北極は50~70年で消滅する アル・ゴア「不都合な真実」(ランダムハウス講談社)

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22日朝日夕刊。
ゴア米前副大統領が21日米上下両院で地球温暖化について証言し、「二酸化炭素の排出量を直ちに現状凍結させ、50年までに90パーセント削減する必要がある」と指摘、議会側に早急な温暖化防止を図る法令の制定を求めたという。


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地球温暖化についての認識が足りなかった。
そういうことはあるだろうがニッチもサッチも行かなくなるのは遠い遠い未来の話、天文学的なスケールの話で俺などが生きている間のことじゃないと、思っていた。

とんでもない勘違いだった。地球は俺の子供の生きている間にとんでもないことになってしまうのだ。それをこれからときどき本から引用していきたい。
ひとりでも多くの人が危機に気がつくことがとても重要だと思うからだ。

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アフリカのチャド、ナイジェリア、カメルーン、ニジェールの国境にまたがっていたチャド湖がたった40年の間に消えようとしている。
見にくい写真で恐縮だが左上の写真は1963年のチャド湖。黒く見える全体が湖、世界で6番目に大きな湖だった。
人々はチャド湖の水を飲み、灌漑をし、漁業を営み、家畜を飼った。
それが右上・1973年になると下の方の水色の部分とその上左半分に縮小する。
左下は1987年、もう右下の水色部分のみになり、2001年には右下のようになってしまった。
写真の大きさが違うので分かりにくいが87年の水色部分の左3分の一がなくなったのだ。
1963年に比べると12分の1の大きさになってしまった。

こういう現象がアフリカ全体に起きて今も進行している。
数百万人の単位で餓死者を出す飢饉と民族対立・大量虐殺が起きるのは他にも複雑な要因があるけれど湖や川の枯渇によるところも大きいのだ。
我々はともすればアフリカの問題をアフリカの国々自らが誤った政治を行ったせいにしがちであるけれど
気候変動について理解すればするほど、私たちこそが真の犯人かもしれないと思えてくる。
米国は世界の温室効果ガスの約4分の1を排出している。一方、アフリカ大陸全体で排出しているのは世界全体のわずか5パーセントほどだ。

私たちは、アフリカの苦しみを作り出すことに手を貸してしまったのだ。私たちは、倫理上の義務からいっても、それを正そうとしなくてはならない。

いやいや、倫理上なんてきれいごと?じゃすまない。

チベット平原のヒマラヤ氷河は世界人口の40パーセントに飲み水の半分以上を提供している。
世界が地球温暖化に対して大胆かつ迅速に行動しない限り、今後50年のうちにこの40パーセントの人々は非常に深刻な飲み水不足に直面する可能性がある、とゴアは言う。
Tracked from ひねもす ROKO BL.. at 2007-03-23 19:31
タイトル : お薦め映画『不都合な真実』
ここ数年間で・・・・話題になっている地球温暖化問題について長年その危機について警鐘を促す活動をしている、元米国副大統領・アル ゴア氏の活動のドキュメント映画を観てきました。 2006年アメリカ映画 監督... more
Commented by fuku(ginsuisen) at 2007-03-22 23:19 x
花冷えだから寒い寒いとヒーターつけるのを今日からやめます。
少し厚手の靴下に毛糸のスカート巻きつければすむんですものね。
昔のすきま風の家から比べれば・・
ゴアさんって、やっぱり、かなりの方だったのですね。
また教えてください。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-22 23:22
fukuさん、はや!おいおいご紹介する積りです。
ゴアさんが光熱費メタメタ使ってるとすっぱ抜かれていましたのはチト残念ですが。
Commented by 髭彦 at 2007-03-23 00:01 x
こんばんは。
読書家の佐平次さんに僭越ですが、<アフリカの苦しみ>の根源に迫る下の本はご存知でしょうか。
もしまだでしたら、ぜひオ読み下さい。

藤永茂『『闇の奥』の奥―コンラッド/植民地主義/アフリカの重荷』(三交社、2006/12)
Commented by antsuan at 2007-03-23 06:00
短絡的な独裁者が、それだったら人口を減らせばいいと、原爆を落としまくることも決して想定外とは云えませんね。原子力エネルギーを有効に使わねばならない時代がとっくに来ているというのに気になります。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-23 08:22
髭彦さん、未読です。ありがとう。読んでみます。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-23 08:23
antsuanさん、一方で少子化といい、、変な世界です。
Commented by 高麗山 at 2007-03-23 15:18 x
この間のgakis-roomにもコメントしました、ゴアさんの論旨に異論は無いのですが、今の、中国、あるいはこれからのインド、ブラジルの状況を考えると、かつての日本の状態を思い出します。
京浜、阪神、京葉、中京(含、四日市コンビナート)で大気に吐き出される膨大な“噴煙”、私などは石化燃料で汚染された、阪神の空しか知りませんが、ドンより曇った灰色の空。
今でこそ、青空も望めるようになりましたが、それでも改善までには、30~40年は掛かったでしょう。
韓国は、日本の悲惨な状態を教師にして、割合少ない被害でとおり抜けようとしています。
先進国は、抑止策を優先させ、途上国に大きな援助の手を差し伸べないと、『核』にも優る重大な結果を、地球上に展開させる結果になると思われます。
温暖化⇒砂漠化⇒…⇒やがて氷河期へ、早ければ、氷河期の機微は来世紀の初頭に発露するかも知れないと懸念する学者もいます。
小さなことのようですが、“焼畑と輸出木”で緑を消滅させていく現象も、傾注しておくべきでしょう!
Commented by roko at 2007-03-23 19:40 x
本当に、読書量・・・凄いです^^;敬服致します。
早速、TBありがとうございました。こちらからも・・・・(笑)
>私たちは、アフリカの苦しみを作り出すことに手を貸してしまったのだ
映画を観ていてこの辺が非常に気になりました。
身近な問題では、ここ数年の黄砂・・・・私の住む街にも春先舞い落ちてきます・・・中国大陸の砂漠化の影響でしょうね。
本当に、米は他国に軍事介入なんか!している場合ではないですね(笑)便利な暮らしの付けが物凄い形で帰ってくるのだということを忘れてはならないのですね。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-23 23:20
高麗山 さん、全く同感です。理屈抜きに行動が必要だと思います。
私は今日、今まで酔っ払いながら「北極はお前たちの子供が生きているうちになくなるのかもしれない」とわめき続けてきましたよ。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-23 23:21
rokoさん、こういうことを考えているとブッシュという男には憎しみを感じてしまいますよ。
Commented by my_poppy at 2007-03-24 00:50
先日テレビの娯楽番組でしたが、ゴア氏自身出演して、氷河が以前の学者たちの予想を遥かに超える勢いであっと言う間に溶けてしまったと講義していました。
もしゴアさんが大統領になっていたら、世界は今とは違ったかも知れませんね。
「カリフォルニアの疑惑」を、未だに根に持っている私です。。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-24 08:18
ゴアの言うとおり過去の実際を見れば考え方の違いなんておっとり済ましておれなくなります。
この本では氷河の豹変がナマナマしく紹介されています。
Commented by namiheiii at 2007-03-25 22:25
ゴアが僅差で負けた6年前(だったか)の大統領選挙は地球の歴史が変わった日と後世に記憶されることでしょう。
Commented by saheizi-inokori at 2007-03-25 23:07
namiheiiiさん、同じアメリカ人とはおもえないですね。
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by saheizi-inokori | 2007-03-22 22:38 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback(1) | Comments(14)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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