桜は別れの花 供養だと思って毎年特攻兵士のことをアップする人がいる

朝バス停にいたら見かけぬバスがやってくる。
パスモも始まったし新型バスかと思ったら留まらないでいっちゃう。
「定年式」という名札をつけた観光バスだった。
おじさんが座っていた。

昼、街を歩いて始めての蕎麦屋に入る。
誰も先客がいない店に入るとちょっと心細い。
そういう時は、、そうだ「鍋焼きうどん」だ。
落とした玉子が饂飩にからまり、海老天の衣が出汁に馴染んでなんともいえない、この街のアジだぜ。

二人連れのオジサンが入ってきて「大盛り」といって座る。
テレビが毎朝やってるドラマの再放送で、病人が死にそうなところをやってるので「いやだなあ」と思っていると(何でテレビはこういう人を不愉快にすることを朝昼やるんだろう?)、「3にして」のひと言、場面は高校野球に変わる。
ほっとする一方、「こういう風に他の人がテレビを見ているどうかも気にしないで好きな番組に変えられる人の一生って、どれだけ楽だろうな」と思ったりする。
「若いもんの認知症って増えているらしいよ」、ひとりが蕎麦を啜りながら(ほんとに大盛りだ)いうけれど、野球に気をとられている方はウワノソラ。

出前に行く親父が、認知症親父に「辞令が出たって?」と聞く。
「・・・・」頷いている。
「どっかに行っちゃうんじゃないでしょうね」
「・・・ズルズル」頷きもしない。否定もしない。
ズルズルが済んで「新しいもんがいっぱい来るから・・」。
元気ないよ!おやじ。
店の親父も聞こえたのかどうか知らんふりして出かけちゃった。

桜は別れの花 供養だと思って毎年特攻兵士のことをアップする人がいる_e0016828_22295968.jpg

桜と別れはつき物。
今日の極め付きは近所さんがアップしてくれた特攻、同期の桜の別れだ。

後三日 酔うて泣くもの笑うもの

明日死ぬと 覚悟の上で飯を食う

特攻へ 新聞記者の美辞麗句

特攻隊 神よ神よとおだてられ

各々の ふるさと向かいて別れ告げ

23歳で沖縄から特攻出撃して亡くなった子の川柳だ。


桜は別れの花 供養だと思って毎年特攻兵士のことをアップする人がいる_e0016828_23122235.jpg
これを紹介した三村文男氏はこう書いている。
上級者たちは、たとえ、若者が特攻出撃を自ら申し出たとしても、人間の尊厳を否定する行為の非なることを説得して、やめさせるべきであった。
出撃命令を出した者たちは、特攻は志願であったといって、責任逃れをすることが多いが、本当に志願であった場合でも、それをやめさせなかった罪は、人道にそむくことの罪である。

特攻は日本だけのことかといえば、イラン・イラク軍 /対アメリカ、 ナチにたいするノルウェー議会および軍、 ほか多くの事例 があり
日本にだけ特異なものでなく普遍性があったという事である。
区別すべきは 「特攻を作戦に組み込んだ」 帝国陸海軍の上級指導者たちの“外道”こそが、戦争末期の日本だけに特異なものであって、普遍性のないものであったということだ。
とも書いている。
あっという間に咲ききった桜が強風に逆らい散ってなるものかと震えているのを見ている。
近所さんがこの記事をアップした気持ちがわかる。

美しい桜は決して心を落ち着かせてくれるものとはいえない。
強烈な怒りを、悲しみを誘うものでもあるようだ。

下の写真は、大塚・「串駒」、おでんや、久しぶりに女将のお勧めでついつい・・。
飲みながら、議論になりかかったのは・・従軍慰安婦は自ら進んでそうなった、と頑張る男、軍が強制したなんて国家の恥辱だと憤慨する。国家の恥辱であるかどうか、俺は人間としての恥辱であるかと考える。
このへんは三村氏の言葉を素直に聞けるか否か、一晩中話しても折り合いそうもない。

あわてて話題を変えようよ、と提案した。
酒の味がわからないじゃないか!
Tracked from ひねもす ROKO BL.. at 2007-03-31 11:02
タイトル : 靖国の桜
????じゃーん...(^▽^;)此処は何処でしょう??(笑) 実は、昨日から(4日)横浜方面に出張で来ておりました。氷川丸も見て来ました♪次回お楽しみ♪ (^З^)ぷぷ・そうです♪ピンポーン!!東京駅です。京急快特... more
Commented by 高麗山 at 2007-03-31 00:15 x

 父母恋し彼女恋しと雲に告げ

 神様が野糞をしたり屁をしたり

何か、ほっとさせられる句です!
Commented by ginsuisen at 2007-03-31 00:47
つながりそうなエピソード。昨日、土浦で土門拳さんが撮影した予科練の若き兵士の写真を見てきました。

