マンボウの子はマンボウ 文春「日本の親子100人」から
2007年 01月 22日
昔何かの雑誌で”文藝春秋をすべて読む”という企画(おふざけだった)があったことを覚えているが誠に読みでがある。
「完全保存版 日本の親子100人」などはちょうどよい短さで面白い(「完全保存版」てのがわかんないけど)。
北杜夫の娘・斉藤由香が「父はヘンテコリン」と題して愉快な話を書いている。
彼女は「とにかくモノや言葉を知らない」のだそうだ。
「田中真紀子さんの更迭」を「こうそう」と、「兎に角」を「うさぎにつの」と読み、上海蟹をご馳走になりあまりの美味しさに、「”美味しいですね”というのも普通でつまらんなあ」といろいろ考えて「ことせんに触れる味わいですね」と言ったら、相手が「それは”きんせん”と読む。あなたはひょっとして帰国子女?」と聞かれたので「オー、イエス、アイ、ドゥー!」と誤魔化したとか。
彼女がそうなったのは勉強していると父親が「勉強なんかすると目が悪くなるから早く寝ろ」というので素直に寝たから視力はいいが、頭の悪い子供に育ってしまったんだそうだ。
クスクス笑わせながら作家であり躁鬱病に苦しんだ父親の人生の哀感を描く。
こんな父のもとで育った私は、「人間というものはいろいろな人がいて、つらく悲しいことがあってもそれが人生なのだ」と思うようになった。さすがどくとるマンボウの血筋だ。
檀ふみの書いた檀一雄、辰巳芳子の辰巳浜子も面白い。
今週の川柳。
mmiizzz さんのお題が「声」なので
天の声 もう要らないと 民の声
始めから 聞くつもりない 声がある
声ひそめ 大きな嘘を つく女
大臣が 声はりあげて 嘘をいう
つまみ食い 声が出せない 電話口
聞いたのに 声はなかった 夢の中
後は
親の顔 まんまが笑う 同級会
同級会 いじめられてる いじめっ子
先生の イジメが肴 同級会
会議では アリバイ作り 罪作り
お粗末でした。写真は昨年観た「リトル・ミス・サンシャイン」のポスター、結構面白かったので書こうと思っている内に詳しいこと忘れてシモウタまんざき。
渡辺作品に毒された”声”二つ
アイルケは これぞ末期の 声を出し
天井へ あらぬ声出す 乱れ髪 高麗山
軽い映画ですが。
三島由紀夫の事件特集号をゴミ捨て場(!)で見つけ、読みはまってしまいました。
衝撃を受けたのでしょうか?いまだに覚えています。
今は新聞広告の見出しを見るだけですねえ。
もう少ししたら仕事も落ち着くと思うので、そしたら読書に励みます。