アトミックガールズ! カッコよかったなあ。松竹国際劇場
2006年 09月 14日
朝の電車、向かい側の雰囲気がちょっと変わったので本から目を上げると
男子中学生が二人、何か話している。小さな声だから聞こえない。
まっしろな半袖のシャツ、一人はきちんとアイロンがかかってもう一人はおニューのようだ。
見るからに東京の子ではない。
清潔な中学生という役柄指定があればウッテツケ。
隣に目をずらすと女生徒も3人。
修学旅行の自由行動だ。
まん前の子が手に持っているブルーのパンフレットの表紙に黒いミッキーが描いてあるのがチラッと見える。
この子がグループのリーダーだ。
利発そうな顔を上げて窓の外の駅名をチエックしたり油断なく・・だ。
ワクワクしながらも不安もちょっぴり、リーダー君、責任重大だよ。女の子の一人は居眠りしているし。
俺の中学も修学旅行は東京だった。
本郷の宿に叔母が来てくれた。親戚との面会という時間があって東京に親戚がいるってことはなんとなく鼻が高いようだった。
自由時間なんてなかった。
鎌倉もいれて3泊、あちこち見たが、記憶に残っているのは
浅草・国際劇場。今浅草ビューホテルのあるところにあった劇場だ。
「SKD夏の踊り」。ラインダンスやショーがすごくて目が点、放心状態だった。
坊主頭がずらっと並んでいる、それを蹴っ飛ばすかのようにきれいな足がヤーとかオーとか云う気合もろとも見事に蹴上げられた。
不思議なのはショーだけではなく映画もあって、それが「糞尿譚」と「黒い牡牛」の二本を見たような気がするのだが時間的にもプログラム編成上もそんなことはありえないから、もしかするとどちらかが予告編だったのだろう。伴淳が柄杓でウンコを撒き散らす場面は長野で見たような気もする。
そうだ、予告編で刺激されて自分で見に行ったのだ。当時は映画は学校で行く以外は禁じられていたのに。
とはいえ映画館で国語の先生とは良く鉢合わせをしたなあ。
稲垣監督・三船敏郎主演の「無法松の一生」を立ち見して隣のおじさんを小突いてしまったら、その先生だった。にやっと笑った。
尾崎一雄の「暢気眼鏡」を読んで「何が言いたいのかさっぱり分からん」と感想文を書いたら「私小説といって君にはマダ分からないかなあ」とにやっと笑った。
実は先生は家で貸本屋をやっていて、俺は割りといいお客だったのだ。
先生か奥さんが店番で二人ともいつも本を読んでいた。
今思うと自分の読んだ本を商品にしていたのかも知れない。
5円か10円くらいで借りられたように思う。
俺は新聞配達で月に500円くらい稼いでいたからそのぐらいはナントカなったんだ。
中学生たち、同じ駅で降りて同じ階段を登っていく。
こっちには何もみるものないよ。
「どこにいくの?」声をかけたら女の子がびくっとして「さあ、どこでしょう?」
もう一度聞いたら疑いが晴れたようで、もう一人の子が「○○○です」。
「こっちは正反対、ホームを戻って・・」教えてあげるとみんな立ち止まって
セーノ!と号令をかけたみたいに「ありがとうございまーす」。
「修学旅行?」「そうです」「どこから来たの?」「山形の長井です」
最上川と花や果物の町から来た子達だ。
「楽しんでいらっしゃい!」
ああ、巷には冷たい雨が降るけれどちっとばかりいい気持ちになったぜ。
男子中学生が二人、何か話している。小さな声だから聞こえない。
まっしろな半袖のシャツ、一人はきちんとアイロンがかかってもう一人はおニューのようだ。
見るからに東京の子ではない。
清潔な中学生という役柄指定があればウッテツケ。
隣に目をずらすと女生徒も3人。
修学旅行の自由行動だ。
まん前の子が手に持っているブルーのパンフレットの表紙に黒いミッキーが描いてあるのがチラッと見える。
この子がグループのリーダーだ。
利発そうな顔を上げて窓の外の駅名をチエックしたり油断なく・・だ。
ワクワクしながらも不安もちょっぴり、リーダー君、責任重大だよ。女の子の一人は居眠りしているし。
俺の中学も修学旅行は東京だった。
本郷の宿に叔母が来てくれた。親戚との面会という時間があって東京に親戚がいるってことはなんとなく鼻が高いようだった。
自由時間なんてなかった。
鎌倉もいれて3泊、あちこち見たが、記憶に残っているのは
浅草・国際劇場。今浅草ビューホテルのあるところにあった劇場だ。
「SKD夏の踊り」。ラインダンスやショーがすごくて目が点、放心状態だった。
坊主頭がずらっと並んでいる、それを蹴っ飛ばすかのようにきれいな足がヤーとかオーとか云う気合もろとも見事に蹴上げられた。
不思議なのはショーだけではなく映画もあって、それが「糞尿譚」と「黒い牡牛」の二本を見たような気がするのだが時間的にもプログラム編成上もそんなことはありえないから、もしかするとどちらかが予告編だったのだろう。伴淳が柄杓でウンコを撒き散らす場面は長野で見たような気もする。
そうだ、予告編で刺激されて自分で見に行ったのだ。当時は映画は学校で行く以外は禁じられていたのに。
とはいえ映画館で国語の先生とは良く鉢合わせをしたなあ。
稲垣監督・三船敏郎主演の「無法松の一生」を立ち見して隣のおじさんを小突いてしまったら、その先生だった。にやっと笑った。
尾崎一雄の「暢気眼鏡」を読んで「何が言いたいのかさっぱり分からん」と感想文を書いたら「私小説といって君にはマダ分からないかなあ」とにやっと笑った。
実は先生は家で貸本屋をやっていて、俺は割りといいお客だったのだ。
先生か奥さんが店番で二人ともいつも本を読んでいた。
今思うと自分の読んだ本を商品にしていたのかも知れない。
5円か10円くらいで借りられたように思う。
俺は新聞配達で月に500円くらい稼いでいたからそのぐらいはナントカなったんだ。
