見過ごせない伊吹文科相のイジメ問題メッセージ 教育基本法改定との関係

伊吹文科相がイジメ問題でメッセージを出した。
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その問題点についてgakisさんが書いている。全く同感だ。

読むとジョークかい?といいたくなるような”キモイ”代物だ。
”お願い”ってなんだい、まったく!
イジメは主管大臣が生徒にお願いして止めさせるものか?授業料の値上げじゃないんだ。
”きっとみんなが助けてくれる”だとー?ソーユーのを”ゴタク”ってんだ!
”子供”って小中高生の全てを指しているようだがこの文章はどの年齢層にも中途半端だ。
こんなカミッキレを配ることでイジメ問題に何か好い影響が出るなんてどういう頭の持ち主が考えるんだろう?
子供たち、特にイジメをするような悪ガキにとって”モンカショウ”ってナンボのもんだ?

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酒の肴にして笑い飛ばすしかないと思ったが、マテヨ、そこらの評論家が書いたのならともかくモンカ大臣だ。
教育基本法の改定を目論見、教育のあり方を変えようとしている最大の責任者がやったことだ。
見過ごせない!

こういうカミッキレを配れば子供たちの心にその内容が届いてイジメが減少すると考える、その発想は危険だ。
権力者からの通達で子供の心が左右できるはずがない。
親や先生にも手に余っているのに。
確かに頼りない親や先生も多いけれど、かといって紙切れ一枚で解決するような問題に手を焼いているという判断は先生や親たちを馬鹿にしている。
真面目に命がけで取り組んでいる先生のやる気を殺ぐじゃないか。

馬鹿げていて意味がないけれど権力者が通達すると間に入った教育委員会やら先生は何か行動せざるを得なくなる。
それはカミッキレの生徒への配布という茶番ではすまない。
生徒や親の反応とかその後の状況を報告せよ、から始まり権力はこのカミッキレを現場締め付けの材料につかうかも知れない。

なによりも大臣のメッセージで子供の心が動かせると考える人たちは危険だ。
心を動かすのではなく行動を強制することにつながる。
思ってもいないウソを言わせることにつながる。

gakisさんが言うとおり内容がおかしい。
イジメをするのは「いけないこと・悪いこと」なのだ。
イジメをする・したような子供は往復ビンタでも食らわせるか、耳を引っ張って校庭に連れ出し大声で「僕はイジメをやりました」と叫ばせるべきなんだ。
そんなヤワナことじゃ間に合わない奴もいるはず、そんなのは退学か家庭裁判所のお出ましだ。
それなのにこの文章は猫なで声で「イジメは恥ずかしいこと、後で反省するようなこと、卑怯なこと」だから止めろって、まるで加害者をいたわっているような感じすら受ける。

何故、こんな変な文章になっているのか?
それは全ての関係者に及び腰だから、どこからも文句が出ない範囲でアリバイ作りをしているからだ。
何故、及び腰になっているのか?
自信がないから。
一昨日、森茉莉の「貧乏サヴァラン」について書いた。
その中で彼女が「”忠君愛国などの上から押しつけられた考えによりかかっていた”大人たちが敗戦で寄りかかるところがなくなって自信をなくしたために子供のしつけが出来なくなった。それがコンニャクみたいなだらしのないオトコノコが増えた原因だ」と書いている。
まさにその状況が今も続いている。

だから自信を取り戻すための「寄りかかり」を取り戻そうと教育基本法を改定しようとしているのだ。
またもや”上から押し付ける”ことで形だけ繕おうとしている。
そんなことで”美しい国”(って俺には不可解な言葉だが)が出来るはずがない。
浅はか極まりないし、危なくってしょうがない。

こう考えてくるとこのメッセージはジョークとか官僚の無能・不注意またはちょっとした考え違いの結果だと思ったら大間違い、大臣や現内閣の基本戦略にもとずいた用意周到な一石なのだ。
子供の心に届くことを考えているのではなく、何かをやっていることを国民と教育関係者にPRし、教育現場を管理していく一歩、だからイジメをする子にも猫なで声なのだ。
Tracked from 楽餓鬼 at 2006-11-19 20:41
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Tracked from 墓の中からコンニチワ at 2006-11-20 09:19
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「イジメ関連自殺報道」はいまやブームの観を呈している。そしてメディアは自殺の背景を執拗に追い回し、ほじくり返している。 自殺は「する」「しない」の目的語ではなく「できる」「できない」の目的語のはずである。「できない」人間には決してできないようだ。その原因としては、遺伝、脳疾患など諸説あるようだが私の周囲に起こったケースだけを見る限り、遺伝説を信じたくなる。現に欧米では著名人が自殺した場合、「どこで、どのような方法で自殺した」としか報道されないのが普通のようだ。背景には意味がないとみなされている。 ...... more
Tracked from 結婚できない男!広島編 at 2006-11-22 01:37
タイトル : 三男坊の悪ガキへの分岐点
 学校が好きだった私ですが一回だけ登校拒否・・・・・・いやいや幼稚園時代なので登園拒否?(笑)幼稚園の先生と一緒にグループで歩いて行ってたのですが引越しで家が変わり違うグループになってしまい見知らぬ人ばかりで朝大泣きその日は休んだと思いますが・・・・・10分歩けば同じ幼稚園に着くのに・・・(笑)小さ... more
Commented by 園長 at 2006-11-18 22:27 x
本当に、大臣さんや官僚さんたちは何を血迷っているのでしょうか?

