トシチってなんでしょう?  ジャイアント馬場も遠くなったね

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町の小さな靴屋さん・「えこる」にはその後も何回か行っている。
「靴クリームを売るとつけすぎるから売らないんです。汚れたらオイデなさい、うちで手入れをしてあげるから」といわれている。
12月から今日まで結婚式(息子の)以外は会社も沖縄も街歩きも全てこれ一足だから汚れるし少しづつ気になるところも出てくるので直してもらうのだ。
そのたびに店の人とのおしゃべりが楽しい。

前の記事にも書いたように一足しか売ってくれなかったので今日は色違い乃至はもう少しカジュアルなヤツをあつらえようと思った。
こういうのはどうか?とマスターが履いているのをみるとワインカラーの型押し模様のが微妙に古びていて、なかなかいいんだ。
そうしたら、こっちはどうかとメッシュも見せられた。
中にゴアテックスが一枚入っているから水が入ることはないし熱くなく涼しいという。
迷っていたら、何のことはない、どっちも俺のサイズが置いてない。
「今度来るまでにどっちか気に入った方を置いときます」というから「そんな俺の足が13文とか云う特別な足でもあるまいし両方揃えておいてよ」と言ったら「13文?」といぶかしげな顔をされた。

マスターが苦笑いをしながら
靴のサイズだよ。昔、一文銭と言う硬貨があってそれを13個並べた大きさだったら13文というわけさ
俺はトシチ、すなわち10文7分、今なら25.5だ。

前にお嬢さんと書いた人はその後の調査結果によるとマスターの奥様であるという疑いが濃厚になっている(本人は自白した。俺は認めたくない)のだが、そのお嬢さんが
貫みたいなもの?百貫デブの
と合いの手。
若い女性スタッフがそれを受けてなにやら云う。
俺はマスターと大工は今でも尺貫法を使っているという話題で盛り上がっていたからよく聞こえなかったのだが、マスターは彼女の近くにいたから聞こえたと見えて
ちがうよ!
と大きな声をだすからびっくりするじゃないか。

貫とはお寿司の単位だと思ってたんだって
お寿司を100貫も食べるほどのデブって意味かと思ってた
マスターと俺は「お寿司のカンは巻くの巻だと思うよ」と薀蓄を披露。

後で調べてみたら寿司のカンの字は「貫」が主流で(「巻」もあるが)、語源は「寿司2個(昔は2個で一貫といった)の重さが穴あき銭一貫(紐でひと括りにした)と同じだった」とか「巻き寿司のひと巻きからきた」とかいろいろあるようだ。
どっちにしてもカンと云う言い方もそう古いものじゃないようだ。
テレビのグルメ番組あたりで通ぶって使い出したのかも知れんノウ。

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そもそもふたつで一貫かどうかも定説はない(ひとつが主流)。
だから知ったかぶりすると勘定するときに予想の倍も取られて「おあいそ」どころか「ぶあいそ」「泣きっ面」になる恐れ無しとしない。
ムラサキだのギョクだの符牒を喋ったからって寿司屋じゃ恐れ入って安くしてくれるわけもない。
俺たちは業界人じゃないんだから堂々と「一個ください」が聴いてても気持ちがいいってもんだ。
(もっとも何でも「個」で勘定するってのもそれはそれで困るんだけどネ)。
靴屋さんが文数のことを知らない時代だもの。
(えこるさん、メンゴ!書いちゃった)

写真上は読谷・やちむんの里・登り窯。
下は今しかないという天然の「海ぶどう」、粒が大きいでしょう。
那覇の公設市場で写真を撮ろうとしたらオバサンがいろいろアングルなど助言してくれた。ま、要するにまっすぐに撮ったんだけど、これで光線の具合とかいろいろあったんだ。
「買いもしないでごめんね」と言ったらニッコリ笑って手を振った。
Commented by ginsuisen at 2008-03-05 22:45
でかい海ぶどう!百貫ぶどうかな。そういえば、文で表現するのはすっかり忘れてますねー。私は9・3だったかな。今は太って9・5です、多分。
しかし、えこるのお姉さん、いつまでお嬢さんぶっていたのでしょう・すぐにばれるのに。
Commented by henry66 at 2008-03-06 04:41
そういう単位は使わなくなりましたが、古典を読めばいくらでも目に入ってくるのですからその「お嬢さん」も勉強してほしいです(メンゴ!書いちゃった)
だけど佐平次さん、お洒落ですね。
Commented by saheizi-inokori at 2008-03-06 07:54
ginsuisenさん、ばれないのです。
白状しても認めないのです、私は。
Commented by saheizi-inokori at 2008-03-06 07:57
henry66さん、古典て読むのかなあ。
現代人の何人が文数なんて分かるかな、もっとも靴屋さんは別かも。
そういえばデパートの靴売り場でもトシチと言ってから相手の顔をみて「え~と、25か26くらい」なんて言ってました。
Commented by gakis-room at 2008-03-06 09:16
「32文キック」というのもありました。もう,死語ですかねえ。
Commented by saheizi-inokori at 2008-03-06 10:16
gakis-roomさん、足袋は今でも文数かもしれません。
最近はぴったりの足袋を注文して作るのが多いとも聞きますが。
Commented by 高麗山 at 2008-03-06 10:24 x
私もプロレスは、詳しくはありませんが、
確か馬場さんは、「16文キック」と「32文ロケット砲」だったように思います。
母親に、着物を渡される時何時も言い聞かされました。
「私が居なくなっても、憶えておきなさい!」
「あなたは、背丈5尺8寸、目方は21貫500匁、足袋寸は11文」
未だに着物の包紙に、母の字で寸法が記されています。
今でも、メートル法に直してみても、あまり変化は見られません。
Commented by saheizi-inokori at 2008-03-06 11:37
高麗山さん、お母さんの言葉を体が覚えていて何時までも変わらないのかもしれませんよ。
母の恩は海よりも深し!そういえば千尋と言う言葉は映画で使われて今も生きているかもしれませんね。意味はわからないままに?
Commented by ginsuisen at 2008-03-06 12:26
足袋・・よほどのお店でないと、もう文ではないと思います。
あつらえると、気持ちいいんですよね。最初はきついけど、ぴたっとしてきます。能楽師さんたちの足袋はみなさん、あつらえでしょうね、シワがありませんものね、どれも。
Commented by gakis-room at 2008-03-06 18:02
「32文キック」は私の記憶違いでした。高麗山さんの指摘のとおり,「16文キック」と「32文人間ロケット砲」でした。
ついでに思い出しました,「9里より(4里)うまい13里」なんてのも売りに来ました。
Commented by saheizi-inokori at 2008-03-06 23:25
ginsuisenさん、文数って縦の長さでしょう?
横との関係は一律なのですね。
wwwなんてない。
Commented by saheizi-inokori at 2008-03-06 23:26
gakis-roomさん、五里霧中といってもダメなのかモ知れない。
20キロ霧の中っていわないと。
Commented by Count_Basie_Band at 2008-03-07 13:15
大学入試の国語に数え方の単位の問題がありました。「兎一羽」「箪笥一棹」「羊羹一棹」の類です。

