平均値管理の落とし穴

６０代の人が半分、30以下の人が半分という年齢構成の集団があったとする。
その平均年齢は45歳くらいだ。しかし実際にはその年齢層はいない。
それなのにたとえば洋服店を45歳向けに商品構成してもどちらの年齢層も来店しない。

こんな例だとサスガにまさかと思うけれど、実際にはそういう馬鹿みたいなことをやっていることが案外多い。平均値で判断してしまう。

社員教育などでもなんとなく標準的なことを教える。
意欲もありレベルも高い社員には退屈だ。
やる気もなく基礎的知識も無い社員にはついていけない。
標準的な社員なんて案外少ないものだ。


働きかける対象の実際の姿を確かめずに数字とか先入観で適当な判断をしてしまうとどんなに時間や手間をかけても空回りしてしまう。

50人の集団を一緒に考えるのでなく一人ひとり違った存在として把握していかないと商売も教育もうまくいかない。

中にはそんなことは分かっているのにわざと平均的管理をする人がいる。
それは怠慢なのだ。アリバイつくりのための管理とか研修。効果が上がるかどうかはあまり念頭に無い。
インチキコンサルタントに丸投げで社員研修をさせて「社員一人当たり00時間もやりました！」などと実績報告をする人事担当、それを鵜呑みに満足げな経営者。社員はあくびをかみ殺し、コンサルタントは笑いをかみ殺している。