俺は俺だ、ドーダ! 東海林さだお「もっとコロッケな日本語を」(文春文庫)

この人の文章はあちこちで目にして読んで見ると面白い。
達者なもんだ、と思う。

食う、働く、遊ぶ、付き合う・・さまざまな日常を形成している事柄をチョット視点をずらして眺めてみると、変だよな、どーして?みたいなことがたくさんある。

たとえば人間が何かをしているところを観察する。
鼻毛の動きのようなある一点に急接近して虫眼鏡で見る。逆にカメラを引いて何をしているのか分からないところから観察する。言葉を消して動作だけを見る。フイルムを逆回ししてみる・・。
必ず”新発見”がある。
いつも疑うことも無く受け入れているさまざまな事柄の意味、前提やルールを疑ってみる。
もともと人生自体が不可思議・アイマイなものだから、疑い出せばキリがない。

ふだん瑣末なことと深く考えてもいなかった事柄を人生の・世界の一大事みたいにして考えてみる。言い立ててみる。
小さなところに人生の真実?が見えてきたりする。
本音と建前、それをいっちゃあお終いよ!みたいなことをイヤミなく”分析”する。
文章にメリハリがあって分かりやすいからユーモアがストレートに伝わってくる。

俺は俺だ、ドーダ! 東海林さだお「もっとコロッケな日本語を」(文春文庫)_e0016828_22572473.jpg
いつも楽しませてもらっているからたまには、と文庫を買ってみた。
2001年から3年まで「オール読物」に「男の分析学」として連載したもの。

冒頭の「ドーダの人々」が面白い。

人の会話のほとんどは自慢話「ドーダ!」で成り立っている。
「忙し自慢ドーダ!」「著作200冊記念パーテイ。ドーダ!」・・知性も教養も判断力もある人がこういうことをしでかしてしまう。
お百姓さんが、「大根500本出荷記念パーテイ」をやるか?

東大出はナントカして出身大学を話題に(さりげなく)盛り込ませようと健気な苦心をする。
東大出と知り合いであることも「ドーダ!」。
タクシーの運転手は清原を乗せた「ドーダ!」。
有名人を見たことすら「ドーダ!」。

まあ、後は楽しく最後まで読みました。
でも正直なところ銭湯のロビーとかで週刊誌でときどき読むのがいいね。単行本チョット飽きたな。
書中高橋春男との対談「文章の書き方教えます」の中で、「(またかって思わせないように)連載のときと本になったときと、両方考えて書かなきゃいけないから、大変なんですよ」と発言しているけれど。
Commented by hanamaki3 at 2006-08-17 07:50
「ドーダの人々」・・・・・
おかしい。
読んでみたいよ。
Commented by saheizi-inokori at 2006-08-17 09:15
俺はもう読んだぞ、ドーダ!
Commented by sakuraasako at 2006-08-19 20:36
辺見さんの「恥」、get したぞ~、ドーダ!
Commented by saheizi-inokori at 2006-08-19 21:07
まだ読んでないぞ、ドーダ!
Commented by sakuraasako at 2006-08-19 22:06 x
今から読んでやる、ドーダ!
Commented by saheizi-inokori at 2006-08-19 22:43
今日は眠いぞ、ドーダ!
Commented by sakuraasako at 2006-08-19 23:44 x
眠い時は、パソコンなんかで遊んでないで、早く寝なさい!
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by saheizi-inokori | 2006-08-16 23:08 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(7)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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