今からでも遅くない?知りたい能の世界 白洲正子「お能 老木の花」(講談社文芸文庫)
2007年 01月 06日
夕べの夢は前の会社の若い社員たちが一杯いて俺はなんと先生。
売り上げ予想の作り方を基本から、しかも実務に即して教えている。テナントにどのように指導すべきか、客単価と座席のゆとりの関係、回転率はどこで決まるか、なんて細かいところまで指導している。こういうことをもっときちんと教えなきゃいけなかったんだナア、なんてあせりまくりの俺。
なのに、みんなガヤガヤして聞いてない。
そうかと思うとある子が(名前もいえる)、手を上げて質問したのが全く関係ない愚痴みたいなこと。そうしたら全員シーンとなって俺の言うことを固唾を呑んで聞く構え。
なんだかナマナマしすぎる夢だった。
夢と言えば暮れに観た能が”邯鄲”、夢の話だ。
あれで能の魅力を知って読んだのがこの本だ。
能の案内をしていただいたfukuさんの推薦。
4歳から能を梅若一門に学び、女人禁制の能舞台に初めて立った人だ。
しかもその後、能は本質的に男性の力・骨格を必要とするということを悟り舞台に立つことを辞めた人だ。
そういう人が生来の素質と恵まれた環境で得た教養・研鑽の土壌の上に書いた”能入門”、実に面白く能を知るというだけでなく日本文化の特徴を教えられる。
能の魅力、本質は文字では書きあらわせない。実際の能を出来るだけ多く観て感得するしかない、と仰るのだからこの本は俺の必携書にしておくに留め中身の紹介は控える。
とはいえ、この本の困ったところは分かり易い文章のせいもあって、一読能のことが判った様な気になるのだ。
3部構成で最初の「お能」で能の生い立ちから見方、舞台、型、面(おもて)・・など能入門・理論編、次に「梅若実聞書」が、著者の師匠でもあった名人・二代目梅若実の芸談でいわば実技編、最後に「老木の花」、喜多流・友枝喜久夫という梅若実とは対照的な名人に77歳にして遭遇、その芸に従来の能の約束を打ち破る強烈なドラマを観取した感動を語っている。
漠然と「幽玄」とか猿楽から世阿弥を経てどうたらこうたら、能に感じていたイメージが随分いい加減なものであったことを知らされた。
白洲正子の出自などに感じていた(セレブ嫌い)敬遠したいと言う気分も随分解消した(少しは残っているけれど)。
梅若実の修行の実態、難しい初舞台にあがってしまって足が震えたとか酔っ払った能役者の話などの失敗談・裏話が興味深く、とっつきにくかった能の世界に親近感を持った。
幽霊・物狂い・風狂・死・夢・・人間の本質を表す事象が日本人の無意識の共通意識の中に存在している。
それを表現方法は違っても能も落語も多く取り上げていることも面白い。
最初の夢の話、先達はしっかり後進に仕事の本質を伝え、後輩たちはそれを学ぶにとどまらず常に革新していかなければならないと言う点では能も俺たちの仕事も同じだということを夢から覚めて感じた、こういう解説をしないでさらっと書いとけばいいのにね、ぜんぜん幽玄じゃない。
後の写真は俺、ナンちゃって!髪型が良く似ているンダ、顔つきも少し・・。
白州次郎さんとか鶴川の家もね、入場料高いし・・なんて。でも、「お能」の本でよく知らないで批評してはいけないことを知りました。あの本を戦前に書いているんですよね、白州正子さんは。でも、すごいお婆さんだったらしいですよ。いつも帽子かぶっていて、あの家は冬がすごい寒く、夏すごく暑かったようです。蚊もいて、大変だったとか。で、ギロっとにらまれたりして。でも、個人的に友枝喜久夫さんを呼んで、仕舞を舞ってもらっていたらしいです。「両性具有の美」もおすすめです。バランス感覚のいい人だということがわかります。
それにしてもこの写真!saheiziさんはアーティストだったのですね。
そうですかfukuさんも白洲さん喰わず嫌いだったんですね。
それも嬉しい。
少し残っている、と言うのはジエラシーですね。あんな小さい頃から梅若に教わる環境とか香道なんて私には夢の又夢ですもの。所詮世界が違うのかなあ、と思ってしまいます。
白洲次郎も最初は敬遠していたのですが伝記を2冊ほど読んでいいやつかもしれない、少なくとも今のヘナチョコたちよりはずっと男らしい、と思いました。
彼のほうが少し若いです。夕べ晩酌やりながら衛星テレビで観てなんとなく見た感じがすると思ったら自分の髪型でした^^。
笑いをこらえるのに必死です。よく似てますね。
saheiziさんはこのようなお顔をされているのですね。。。(どこかで似たようなお顔のかたを見かけたら、声をかけてみる??)
私の初夢は、大学があと1年あるのにうっかり卒業したつもりでアパートを引き払った夢だったのですが、なんであんな夢を見たのでしょう???謎だ。
初詣は浅草寺でしたが、「あなた、風邪引くよ!」といいたいほど短いスカートの女の子のカップルがいっぱい。浅草生まれの母が「観音様は焼きもちやくから、カップルで行っちゃ駄目」って言っていたような・・・そうなのかしら?
私がサングラスすると按摩さんみたいになっちゃう^^。
サングラスは上に書いたように・・。
この句の版画を玄関に飾ってあるのです。毎朝それをみて出かけるのですが百歩持たない。
saheiziさんは、陽水さん似なんですか?どうしようめちゃめちゃタイプです(。-_-。)。。o(笑)
白洲正子さんの「衣匠美」を着物好きな祖母からこんな意匠も見れないよと、簡単には購入出来ない高級品ですが「本物」を見なさいとプレゼントされた本があります。
この方の、美意識は本物で筋金入りのお嬢様ですね。
本当に・・・物凄い読書量で敬服いたします♪