この問題に全問正解した受験生はたった一人だったので採点会議で話題になったそうです。
その受験生は受験要領の「数学に限り鉛筆使用可」の注意書きに気が付かず、数学の答案も万年筆で書きましたが全問正解でした。

この変な受験生は最終合否判定会議で大笑いになったそうです。

1年生の各学科の最初の授業でセンセイたちが「cbbってキミか?」と言ってはゲラゲラ笑うので参りました。
Commented by Count_Basie_Band at 2008-03-07 13:30
>足袋・・よほどのお店でないと、もう文ではないと思います。

30年以上通っている小料理屋の女将は祇園出身で、TIMEの表紙になた初の日本人女性として知る人ぞ知る女性ですが、いまだに足袋の文数はもちろん、度量衡には全部尺貫法を使うので夫である板前以下、店で働く人は皆、尺貫法とメートル法のバイリンガルになっています。

昔の大英帝国に含まれていた諸国(現在の英国、オーストラリアなど)の人たちもヤードポンド法とメートル法の両方使っており、一瞬で換算できますよね。アメリカでも陸上水泳に加えてサッカーなどのメートル法のスポーツが盛んになっているので両方使うようになっています。

メートル法一本という国はの数は、思いの外少ないようです。
Commented by mimi at 2008-03-07 15:32 x
登り窯いいですね。ここに立ってみたいです。
「海ぶどう」は海草の一種でしょうか。噛んだらプチプチいいそう。
「文」懐かしいです。たしか私の足袋は9文3分だったと思います。
ここでは靴のサイズを探すのに苦労です。
歩くための靴は子どものサイズが丁度よいので、お値段は大人の半分。
大いに満足しています。
Commented by 園長 at 2008-03-07 21:10 x
わーい、海ぶどう大好きです!
Commented by saheizi-inokori at 2008-03-07 23:18
Count_Basie_Bandさん、凄いですね。
友人でXとかYを使わないで〇□△で代数を答えて合格した男がいるけれど。それとはまた違うかな。
数学5問中一問しかできなくて合格したので後々後輩たちに高校の先生が語った実例が私です。
Commented by saheizi-inokori at 2008-03-07 23:23
Count_Basie_Bandさん、大工の尺貫法のように製品の体系がそれで出来上がっているようなものはなかなかメートルには治りにくいかもしれません。
話は違うけれどメートルから尺への変換のことを考えると無限小数が実体として表せるということが哲学的に面白いです。
Commented by saheizi-inokori at 2008-03-07 23:26
mimi さん、カリフオルニアには登り窯なんてないのですか?
海ぶどうは海藻でしょうね。
ゴミがくっつくので洗う手仕事が大変だそうです。
Commented by saheizi-inokori at 2008-03-07 23:27
園長さん、おいしいよね。
私も大好きです。
写真のも買えばよかった。400円だったかな。
Commented by shimamelon at 2008-03-08 14:23
あははははー、ヒャッカンデブとはなつかしい。
足の文も使ったことはないけども、外国にいくと、靴のサイズの表記が違うでしょう。あの国によりますけど、インチ表記とかね。あれも困りますねぇ。いちいち覚えてないっつーの。
お寿司は、巻、実は「あー、ずっと間違えてたな、かっぱ巻きとかしか食べたことない人みたいだ」と思ってたんですが、そうか、それも正しいのか!勉強になりました!
Commented by saheizi-inokori at 2008-03-08 17:31
shimamelonさん、胸を張って自信を持って「鉄火巻きもう一回!」。一回ってのもあるかもね。
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by saheizi-inokori | 2008-03-05 22:23 | トナリの会話 | Trackback | Comments(22)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori