文章のフーガ 洒落てるね レーモン・クノー「文体練習」(朝日出版社)
2008年 02月 11日
最初に「メモ」と題して200字ほどの文章が提示される。
混雑したバスの中で見かけた若い男がつまらない喧嘩をしている様子。
その後、別の場所で再びその男を見た時の出来事。
淡々と事実のみを順を追って叙述してある。
その後、付録も入れると101編の文章が示される。
それはすべて「メモ」の出来事を様々な書き方で表したものだ。
いわば主題があってそれを101の変奏曲に展開したようなものと言ったらいいのか、ある食材を使って101通りの料理を作ってみせたとでもいうべきか。
奇書だ。
面白い。
マネをしてみよう。
メモ(俺の創作)。
俺もやってみよう。
これから気が向いたらいくつかの文体を試してみようかな。
詩、戯曲仕立て、文語体、お知らせ風、手紙で、隠喩で、朔行、哲学的、、いやはやよくも考えてよくもやってのけたものだ。
この本は1947年に出版されてその後何回か書き換えられて今の形になっている。
クノーの作品のうち「地下鉄のザジ」はルイ・マル監督で映画化されたから知っている人もいるかもしれない。
原作も大変だが翻訳する人も大変だったと思う。
フランス語の言葉の秘術・遊びだから教科書にも使われたそうだ。
俺は週刊誌に椎名誠が同じようないたずらをしてこの本を紹介しているので知りました。
朝比奈弘治・訳
混雑したバスの中で見かけた若い男がつまらない喧嘩をしている様子。
その後、別の場所で再びその男を見た時の出来事。
淡々と事実のみを順を追って叙述してある。
その後、付録も入れると101編の文章が示される。
それはすべて「メモ」の出来事を様々な書き方で表したものだ。
いわば主題があってそれを101の変奏曲に展開したようなものと言ったらいいのか、ある食材を使って101通りの料理を作ってみせたとでもいうべきか。
奇書だ。
面白い。
メモ(俺の創作)。
午後3時過ぎの公園。この本ではメモの次に「複式記述」というのが載っている。
足の不自由な老人が一人で歩いていく。
いつもより早い時間だ。
向こうから5歳くらいの男の子が走って来てぶつかりそうになる。
後ろにいた母親が大声で注意したので子供は立ち止まろうとして滑って転んでしまう。
黒い大きな犬が横からきて子供の前でとまった。
子どもは驚いて泣き出した。
俺もやってみよう。
昼過ぎの午後の3時過ぎの、大勢の人が集まって憩うための野天の公共的な場所の公園。さて、どうですか。
足が思うように動かなくて不自由な年老いた老人が連れもなく一人で走らずに歩いていく。
特別のことがない普通の日の歩く時間よりも遅くもなくさればとて同じ時間とも言い難い早い時間だ。
こちらより遠くの方の向こうから4歳より年上で6歳より年下くらいの大人とは言えない女の子でもない男の子が歩かずに走って来て衝突してぶつかりそうになる。
後方の後ろにいた女の母が声張り上げて大声で危険を教えて注意したので子どもは走るのをやめて止ろうとして滑走して滑って転倒して転んだ。
白くなく黒い大きなでかい犬が脇の横からきて子供の前方の前に止まった。
子どもはびっくりして驚いて言葉にならぬ声を出して何事かを訴えるために泣きだした。
これから気が向いたらいくつかの文体を試してみようかな。
詩、戯曲仕立て、文語体、お知らせ風、手紙で、隠喩で、朔行、哲学的、、いやはやよくも考えてよくもやってのけたものだ。
この本は1947年に出版されてその後何回か書き換えられて今の形になっている。
クノーの作品のうち「地下鉄のザジ」はルイ・マル監督で映画化されたから知っている人もいるかもしれない。
原作も大変だが翻訳する人も大変だったと思う。
フランス語の言葉の秘術・遊びだから教科書にも使われたそうだ。
俺は週刊誌に椎名誠が同じようないたずらをしてこの本を紹介しているので知りました。
朝比奈弘治・訳
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HOOP at 2008-02-11 21:02
面白そうですね。早速、探してみるつもりですが、その前に試してしまうかも。
0
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saheizi-inokori at 2008-02-11 21:23
HOOPさん、興味を引いて面白いです。
急いでさっそく見つけて探してご覧ください。
急いでさっそく見つけて探してご覧ください。
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みい
at 2008-02-12 10:13
x
文章遊び?面白そうですね。わたしも探してみます。そして試してみようかな。文を書くのが楽しめそうですね^^。
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ginsuisen at 2008-02-12 11:58
面白そうですね。文法嫌いできちんと学んでいない私にはいい修業になりそうですわ。見つけてみまーす。
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saheizi-inokori at 2008-02-12 12:45
みい さん、こういうのが好きな人と全く面白くない人と二派に分かれるかも知れません。
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saheizi-inokori at 2008-02-12 12:50
ginsuisenさん、修行?サテそれはどうかな。フランス語を習う人には原本は勉強になるでしょうが。
でも上のメモで「老人」を展開していこうとすると性別が無いからおじいさんなのかおばあさんなのか困ります。
フランス語だと老人と言う言葉自体に男女の別で言い方が違うのでしょう。
「男の老人」と言うのは変だし「爺さん」というと、もうある種のイメージが付着してしまう。無機質に「男の老人」を言う言葉が日本語にはないのですね。
でも上のメモで「老人」を展開していこうとすると性別が無いからおじいさんなのかおばあさんなのか困ります。
フランス語だと老人と言う言葉自体に男女の別で言い方が違うのでしょう。
「男の老人」と言うのは変だし「爺さん」というと、もうある種のイメージが付着してしまう。無機質に「男の老人」を言う言葉が日本語にはないのですね。
by saheizi-inokori
| 2008-02-11 20:52
| 今週の1冊、又は2・3冊
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