ほんとうの焼肉とは？ ソウル紀行 （３）

着いた日、歩いていると道路の四つ角にステージを設けて歌を歌っている人がいる。その脇で濛々と煙を上げて豚のバラ肉を焼いている。
焼きあがるとハサミでチョキンチョキンと切って皿にもってテーブルの上に出す。
あっという間になくなる。
俺も手を出した。すると紙コップを渡す人がいる。焼酎をついでくれるのだ。
どういう催しなのか分らないが美味しい肉と酒だった。
清渓川（チョンゲチョン）を散歩していたら見かけたクイズ。
どういう意味だろう？ベッキーさん教えて！



初日の晩餐は、藝術新潮８月号の韓国特集で紹介されていた「ほんとうの焼肉」。
仁寺洞（インサドン）・「田舎家」（シゴルチブ）。店の真ん中に大きな竈があり鍋が載っている。
焼き加減が一番大事な肉は店で焼いてくれたものを出すのが”ほんとうの”所以。
左・手前、「スユツ」（水肉・牛肉の水煮）、両班の真夏の食べ方。紙のように薄く切って酢醤油（青トウとニンニクを浮かべて）で食べる。さっぱりしているが肉の甘みがおいしい。
向こう側は「スルクツ」（酒汁）牛の血の塊と大根、ネギなどが入ったスープ。熱い方が旨いのだが「まずユッケから」という店のおばちゃんの指示で大盛りのユッケ（右の写真）を平らげていたらお腹がくちくなってだいぶ残してしまったのは今に悔やまれる。
肉ばかりなのでつい生野菜を欲しくなったが無い。いろいろ頼み込んで（ボデイーランゲイジ主体）キュウリを出してもらった。

韓国と言うと焼肉、との思い込みはどうやら間違いらしいと思う。
その代わりというか、この店のような肉とか、一月に来た時食べたように何かと一緒に食べたりするとぐっと旨くなる。



同じく田舎家のブルコギ、いろいろなものが入っているのか香ばしい風味もあって一同（４人）、歓声をあげながら食べる。
順序は逆だが汝矣島（ヨウイドゴンウオン）漢江公園に行きユクサムシテイー６３（２６４メートル）に上り、夕方の観光船１時間ツアーも楽しんだ。
映画「漢江の怪物　グエムル」の舞台。この石段に怪獣が・・沢山ある橋のどれが主人公の姉さんがかけて行った橋だろう？などと捜しながら行く。
家族連れ、カップル（こちらのカップルは人前でも堂々といちゃつく。ああ、日本もそうかな）、老若男女入り乱れて夕刻をノンビリと味わっている。
一見隅田川を思わせるが、全長５１４ｋｍ川幅は一キロ近いところもあり雄大だ。



二日目の朝は「明洞栄養粥専門店」でお粥。去年も来たが美味しかったのでアンコール。アワビ、エビ、松茸、野菜と４種類とってシエアして頂く。ついビールも飲みたくなって・・。
ソウル駅からセマウル号に乗って水原（スオン）市へ。手前がセマウル号、乗り心地のよい電車だ。いくつになっても知らない町で電車に乗るのは格別のワクワクがある。



ソウル新駅は空港のように高い天井のモダンな建物だ。写真は在来線ホームへ降りる階段。
漢江を渡る車窓から見たユクサムシテイー６３、なんだか雲行きが怪しくなってきた。