中学生たち、同じ駅で降りて同じ階段を登っていく。
こっちには何もみるものないよ。
「どこにいくの?」声をかけたら女の子がびくっとして「さあ、どこでしょう?」
もう一度聞いたら疑いが晴れたようで、もう一人の子が「○○○です」。
「こっちは正反対、ホームを戻って・・」教えてあげるとみんな立ち止まって
セーノ!と号令をかけたみたいに「ありがとうございまーす」。
「修学旅行?」「そうです」「どこから来たの?」「山形の長井です」
最上川と花や果物の町から来た子達だ。
「楽しんでいらっしゃい!」
ああ、巷には冷たい雨が降るけれどちっとばかりいい気持ちになったぜ。
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antsuan at 2006-09-14 23:45
今じゃ修学旅行生は逗子鎌倉には泊まらないようで、都内のホテルにでも泊まるんでしょうか。旅館のほうが楽しかったのに、ちょっぴりかわいそう。
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saheizi-inokori at 2006-09-14 23:48
マクラ投げとかやりましたよね。畳の部屋で。風呂に入るのがちょっと恥ずかしくて・・。
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polaris
at 2006-09-15 02:54
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アトミック ガールズ見ていらっしゃったのですか。テレビで見てました、なつかしい・・・・浅草といえば国際劇場、幕が上がるとピチピチした少女達「松竹少女歌劇団」のアトミック ガールが舞台一杯はじけたように飛び出して、レビューのはじまり、『ぼのさーん・おづきさーん』熱烈なファンの
掛け声が飛び、観客は夢の中・・・・。
saheiziさん、娯楽もすっかり変わって「あたしゃ昔がなつかしい」
マンダラ展ご覧になったのですね。あの公園は、旧制浦和高等学校の跡地です。美術館辺りにおんぼろの寮がありました。
」
掛け声が飛び、観客は夢の中・・・・。
saheiziさん、娯楽もすっかり変わって「あたしゃ昔がなつかしい」
マンダラ展ご覧になったのですね。あの公園は、旧制浦和高等学校の跡地です。美術館辺りにおんぼろの寮がありました。
」
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saheizi-inokori at 2006-09-15 08:12
polarisさん、おはよう。そうだったんですか?ではあの辺をオヤジは歩いたのです。福田恒存などと。
アトーミックガールズ!の声がしきりに耳につくのは不思議です。そんなに何度も見たわけじゃないのに。よほどインパクトがあったのですね。
アトーミックガールズ!の声がしきりに耳につくのは不思議です。そんなに何度も見たわけじゃないのに。よほどインパクトがあったのですね。
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molamola-manbow at 2006-09-15 13:05
長良川で鵜飼を見て、中央線で黒部渓谷へ。
中学の修学旅行は各クラスが別行動であちこちに出掛けた。渋い選択でしたが、黒部も鵜飼も、その後出掛けるチャンスがない。
かえって渋くて良かったのかもと、可愛かったsaheiziさんを脳裏に描きながら、こちらもノスタルジーを・・・・・。
中学の修学旅行は各クラスが別行動であちこちに出掛けた。渋い選択でしたが、黒部も鵜飼も、その後出掛けるチャンスがない。
かえって渋くて良かったのかもと、可愛かったsaheiziさんを脳裏に描きながら、こちらもノスタルジーを・・・・・。
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saheizi-inokori at 2006-09-15 14:08
manbowさん、チョー渋いです。私も黒部はまだですよ。オヤジの修学旅行といくかな。
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散歩好き
at 2006-09-15 14:26
x
シェークスピア、劇団雲と経営コンサルテント?謎がいっぱい。
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saheizi-inokori at 2006-09-15 20:55
散歩好きさん、私のことですか?福田さんは父と浦和高校の同級だったと母から聞いたのです。
中学の修学旅行で京都に行った時、同じ班の子が目の前でひったくりにあいました。周りに居た大人も見て見ぬふり。saheiziさんのような優しい人は一人も居なかったな〜
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saheizi-inokori at 2006-09-15 22:11
naoさん、あの子たちは最初私をそういうアヤシイ男と思ったみたいですよ。直ぐに疑いは晴れたけれど。
京都は高校で行きました。喫茶店で聞いた、カーメンキャバレロの「愛情物語」が懐かしいです。ホントにつまらないような小さなことをいつまでも覚えているモンです。
