えっへっへ、と笑いながら読ませていただきました。「saheiziさんていったいどんな人なんだろう?」って勝手に想像をふくらましながら(*^_^*)。
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henry66 at 2008-08-21 01:41
衝撃の記事です.....
まあ、奈良の大仏さまも、パーマかけてるし、あれはあれで美男だし。
まあ、奈良の大仏さまも、パーマかけてるし、あれはあれで美男だし。
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Rie
at 2008-08-21 06:30
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美容院で一番好きなのは、パーマ後に髪の毛を洗ってもらってマッサージしてもらうひととき。こういうサービスはフランスには全くないので、うちの旦那さんは、日本の美容院は素晴らしいと感動してました。
今度もし髪を染める時は金髪がおすすめです。似合うと思います^^。
今度もし髪を染める時は金髪がおすすめです。似合うと思います^^。
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antsuan at 2008-08-21 06:45
へぇー!? もうとうにモウトウでなくなっている身としては信じられない。
客が床屋談義をするなんて、時代が変わりましたなぁ。(笑)
客が床屋談義をするなんて、時代が変わりましたなぁ。(笑)
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sweetmitsuki at 2008-08-21 06:56
私が訪れた縄文遺跡では、中は居酒屋になっていてニワトコの実で作った果実酒やドングリを挽いたケーキを提供してましたよ(すいませんウソです)。
美容院の店内で売っているシャンプーは、割高なのはわかっているのですが買うと待遇が良くなるので「そろそろ切れる頃じゃありませんか」とか言われるとつい買ってしまいますね。
スナックにボトル置くおじさんの気持ちがわかるような気がします。
美容院の店内で売っているシャンプーは、割高なのはわかっているのですが買うと待遇が良くなるので「そろそろ切れる頃じゃありませんか」とか言われるとつい買ってしまいますね。
スナックにボトル置くおじさんの気持ちがわかるような気がします。
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saheizi-inokori at 2008-08-21 08:23
お茶好きさん、薄い人間ですよ^^。
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saheizi-inokori at 2008-08-21 08:25
henry66さん、大仏ほどのチリチリではなかった。
衝撃ですか?
衝撃ですか?
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saheizi-inokori at 2008-08-21 08:27
Rie さん、床屋も肩もみが上手でした。
頭を人に洗ってもらうって気持ちがいいですね。
頭を人に洗ってもらうって気持ちがいいですね。
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saheizi-inokori at 2008-08-21 08:30
antsuan、「浮世床」と云う噺に見るまでもなく、床屋は江戸の昔から庶民の集う場所、髪結いよりも床屋談義をするのが楽しみだったんですよ。
今でもとくに地方の床屋はそんな雰囲気があります。
今でもとくに地方の床屋はそんな雰囲気があります。
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saheizi-inokori at 2008-08-21 08:33
sweetmitsukiさん、シャンプーのサンプルってあるでしょう。私はそれをいつも多めに貰って(無料)銭湯グッズにしています。贔屓にしてもらっているんですね(自慢)^^。
金の切れ目に坊主、それは我が夫です。私がやってあげているのでタダです。道具の元はかかっていますが。
ついでに切れ目に煙草もやめました。
ついでに切れ目に煙草もやめました。
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saheizi-inokori at 2008-08-21 09:03
tonaさん、止めるものを残しておかないと生きるのをやめなくてはならなくなっちゃう。昔から道楽者が言うセリフ。
ホントに死んじまいやがった!
ホントに死んじまいやがった!
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lotus
at 2008-08-21 09:48
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私もいつ髪を染めるのをやめようかと考えています。前は60歳と思っていたのですが、近づいてくると迷います。ところで最近、顔そりエステというのを経験しました。ちゃんと理容師の免許を持ったエステティシャンが、ていねいに剃ってくれます。気持ちよかったです。
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takoome at 2008-08-21 09:54
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高麗山
at 2008-08-21 09:55
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お孫さんの写真、2度目だと思うのですが凄い髪の量ですね。何歳くらいになったら、パンチ効かすのかな?
