裁判員制度の記事について緊急訂正!

昨日の記事だったかコメントへの返信だったか間違ったことを書いたような気がするので出先から緊急訂正します。

裁判員制度の判決は多数決によって決まると書き、だから本職の裁判官三人全員が無罪意見でも素人の裁判員六人の内五人が有罪意見だと有罪になると書いたような気がします。
それが間違った。
有罪とするときは裁判官が一人は有罪意見であることが必要なのだそうです。
その一人(以上)を含めて過半数であること。
無罪の場合は単純に多数決、裁判官全員が有罪を主張しても裁判員五人が無罪と言えばめでたく無罪です。

重大な刑事裁判に「健全な社会常識を反映させる」というのが裁判員制度導入の目的だそうです。
そして義務教育を修了した成人であれば死刑判決もあり得るような事件を憲法で保証されているようなレベルで裁けると猫なで声で広報する最高裁や法務省。
どうも本音の何処かに裁判員に対する不安もあるようです。

地方裁判所の判決に不服な被告人や検察は高等裁判所に控訴出来ますがそこには裁判員はいない。
これも変と言えば変だ。

こうしてみるとなんとか審議会や小泉改革の中で中身の議論もろくにしないまま法律が出来て最終期限が来てしまったという無様な有り様が透けて見えてきます。

拙速をスピードアップと言い換えて裁判官たちには現状をはるかに上回る負担を負わせプライドも傷つける。

松川裁判は裁判員たちがいたらあんなに長びかずにさっさと無罪確定していたと言うのだろうか。
Tracked from 思い付くまま雑感文 at 2008-06-08 18:29
タイトル : 「死刑は裁判官・裁判員の全員一致で」
「死刑は裁判員の全員一致で」議員連盟が法改正案提出へ  超党派の国会議員による「死刑廃止を推進する議員連盟」(亀井静香会長)は4日、役員会を開き、2009年から導入される裁判員制度で、死刑については裁判官と裁判員の全員一致を条件とする裁判員法改正案などの今国会提出を目指すことで合意した。  裁判員制度では、市民から選ばれた6人の裁判員と裁判官3人が多数決で量刑を決める。  議連では、死刑判決を減らす狙いから、死刑に限り、量刑判断を全員一致とし、全員一致とならずに死刑が妥当とする判断が過...... more
Commented by gakis-room at 2008-05-24 21:32
国民主権とは国民が司法権をもコントロールすることだと言うのが私の原則ですが,裁判員制度に胡散臭さを感ずるのは,次の3点です。
1.裁判に市民感覚をとりいれるといいながら,「市民感覚のない」裁判官が議論をリードする(に違いない)。それでいて,免責されるのは「市民感覚」のない裁判官である。汚いよね。
2.なぜ,地裁だけなのか。職務暦の長い,そして立身出世をした(?)した上級審判事は,より市民感覚から遠ざかってはいないか。
3.裁判官に「市民感覚」が欠如しているのであれば,裁判官にコンビニででも労働体験でもさせたらいい。もっとも,そうして労働体験をした裁判官が「市民感覚」を獲得するという保障は何もない。

裁判員制度は教員免許の更新制導入と同じように,リアリティのない空論だと思います。
Commented by saheizi-inokori at 2008-05-24 22:08
gakis-roomさん、おっしゃる通り空論というか虚論とでもいうべきです。
問題は“論”ではなくて現実に実行される。
いったん動き出すと権力は強いですよ。
教員免許更新よりはるかに実害が生じるはずです。
現在の判事が完璧だとは思わないがそれを裁判員がなおせるとは考えられない。
さっきまで居酒屋にいましたがかなり頭の良いママでも「犯罪者にも人権はある。たとえ殺人犯であっても」というと冗談を言っていると思って笑っていました。周りの客も然り。
こういう人たちが現実に判決を左右するのは空論が空論ですまなくなるということです。
それを許す社会とは西部劇の社会に後戻りしたようなものです。
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by saheizi-inokori | 2008-05-24 13:38 | 責任者を出せ! | Trackback(1) | Comments(2)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori