お絵描きは楽しい リスク管理の本質は「お絵描き」にあり!
2007年 03月 20日
地下街の壁に可愛い絵がたくさん貼ってある。
小中学校の生徒たちが近所のお店を描いた絵の展覧会。
豆腐屋、刺繍屋、レストラン、文房具屋、お菓子屋、、シャッター街に住んでない子供たちは幸せだ。
よく観るとみんなびっくりするくらい上手だ。
絵の下にコメントを書いているのだがその字とか文章も、これが小学校三年生?と疑いたくなるほどの出来栄え、上手過ぎるといってもよいほどだ。
「絵を描く」ということを、社会人10年生の頃、初めて教わった。
何かの仕事(プロジエクト)を始めるときに上司から部下まで関係者が全員集まってミーテイングをする。
そのとき実際に「絵」を描くのだ。
みんなの真ん中にB4(当時A版は一般的じゃなかった)の白紙をおく。
誰か描く人を決める。出来れば実質的な責任者がいい。
そのプロジエクトを実行するとどういう人たちに影響が及ぶか、書き出す。
社内(社長はじめ役員衆、他部門、現場、地方、組合)、外(顧客、関係行政機関、マスコミ、政治家、競合他社、、)問わずだ。それぞれの内部まで分析対象だ。
たとえば「組合」を例に取ると、主流派と反主流、本部と地方支部、役員と一般組合、職種別の反応、、のようにできるだけ細かくやるのだ。
それらの人たちはこのプロジエクトにどんなことを言いそうか(感じそうか)を漫画の吹き出しのように描いていく。
特に反対しそうなところを重点に。
それに対してどう対応するかの選択肢を書き上げる。
想定問答は当然のことだが、根回し、説得、正面突破など解決手段のさまざまを具体的に書きあげる。無視するなんてのも。
それに対して相手(キーパーソンや一般大衆など別々に)はどう反応するか利害得失も加えて描く。
さらにそれに対してどうしていくかの想定を描く。
それに対して相手は・・。
要するにその先その先と起きうべき事象とその対策を考えられるだけ描いていく。
交渉事などは場合によってこちらの思うようにはならない。
そういう場合も絵の中で”落としどころ”を描いて置くことも多かった。
こんな作業をスケジュール(紙の下のほうに書いていく)とともにやるのだ。
前作業から実施、後始末まで一応の想定を描く。
必要な作業は早い段階から平行して進める(パラレルに準備が進められるということは工程管理上極めて重要だ)ように担当者も決める。
まあ、今の言葉で言えばリスク管理というのだろうか。
こういうお絵描きミーテイングを途中でも何回かやって軌道修正をする。
こう書いてみると当たり前の作業のようだが、それまで10年間そんなやり方を知らないでやっていた。
その後、いろんなところに転勤したがそうしている所は少なかった。
こんなことをしなくても優れたリーダーの頭の中には絵は出来上がっているのかもしれない。
ここまでやらなくても結果的にはどうにか初期の目的を果たすことは出来るかもしれない。
しかし、仕事の細部の出来上がり、途中でいろんな障害にあったときの対応力、仕事に参加したものの達成感とレベルアップ、そういった面で「お絵描き」は有効な手段だと思う。
期限までに間に合わせるスピードも素晴らしく効果があった。
メンバー全員で問題意識を共有していることはとても大事なことだと思う。
今の政治家とか経営者はそういうお絵描きをしていないようだ。
力で遮二無二押し渡っていくか、ひたすら嘘をつき続けて相手を根負けさせるしか選択肢はないように見えるなあ。
それを攻めるべき野党、組合、マスコミなども何の絵も描いていないように見えるのが残念だ。
小中学校の生徒たちが近所のお店を描いた絵の展覧会。
豆腐屋、刺繍屋、レストラン、文房具屋、お菓子屋、、シャッター街に住んでない子供たちは幸せだ。
よく観るとみんなびっくりするくらい上手だ。
絵の下にコメントを書いているのだがその字とか文章も、これが小学校三年生?と疑いたくなるほどの出来栄え、上手過ぎるといってもよいほどだ。
「絵を描く」ということを、社会人10年生の頃、初めて教わった。
何かの仕事(プロジエクト)を始めるときに上司から部下まで関係者が全員集まってミーテイングをする。
そのとき実際に「絵」を描くのだ。
みんなの真ん中にB4(当時A版は一般的じゃなかった)の白紙をおく。
誰か描く人を決める。出来れば実質的な責任者がいい。
そのプロジエクトを実行するとどういう人たちに影響が及ぶか、書き出す。
社内(社長はじめ役員衆、他部門、現場、地方、組合)、外(顧客、関係行政機関、マスコミ、政治家、競合他社、、)問わずだ。それぞれの内部まで分析対象だ。
たとえば「組合」を例に取ると、主流派と反主流、本部と地方支部、役員と一般組合、職種別の反応、、のようにできるだけ細かくやるのだ。
それらの人たちはこのプロジエクトにどんなことを言いそうか(感じそうか)を漫画の吹き出しのように描いていく。
特に反対しそうなところを重点に。
それに対してどう対応するかの選択肢を書き上げる。
想定問答は当然のことだが、根回し、説得、正面突破など解決手段のさまざまを具体的に書きあげる。無視するなんてのも。
それに対して相手(キーパーソンや一般大衆など別々に)はどう反応するか利害得失も加えて描く。
さらにそれに対してどうしていくかの想定を描く。
それに対して相手は・・。
要するにその先その先と起きうべき事象とその対策を考えられるだけ描いていく。
交渉事などは場合によってこちらの思うようにはならない。
そういう場合も絵の中で”落としどころ”を描いて置くことも多かった。
こんな作業をスケジュール(紙の下のほうに書いていく)とともにやるのだ。
前作業から実施、後始末まで一応の想定を描く。
必要な作業は早い段階から平行して進める(パラレルに準備が進められるということは工程管理上極めて重要だ)ように担当者も決める。
まあ、今の言葉で言えばリスク管理というのだろうか。
こういうお絵描きミーテイングを途中でも何回かやって軌道修正をする。
こう書いてみると当たり前の作業のようだが、それまで10年間そんなやり方を知らないでやっていた。
その後、いろんなところに転勤したがそうしている所は少なかった。
こんなことをしなくても優れたリーダーの頭の中には絵は出来上がっているのかもしれない。
ここまでやらなくても結果的にはどうにか初期の目的を果たすことは出来るかもしれない。
しかし、仕事の細部の出来上がり、途中でいろんな障害にあったときの対応力、仕事に参加したものの達成感とレベルアップ、そういった面で「お絵描き」は有効な手段だと思う。
期限までに間に合わせるスピードも素晴らしく効果があった。
メンバー全員で問題意識を共有していることはとても大事なことだと思う。
今の政治家とか経営者はそういうお絵描きをしていないようだ。
力で遮二無二押し渡っていくか、ひたすら嘘をつき続けて相手を根負けさせるしか選択肢はないように見えるなあ。
それを攻めるべき野党、組合、マスコミなども何の絵も描いていないように見えるのが残念だ。
Tracked
from 建築家の育住日記
at 2007-03-20 18:10
タイトル : のんびり行こうよ、雲たちとーギャラリー開設記3ー
僕の事務室は、家の中で一番日当たりのいい二階のこども部屋に引っ越しました。 まだ、机が届いてないので片付きませんが、日中はもっぱらパソコンラックの前に座るようになりました。 こどもは日中学校へ行ってましたし、家に閉じこもるより外が良かったようでしたから、....... more
僕の事務室は、家の中で一番日当たりのいい二階のこども部屋に引っ越しました。 まだ、机が届いてないので片付きませんが、日中はもっぱらパソコンラックの前に座るようになりました。 こどもは日中学校へ行ってましたし、家に閉じこもるより外が良かったようでしたから、....... more
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molamola-manbow at 2007-03-20 10:17
興味深いお話です。画を描きながらのミーティング、失礼ながら成果より発案者に津津です。
用紙の端とかに、必ず落書きしてるなあと、これは関係ないかな。
話違いますが、自宅までの地図とか、書けない人がいる。これも関係ないか。う~ん、初めて知りました。
用紙の端とかに、必ず落書きしてるなあと、これは関係ないかな。
話違いますが、自宅までの地図とか、書けない人がいる。これも関係ないか。う~ん、初めて知りました。
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saheizi-inokori at 2007-03-20 10:55
molamola-manbowさん、まあ、絵と言っても多くは文字ですが、鳥瞰図のように見やすくして全体を把握する。
それを造る過程にみんなが参加していろいろ言うのが大事だと思いました。
一人で考えていると気がつかないような視点が提示されます。
あわせて共通認識を持つことがチーム意識を創ります。
それを造る過程にみんなが参加していろいろ言うのが大事だと思いました。
一人で考えていると気がつかないような視点が提示されます。
あわせて共通認識を持つことがチーム意識を創ります。
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orangepeko
at 2007-03-20 11:06
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saheizi-inokori at 2007-03-20 11:13
orangepeko さん、そうです。分かりやすくこれから発生しそうな事柄を鳥瞰して想像力を発揮して積極的に意見をいいあう。
これから相手にする人たちが多種多様ですから想定問答も多種多様な人が造った方が効果的なのです。難しいこといっても分からない人のほうが実際は多いわけだし。
これから相手にする人たちが多種多様ですから想定問答も多種多様な人が造った方が効果的なのです。難しいこといっても分からない人のほうが実際は多いわけだし。
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saheizi-inokori at 2007-03-21 22:28
ちゃめさん、これはほんとの画ではないのですが、全体の起承転結の見取り図といったところでしょうか。ストーリーとでも言うのかな。絵そのものよりも造っていく過程に意味があると思いました。
by saheizi-inokori
| 2007-03-20 00:00
| 梟のゴタク
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