牡蠣フライはいいけれど （ＳＤ２）

ランチにカキフライを食べた。
前に紹介したこともある店ー「千円」は安いしうまかったーはずなのに今日はイマイチ味が落ちる。
牡蠣も小さい。
今年は牡蠣が高いのかなあ。
でも並の店よりはまだまだレベルは高い。
などと思いながら食べ終わる頃、突然

なにやってんだ！
早く勘定貰っちゃえ！

頭越しに大きな声。
ビックリして辺りを見回すと
カウンターの向こう側、白いユニフォームの調理人が女性店員に怒鳴ったのだ。
カウンターとは別に2つテーブル席があってそこの客が食べ終わったのにいつまでも話しこんでいた。

旨いしテレビや情報誌で取り上げられてもいる。
12時を過ぎたばかりなのに外にはもう行列が出来ていて入り口近くに座った俺はただでも速めし喰いなのだが更に急いで食べたところだった。

それにしてもイササカ、お客の前だしなあ
そう思って俺も席を立とうとしたら

有難うなんて言う必要ないよ！

追い撃ちだ。
既に立ち上がりつつあるクダンの客は苦笑い。
女性スタッフは半ベソのような照れ笑いのような。
カウンター内にはもう一人スタッフがいるがこれも無表情、別世界にいるみたいな顔だ。
どうやら怒鳴った男が一番エライらしい。

せっかく美味しいランチを食べようと少し早めに会社を出て来たのにガッカリ気分。

こういう事態を引き起こしたのは誰の責任なんだろう？

勿論怒鳴った男が直接最大の責任がある。
しかし女性スタッフも「すみません。お客様がお待ちなので、、」
くらいなことを早めに言うべきだったかも知れない。
店の方針が限られたランチタイムに出来るだけ多くの客に食べて欲しいと言うものであることは分かっていたはずだから。

しかし、いくら居心地が良かったとしても状況判断も出来ずに座り続ける客も宜しくない。

こういう簡単な事例だと馬鹿な設問だと思うかも知れないが世の中の出来事はたいていいろんな要素が絡みあっていて一見した所ケシカランと思われる人が被害者である場合も多い（カキフライの親父が被害者だと言うわけではないが)。
ダメな連中が集まって事態を紛糾させている。
ケシカラン人の心中に立ちいってみれば彼は店のため、組織のため、国のために必死になってがんばっているんだろう。
要は任務を果たすには器量が小さいと言うことかな。

だとするとそんな人がリーダーでいる事態は誰の責任なんだろう？
そんな人にしかなれなかった本人の責任。
そんな人を産んで育てた親の、教師の、周りの、、責任。
そんな人でも店の責任者にした世間の責任（だって他の店はもっとひどいのだから）。
ノーといわないスタッフの責任。
、、、キリがない。

まあ、この事例だと俺がそうしたように我慢すればいいのだけれど、
国の問題だとそうはいかない。
責任問題とは難しい。