つかの間の笑顔の先に空青く

笑顔の写真の人は今と思えば胸つまる

坊主頭、我が家の息子と変わらぬ姿かな


Commented by mitsuki at 2007-03-31 05:50 x
人形に 彼女に云えぬ事を云い

靖国神社併設の遊就館に展示してある特攻兵士の最期を看取ったお人形の事を思い出しました。
一人で逝くのは寂しいだろうと、持たされたお人形を、その兵隊さんは遺書と共に送り返しているんです。
「みんなを慰めてくれて、ありがとう、これからはお母さんの処に帰って、何時までも可愛がって貰いなさい。」
遺書にはそう書いてありました。
思い出す度に涙が止まりません。
Commented by みい at 2007-03-31 09:31 x
少年兵のままに還らぬ人が顕ちソメイヨシノは今年も咲きぬ
 鳥海昭子さんの歌です。
亡くなった命が桜が咲くたびに還ってきてる気がします。
桜の季節は、別れの季節、でも、出会いの季節でもあるのですよね。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-31 09:39
高麗山さん、ほっとすると同時に死を強いられた彼らの自嘲とも言うべき本音が透けて見えますね。
自分の子供や孫に起きて欲しくない!
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-31 09:41
ginsuisenさん、全く同感です。エライ人の何人が自分の子供に重ねてものを考えているのでしょう?
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-31 09:47
mitsuki さん、この兵隊は本当に人形に命を見たのでしょう。見たかったのでしょう。沖縄の集団自決を命ずる軍があったとしても驚かないです、このように若者に覚悟の死を命じたのですから。そういう精神だったと思います。それが何か尊いことと勘違いしていたのかも知れませんね。
かわいそうなのは人形に語るしか方法がなかった兵隊!
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-31 09:48
みい さん、いい出会いが沢山あるといいですね^^。
Commented by fuku(ginsuisen) at 2007-03-31 10:20 x
またお邪魔しまーす。ginsuisenで昨夜はお邪魔したみたいです。靖国神社はいろいろ問題ありで、長いこと行ったことがなかったのですが、夜桜能にひかれて何回か行きました。能舞台前のあそこの桜には1本、1本、札がかかっています。それぞれの隊の名です。そして、トイレを借りる遊就館には花嫁人形がいくつも。それはせつない人形でした。夜の舞台には、本当の霊とともに見ているような錯覚になったことがあります。
従軍慰安婦のこと・・そういう発想の人にはお前も女になってみろ!といつも思います。誰が好き好んで、自らその位置に行くでしょうか。怒りで血圧あがりそう。
Commented by roko at 2007-03-31 11:20 x
saheiziさん、東京は桜が満開なのですね~♪
私も、去年お邪魔しましたが、それはそれは・・・切ないほど美しかったです。北海道の桜とは大違い・・・^^;
>少年兵のままに還らぬ人が顕ちソメイヨシノは今年も咲きぬ
>亡くなった命が桜が咲くたびに還ってきてる気がします。
>桜の季節は、別れの季節、でも、出会いの季節でもあるのですよね
みいさんの、本当に仰る通り・・・私の祖母の初恋の人は特攻隊員でした。死後写真が出てきてそういう想い出を誰にも語らず北海道にお嫁に来たのだと皆が、知りました。そして・・戦争のことは、黙して語らない体験者が多いのだと、体験者の改めて傷の深さを痛感した次第です。
実は・・・カウプレもやってるのでどうぞ♪
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-31 11:28
みいさん、又もやそちらに送信できなくなりました。せっかく讃岐のいい写真を見せていただいたのに。ありがとうね。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-31 11:31
rokoさん、今日はせっかくの満開も曇り空、夕方からは雨らしいですよ。ほんとは雨の桜もいいのですが。
Commented by sakura at 2007-03-31 20:19 x
悲しい川柳 読ませて頂きました。
桜の季節は、別れの季節、でも、出会いの季節でもある。と
みいさんが書かれていますが本当に良い出会いを・・・・
”散る桜 残る桜も 散る桜”
Commented by 近所 at 2007-03-31 21:21 x
せっかく桜を楽しんでいるときに・・・という思いもあったのですが、「こんな桜もあったんだ・・」ということを時には思い出すことが、現在の平和の礎石となった彼らへの真の追悼になると思い、このブログのバックナンバーに書き込んだところ、saheijiさんが最新号にUPしてくださり、さらに多くの方がコメントしてくださったことに感謝します。URLは今でも時々見るビデオです。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-31 21:41
sakuraさん、又そちらに送信できなくなりました;;。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-31 21:42
近所さん、無断でリンクしました。多くの人に知って欲しかったものですから。ありがとうございました。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-31 21:44
fuku(ginsuisen) さん、血圧気をつけて!
私もかなり上がりましたよ。
Commented by roko at 2007-03-31 23:55 x
saheiziさんのお陰で「近所」さんの大変貴重なHPに出会うことができました。お二人に・・・この場をお借りしてお礼申し上げます。
充実した内容で、大変勉強になります。ありがとうございました。
ちなみに、私と相方はとても年齢が離れており(笑)彼のお父さんは回天の搭乗員だったのです(彼は戦後生まれですけれどね)特攻する前に終戦を向え(既に故人ですが・生前・・・殆ど家族には何も語らなかったそうです)無事戻らなければ・・・相方やお姉さん達が生まれて無かったのです。
後ほどゆっくり拝見させて頂きます。
Commented by saheizi-inokori at 2007-04-01 09:41
roko さん、わたしも近所さんに感謝です。
命がここにあるというのは不思議な縁だと仏教信者ではないですがつくづく感じる時が多いです。
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by saheizi-inokori | 2007-03-30 23:15 | トナリの会話 | Trackback(1) | Comments(19)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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