先日新聞に数学者のピーター・フランクルさんの記事が載っていましたが、
愛国心について、書いてありました。
「自分の母親を愛するのに、美人だからとか、料理が上手いから、
とかそんな理由で愛するわけではないはず。愛国心も同じ。」
‘美しい国’だから愛するのではない・・・ってことですよね。

みなさんやっぱり何か勘違いしているとしか思えない。
頑張っている先生、かわいそうだな。
Commented by saheizi-inokori at 2006-11-18 22:42
頑張っている先生は怒っているでしょうね。こんなメッセージ配る暇があったらもう少し現場の声を聞きに来い!とか。

「国」は美しいもなにもないです。イラクは美しい?アメリカは?ホクセンは?風景とかならありえますが「国」は本来美醜の概念に馴染まないのでは。ある個人にとって美しい想い出を伴う、とかならあるでしょうが。
前にも書きましたが日本に統合されていた当時の朝鮮の人たちに「日本を愛するのは当然だ」といったら内心は蹴飛ばされてましたね。
Commented by seilonbenkei at 2006-11-18 22:56
全く同感です。
教育基本法改正?の中身もさることながら、学校関係者と、一番の当事者である子どもが蚊帳の外で何が変わるのか。密室でたった100時間議論しただけで十分審議を尽くしたと豪語する感覚。
すべては改憲のための布石としか思えませんし、安倍さんだからそれをやりたがっている気がしてなりません。
Commented by saheizi-inokori at 2006-11-18 23:11
seilonbenkeiさん、敵もさるもの引っかくものです。
Commented by antsuan at 2006-11-18 23:14
先日、電車の中で席を塞いでいる中学生らしい若いもんがいたので、"どけっ"と怒鳴りました。我々はモンカ省に「ふざけんな!」と声を上げるべきです。
Commented by saheizi-inokori at 2006-11-18 23:17
antsuanさん、ごりっぱです。私は口ばっかり、ガキの仕返しが怖くて怒鳴るところまで行かないことが多いですよ。
でも伊吹ごときは怖くはないです。ふざけんな!
Commented by fuku at 2006-11-19 00:20 x
昨日の朝日ですけど、鴻上尚史さんが、「逃げて、逃げて、死なないで」と言っていました。イジメって、いつの時代にもありました。
いろんな先生がいます。いろんな生徒がいます。自分を大事にするには、まず、そんな環境でないところへ、逃げる。学校なんか、先生なんかよりも、自分を信じるのが一番だなーと思います。親は気がつかないもんです。また、子どもは言わないもんです。そして、複雑なことには、いじめている側がまた、いじめられている立場の場合もあります。
先生は、表面しかみません。この国の教育はいまさら救うには、大変なことがいっぱいのような気がします。まず、あきらめて、そこから親も子も覚悟で向かう。まさに、戦争です。ふわふわと子どもがペットのような形たけの親が多すぎる気がします。言い過ぎました。ごめんなさい。全ては自戒です。もう取り返しのできない、子育てをしてしまった自分へのです。
Commented by saheizi-inokori at 2006-11-19 09:32
fukuさん、言いすぎではないと思います。もっともっと言いたいことがおありだと思います。ふわふわと・・私自身にも当てはまるような気がします。自分が生きていくだけで精一杯、子供は自分で何とかするだろう、根拠のない希望的子育てだったかも。
ブログで毎日真剣に子供と向き合っている方の記事を読むと感心させられます。
その空隙をついて悪さを仕掛けてくる人たちが怖いです。
見せ掛けであれおりこうさんを揃えるのはある種魅力的なことですから支持も結構集めそうです。
その結果がますますロボット人間を作り出していきそうな怖さです。
Commented by fuku(ふく改め) at 2006-11-19 13:44 x
ハンドル名をローマ字にしました。すみません、お知らせしないで。
saheiziさま。フォローありがとうございます。本当に、実際に子育てをしてみて、母たちの大変さを思いますが、子どもそれぞれによって全く違い、本や評論家の言うことなどは、あてにならないことを実感しました。
先生も親もなかなか表面に表れたことしか見えないものですね。
個性を大事にするといっても、「元気で活発で自分の意見が言えて、お勉強も運動も何もかもよくできて・・」なんていう個性だけを大事にし、「なかなか自分の意見が言えなくて、お勉強も好きなこと以外は嫌い、おべんちゃらが言えない、友達が少ない、協調性がない、何を考えているのかわからない・・」そんな子の個性は、えてして無視されるものです。この100年ではまだまだ教育の現場は解決できないのかなー・・
Commented by kazemachi-maigo at 2006-11-19 17:34
いじめられていました。
その傷と痛みと恨みが癒えるまで、30年以上の年月がかかりました。
いじめた人々を恨む気持ちと、それをこんな長いあいだゆるすことができないという自分自身をゆるせない気持ちのふたつがありました。