私は、47年間昔一緒に生活した男が開店した店に一途です。
¥1,000ポッキリです、盆暮れには何がしかをするとしても、他のお客さんに気遣いしながら何時も店を後にしています。
緩やかな天パーですから、常にショウートカットです。奈良の大仏さんほどでは在りませせん!
私は、47年間昔一緒に生活した男が開店した店に一途です。
¥1,000ポッキリです、盆暮れには何がしかをするとしても、他のお客さんに気遣いしながら何時も店を後にしています。
緩やかな天パーですから、常にショウートカットです。奈良の大仏さんほどでは在りませせん!
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saheizi-inokori at 2008-08-21 09:59
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saheizi-inokori at 2008-08-21 10:01
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saheizi-inokori at 2008-08-21 10:04
高麗山さん、そういう暮らし方は憧れでした。
20回に迫ろうかと云う引っ越し、仕事の内容もどれだけ変わったか、落ち着きのない人生を表すのが我がヘアスタイルの変遷でもあります。
20回に迫ろうかと云う引っ越し、仕事の内容もどれだけ変わったか、落ち着きのない人生を表すのが我がヘアスタイルの変遷でもあります。
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sakura
at 2008-08-21 10:53
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gakis-room at 2008-08-21 11:40
私は一時期は自分で切っていました。髪にはずっと無頓着というよりもおしゃれのセンスがない,ということです。
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orangepeko
at 2008-08-21 18:54
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わっ!可愛い!ヽ('-'*)~♪…後は目に入らず…(^O^)またゆっくりと拝見します(^^;
saheiziさんに似ていらっしゃいますか…(・・?)
小さな子を見ているだけで…癒されますねヽ('-'*)~♪
saheiziさんに似ていらっしゃいますか…(・・?)
小さな子を見ているだけで…癒されますねヽ('-'*)~♪
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saheizi-inokori at 2008-08-21 20:12
sakura さん、この写真は二か月ほど前に来た時のものです。
今週又会えそうですが人見知りするようになったそうで、嫌がられそうです。
今週又会えそうですが人見知りするようになったそうで、嫌がられそうです。
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saheizi-inokori at 2008-08-21 20:13
gakis-roomさん、面白可笑しく書きましたが、わが有為転変をお察し下さい。
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saheizi-inokori at 2008-08-21 20:14
orangepeko さん、自分のダメさ加減を考えると似てない方がいいなあ。
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みい
at 2008-08-21 20:34
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saheizi-inokori at 2008-08-21 22:10
みいさん、↑に書いたとおり、あまり似ないで育ってほしいですよ。
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fukuyoka at 2008-08-22 16:38
ますます可愛くなられたハーちゃん。今は10ヶ月でしょうか。 少し話されますか? 昨夜遥太がきてウヲウヲと声を出し始めました。孫は愛おしいです。
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saheizi-inokori at 2008-08-23 00:23
fukuyokaさん、この写真は二か月前のものです。日曜日に来るのですが、人見知りをするそうで、、。11月生まれです。
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otayori
at 2008-08-23 19:56
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お孫さん、かわいいですね~
髪の毛のふさふさとしていること!我が子は3歳くらいまでそよそよと、そよぐような毛でした。
それにしても、saheiziさん、おしゃれなんですね~
私は、美容院に行くのが面倒で、1日のばしにしているところです。早く行かねば♪
髪の毛のふさふさとしていること!我が子は3歳くらいまでそよそよと、そよぐような毛でした。
それにしても、saheiziさん、おしゃれなんですね~
私は、美容院に行くのが面倒で、1日のばしにしているところです。早く行かねば♪
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saheizi-inokori at 2008-08-23 21:16
otayori さん、おひさしぶり!
お洒落に行くというより遊びに行くような気分です。
お洒落に行くというより遊びに行くような気分です。
by saheizi-inokori
| 2008-08-20 23:33
| よしなしごと
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