京都は高校で行きました。喫茶店で聞いた、カーメンキャバレロの「愛情物語」が懐かしいです。ホントにつまらないような小さなことをいつまでも覚えているモンです。
修学旅行かぁ~・・懐かしいなぁ~。
おもちの中学は京都に行くらしいです。
なーんだ、私と同じじゃーん!と思った。
私の頃は、東京から修学旅行といえば、
京都!と相場が決まっていましたね。
そういえば、宝塚にもよく修学旅行が来てます。
長野の友人は修学旅行で観たそうですが、
まったく何にも感じなかったと言ってました・・・汗。
おもちの中学は京都に行くらしいです。
なーんだ、私と同じじゃーん!と思った。
私の頃は、東京から修学旅行といえば、
京都!と相場が決まっていましたね。
そういえば、宝塚にもよく修学旅行が来てます。
長野の友人は修学旅行で観たそうですが、
まったく何にも感じなかったと言ってました・・・汗。
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saheizi-inokori at 2006-09-15 23:31
園長さん、国際劇場,SKDって宝塚とどう違うのかなあ?宝塚は中学のときに西宮にいた叔父だったか叔母だったかに連れていってもらったけれどSKDとよくにていたような。
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seilonbenkei at 2006-09-16 08:58
良いお話でした。なんか、和むっていうか。
自分が新聞配達をしていたので、新聞少年には親近感を覚えます(笑)
今の修学旅行は公立校でも一流ホテルでフランス料理ですよ。>antsuanさん
うちの子なんか帰ってきて、味が良くなかっただの、肉が固かっただの・・・。
自分が新聞配達をしていたので、新聞少年には親近感を覚えます(笑)
今の修学旅行は公立校でも一流ホテルでフランス料理ですよ。>antsuanさん
うちの子なんか帰ってきて、味が良くなかっただの、肉が固かっただの・・・。
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saheizi-inokori at 2006-09-16 10:44
seilonbenkeiさん、ありがとう。
青柳という国語の先生のちょっと小太りで猫背の面影を段々思い出しています。山形の中学生たちが思い出させてくれたということが不思議でしょうがない。
青柳という国語の先生のちょっと小太りで猫背の面影を段々思い出しています。山形の中学生たちが思い出させてくれたということが不思議でしょうがない。
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suiryutei at 2006-09-16 11:39
こんにちは。
『無法松の一生』、旧文芸座地下で観ました。よかったなあ。
山形! 一昨年の今頃、最上川沿いに下って酒田まで行きましたっけ。「ル・ポット・フー」のフランス料理が安くて美味しかった。ワインではなく日本酒(酒田の地酒『初孫』)で食べるフランス料理です。
『無法松の一生』、旧文芸座地下で観ました。よかったなあ。
山形! 一昨年の今頃、最上川沿いに下って酒田まで行きましたっけ。「ル・ポット・フー」のフランス料理が安くて美味しかった。ワインではなく日本酒(酒田の地酒『初孫』)で食べるフランス料理です。
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saheizi-inokori at 2006-09-16 12:53
suiryuteiさん、まさか坂妻の無法松じゃないですよね。
「一の谷の戦破れ、討たれし平氏の公達あわれ~」ボウ、だったかの甲高い歌声が今も耳に甦ります。
「ル・ポト・フ」音に聞くその名店!いまだ行ってないのです。初孫はかの店の名声とともに覚えて何度も飲んでいますが。
「一の谷の戦破れ、討たれし平氏の公達あわれ~」ボウ、だったかの甲高い歌声が今も耳に甦ります。
「ル・ポト・フ」音に聞くその名店!いまだ行ってないのです。初孫はかの店の名声とともに覚えて何度も飲んでいますが。
刺激的な修学旅行を楽しまれたのですね。
さすがの saheizi さんも、ラインダンスをご覧になった時には、前投稿の男の子のように、凍りついておられたのでは?
山形の中学生も清々しいですね。
時折、そんな若者に会うと、とても嬉しくなりますね。
さすがの saheizi さんも、ラインダンスをご覧になった時には、前投稿の男の子のように、凍りついておられたのでは?
山形の中学生も清々しいですね。
時折、そんな若者に会うと、とても嬉しくなりますね。
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suiryutei at 2006-09-16 21:35
坂妻です!(ちょっと自慢)。三船のも観ましたが。
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saheizi-inokori at 2006-09-17 09:32
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saheizi-inokori at 2006-09-17 09:32
suiryuteiさん、ソリャすごい!
by saheizi-inokori
| 2006-09-14 23:33
| トナリの会話
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