私が死ななかったのは、つまり逃げたからです。
誰に話したわけでもないし、話せる余裕すらないのです。
こんな紙切れの文字は、いじめる人にもいじめられる人の心にも、また親御さんの心にも届かないと断言します。

私にすれば、こういうお役所仕事の体質が作り上げた社会全体が、いじめを助長しているとさえ感じます。
Commented by saheizi-inokori at 2006-11-19 20:14
kazemachi-maigoさん、私もモンカ大臣のような無神経な無責任な、それでいて力を持っている人たちがイジメの黒幕じゃないかとさえ考えます。
十一面観音には会ってこられましたか?
Commented by roko at 2006-11-19 20:43 x
苛めをやる子は、多分「想像力が非常に欠如した人格」なのでしょうね。
多分その子の親も同じ・・・・家庭でも同じ扱いを受けてるので他者に対して尊重したり、優しくしたり出来ないのでしょう。
要するに頭悪いんですよね~~(。-_-。)。。oしかし、苛めって大人の社会の縮図でもあると思います。
伊吹文科相の新聞記事なんて、せっぱ詰まってる子(自殺を考えてる子)は見ないし、見てる余裕なんて無いですよ~~(苦笑)
苛められる子供って、親がきちんとしていて子供さんも礼儀正しい躾のいい家庭のお子さんが多いんですよね。(今は、そういう家庭の方が少数派なのですね?^^;)
やっぱり、逃げ道↑を作ってあげる(転校とか)学校に行かなくても家庭学習で単位取れるとかね・・・なにか改善策を早急に考えないと。
それと「苛め」をした人達って将来絶対!!いいことないですよ。カルマってありますからね~~(私も、実は(笑)苛められてましたね)信じてもらえませんけどね(あははは・・・・)(^▽^;)
要は、そんな馬鹿連中のために自分の命を粗末にする必要ないのです。でも、一番悪いのは「苛めを容認している人々」かな??
Commented by saheizi-inokori at 2006-11-19 21:44
rokoさん、一番悪いのはイジメをする子じゃないですか。
転校させるべきはイジメの中心人物だと思います。
Commented by mitsuki at 2006-11-19 21:54 x
私も学生の頃、スケ番みたいな奴らとつまらないことで喧嘩になり、お陰でクラスの大半の子達から無視されて、卒業文集にまで悪口書かれたりしましたが、自分が虐められているとはこれっぽっちも思いませんでしたよ。
学校の外に同じ価値観を持つ仲間が沢山いましたし、群れないと何も出来ない奴らを、心底馬鹿にしていましたから。
全国の虐められっ子諸君、どうにかPCを駆使してここまで辿りついて来て。私で宜しれば話に乗りますデスよ。
Commented by saheizi-inokori at 2006-11-19 22:04
mitsuki さん、伊吹にメールしますか^^。
Commented by ちゃめ at 2006-11-19 23:20 x
saheizi さん、こんばんは。
 いじめ、嫌ですね。
 最悪、最低です。
 いじめは、恐喝+傷害+名誉毀損+教唆罪+共同謀議罪+その他もろもろの犯罪をミックスしたようなものなので、「犯罪」として対処して欲しいものです。
 いじめの首謀者を更生させる事なく社会に出す事は、危険だと思います。
 実際に、そのひずみが社会に現れています。
 これまで何十年間も、いじめの首謀者は更生することなく、社会に出てきている訳ですから。
 いじめをする連中の子供は、またいじめを繰り返すでしょう。
 いじめっ子が教育する訳ですから、ごく当たり前の帰結です。
 この「悪の連鎖」を断ち切る責任が、文部科学省にはあると思います。
 そのためには、いじめる子供や親についてのデータを集積し、その傾向を社会に公開し、対策を立案する必要があると思います。
 いじめの存在すら認めない先生や、責任逃れ一辺倒の役所では、これは覚束ないですね。
Commented by saheizi-inokori at 2006-11-20 10:52
ちゃめさん、まったくですね。被害者のことばかり根掘り葉掘り報道して、加害者のことをもっとしっかり把握すべきだと思います。
確かに悪質な犯罪みたいなのもあるそうですから。
Commented by pompu at 2006-11-27 10:50 x
大人にも苛めがある。でも大人の場合は、それを正当化する理屈づけできる能力があるだけ卑怯かも。自分の心のどこかにも存在しているのかも知れない・・・怖いです。怖いという気持ちに頼っています。
Commented by saheizi-inokori at 2006-11-27 14:17
pompuさん、”程度の問題”だと思います。どこまでやるか?心の中だけにしまってあるのか、クチに出すのか、暴力をふるうのか?
根っこから苛めの気持ちをなくすことができれば素晴らしいのですが私には無理かも知れません。
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by saheizi-inokori | 2006-11-18 22:01 | よしなしごと | Trackback(3) | Comments(19)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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