クリスマス特集! 5人のサンタの物語

飲みすぎだ。禁酒しよう。向こう一年間。
でも、飲みたい。
エイっ、二年間にして一日おきに飲むか、いっそ三年と頑張って毎日飲むか。
落語のマクラ的気分で先日の居酒屋に。”裏を返して”今度は立派に”いきずりの”店ではなくなった。もう一度行けば”馴染み”だと、マダ落語気分。

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ママも覚えていて「あら、佐平次さん」、こうこなくっちゃ。

どこやらでヴィトンのセールをやっていて凄い人だかりだったという話から
俺「ママ、ヴィトンでも布団でも好きなもの言って。お近づきの印に何でも聞いたげるよ」
ママ「聞くだけデショ」
俺「まあ、そうだけど、俺、実はサンタクロースの知り合いなんだ。だからチャンと伝えてあげるよ」
ママ「あら、嬉しい。いつ?」ノリのいいママ、「豆腐だけの湯豆腐」の支度をしながら聞いてくれる。
俺「それがね、サンタってのは5人いるんだけど、その一人が特に親しいんだ。ところがそいつ肥り過ぎで糖尿になって入院してるらしい。その上トナカイが環境汚染と地球温暖化のせいで後継トナちゃんが育たなくて現役が老齢化、足を引きずってるらしい。だから何時連絡が取れるかははっきりしないんだ」よくもスラスラとこういう話が口をついて出るもんだと我ながらアキレル。
ママ「他のサンタは?」
俺「もう一人は離婚訴訟を起こされて逃げ回っているようだ。人にはいろんなプレゼントを持っていくのに留守を守る奥さんには何もあげないのでトウトウ我慢出来なくなったって」

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先に来ていたオジサン、カウンターの中の無口なおトウさんまで笑い出す。
カウンターの中のお父さんが消防の服を着ている訳はこれから”人命救助の特別講習”の先生として寄り合いに出るんだ、と。そこから話が脱線して俺が「おトウさんのマウスツーマウスで助かるのもちょっとなあ」   おトウさん、「俺だって助ける相手は選ぶサ」。

先客の話・・浅草神谷バーで電気ブランを飲みすぎてどうやって帰ってきたか分からない、ただ一緒に飲んだ男を介抱しようとして謂れもなくパンチを食らったことは覚えている。
それなのにアイツ翌日の電話で全然覚えてないと抜かしたから今接触しないようにしている・・。
酔っ払いたちの話は他愛も脈絡もなく、いいコンコロモチ。

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すると突然ママが
「それで後3人いるんでしょ?」ヤバシ、又戻ってきた。不意をつくなって。
俺「うーん、えーと」ママ、ほれミロみたいに嬉しそう。
俺「そうそう、もう一人はネ、刑務所だ」
何で又?
俺「あのさあ、プレゼントって贈与なんだって、どっかの国の税務署から見ると。それで今までのプレゼント分の税金払えって、払えるワケないジャン、それで刑務所で働いて返すんだけど生きてるうちには出られそうもないようだ」
ママ「あと、二人」もう意地だね。
俺「後二人?一番若いサンタがね。格差社会で稼ぎが悪くてプレゼント用意するどころか自分で生きていくのが精一杯だって」
ママ「でももう一人いるんでしょ?」
俺「もう一人ィ?」
ママ「そうもう一人よ」許してくれそうもない。
俺「というわけでサ、チャンと仕事が出来るのは一人しかいないのさ。全世界を5人で分担していたのにたった一人じゃね。特に後進国の人口が増えて恵まれない子供が多いのでこのところそっち重点、経済大国日本には手が回らないからジリョクでナントカするようにだって。オシマイ!」ふーっ。

その後、マジメな話をしてもママはみんな作り話でしょ、という顔をしていた。

写真・中、今日の俺のピンバッチ。下はnaoさんのジョイント展から。
Commented by そら at 2006-12-15 21:29 x
あはは!今どきのサンタさんは大変なのねぇ~(*^_^*)
そこのママさん、何だか好きだわ♪
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-15 21:36
そらさん、こんばんは。そうなのです。サンタは大変、私はそれで飲む。ママが素敵、それでなおさら飲むのです。
Commented by antsuan at 2006-12-15 22:17
いやいやいい気分になって、ホント佐平次さんのお酒はブログを読んでいるだけでこちらが酔ってしまいます。ささ、もういっぱい、ご遠慮なく。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-15 22:24
antsuanさん、あんがとよ。ういーっ、いや酔ってなんかいねーったら!ヒャック。antsuanも一杯イコウ!ヒャック、まだ宵の口でェ。
Commented by nao at 2006-12-15 23:12 x
佐平次さん、パチパチ!面白い!私もマッコルリで一杯やってます〜♪何だか一緒に飲んでるみたい。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-16 00:28
naoさん、もうダミだ。世界が回りだしたよ。お休みなさい。ヒャック。
Commented by 夢八 at 2006-12-16 09:54 x
現代落語の作家で、デビューできますな~。
噺家は、やっぱり、佐平次で、
売れっ子だから、のるかどうか。
Commented by みい at 2006-12-16 10:18 x
あはは・・・面白すぎます。saheiziさんもママさんもオトウさんも、いいなあ~
ピンバッチかわいい~  もしかしてsaheiziさんもサンタなのでは?
Commented by ちゃめ at 2006-12-16 10:21 x
 おもしろーい。
 saheizi さん、流石です。
 ピリリとした社会風刺を厭味なく効かせて、その上笑わせるのって、すごいですね。

>マジメな話をしてもママはみんな作り話でしょ
 作り話と思わせておいて、本当のことを言って、受けを取るのもアリですね(笑)。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-16 12:15
夢八さん、私のアイデアは居酒屋一人酒のときしか沸いてこないのです。毎晩一人酒ってのも・・。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-16 12:16
みいさん、笑ってもらえてウレシイです。お母さんにも笑顔をたくさん見せてあげてくださいね^^。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-16 12:18
ちゃめさん、マジに話しても受け狙いとしてアシラウのもママの術中かな。一枚上手ですね。
Commented by sakura at 2006-12-16 12:34 x
へ~~~~~ぇ
saheiziさんてピンバッチをなさるのですか・・・
お洒落さんなのですね。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-16 17:33
sakuraさん!そんなに驚いて。どんなイメージを持ってらっしゃるんですか?
Commented by sakura at 2006-12-16 23:28 x
だって居酒屋とか落語とかお風呂屋さんにも行かれるし、、
本を読まれて書く事が早くて上手い。
庶民的なところがあるし
新聞記者?違う。作家?違う。芸術家?違う。実業家?商社マン?
イメージと言われると・・さて困った?
ただお洒落では無いように思っていましたの。へへ・・すみませんねぇ。

Commented by makiand at 2008-10-03 10:07
神谷バーって昔のままなんですか?内装も変わったのでしょうね。私は、東京にいたころ通ったことがあるんです。
もう28年くらい前。そこに60~75歳くらいの粋な男の人たちが集まってきてて、その人たちにお話をしてもらうのを楽しみにしていました。
お宅に連れてってくれたり、ドドイツを歌ってくれたり、エノケン気取りの、それもそっくりな人がそんな気分で調子良かったり、トビの大将が浅草の境内横で代々の刺青を見せてくれたり、私にとってはとってもいい思い出があるんです。思い出してしまいました。^^
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by saheizi-inokori | 2006-12-15 21:15 | トナリの会話 | Trackback | Comments(16)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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