楽しいは美味しい！ ハヤシライスはフレンチか？ 池袋「グリル満天星」

ランチの時間。
何となく歩いていたらあったこの店。
以前テナント探しをしている頃、丸ビルで大変な人気だと言うので麻布十番の本店まで行ってみたことがある。

ちやんとした味とサービスで良いなと思ったけれど結局声をかけなかった。
かけても出店したかどうかは分からない。

たまには、と入ってみた。
どうせ珍しいことをするならと「ハヤシライス」。
1680円は高いと思ったが。

待っていると「野菜サラダ」と「コンソメスープ」を持ってくる。
フランス料理ならそういう順になるのかな。
懐石でも椀が先か（味噌汁はご飯の時だけど）。
俺の気分ではハヤシライスはトンカツやコロッケの仲間なんだね。
カレーもおんなじ。
だからハヤシライスとスープ、サラダは一緒に出して欲しいんだ。
しかし何故か高級な店はそうはならない。
続いて直ぐにハヤシライスを持って来ればいいのに、
目の前に食べ物を置かれるとお腹が空いていたことに気がついてサラダに手を出し、
スープも冷めちゃうから呑んでしまう。
味噌汁飲んじゃってカツ丼を待つような気分。
シツコイようだけれどスープが炒飯や天津丼に先立つかなあ。

隣のテーブルに若いママと小さな姉妹がやって来た。
お姉ちやんは年長さんくらい、妹は4つかな？
何となく孫と見較べているジイチャンだ。

大人しい。
シツケが良いと言うより全然はしゃいでいないのだ。
ママと子供と銘々が大きなメニューを広げていたと思うと直ぐに注文が決まる。
その間も殆ど無言、かといって機嫌が悪いのでもなさそう。
まるで行きつけの店に来た倦怠期の夫婦が何も食べない訳にもいかないし、みたいだ。

するとお姉ちやんのところに運ばれてきたのが「野菜サラダ」と「スープ」、1680円だ！
お姉ちゃん、俺みたいに躊躇うこともなく感動するでもなくゴク自然に食べ始めた。
危なげないフォークの使い方。
ママ（ちなみに美人）は頬杖ついて下を向き自分の思いに浸っている。

俺の孫はこんな店に来るのはパパか俺かが連れて来る特別な時だ。
オーダーするまでにアレダコレダと大騒ぎーお姉ちゃんの料理が先に来たら下の子は食べたがるかも知れない。
俺たちは孫の一口ひとくちを見守り「美味しい？」
好きそうなお菜はこっちのを回してやる。
ウルサイったらありゃしない。
でもそうやって皆が喜びを爆発させるのが楽しみだ。
隣の子のお祖父さんはどうやって孫を喜ばせるんだろうか。
余計な心配をしなくても俺なんかに想像もつかない喜びがあるのかもね。

ただね。
俺は小さい頃ー母が残業を終えて遅く帰って一緒に食べた晩ご飯を懐かしく思い出す。
トースターなんてないから焼いてないパサパサのショクパンに石鹸みたいな量り売りのマーガリンを載せて（固くて冷たいから伸びない）砂糖湯とトマトだけ、まっこと粗食ばっかり。
弟と口ぐちにその日にあったことを報告したものだ。
ご飯が済むと三人で合唱をしたことも。
旨かったよ、楽しかったよ。
皆で楽しく食べればなんでも美味しいと言うことを教えてくれた母にはどんなに感謝してもしたりない。

ハヤシライスの味？
オイシカッタでーす。

下の写真は桜新町サザエさん通り・味の丸新」で「牡蠣フライ定食」、味噌汁も一緒に出てきました。