名調子!小泉武夫「中国怪食紀行 我が輩は”冒険する舌”である」(知恵の森文庫) 

名調子!小泉武夫「中国怪食紀行 我が輩は”冒険する舌”である」(知恵の森文庫) _e0016828_21332498.jpg”味覚人飛行物体”をも自称する”我が輩”は東京農大教授にして名エッセイスト。
地球上のまさにさまざまなところに足を運んで勇猛果敢に食の探検調査を行ってきた。
中でも中国にはひときわ思い入れが強くていらっしゃる。14度に及ぶ中国探検の一端を写真と軽妙な語りで紹介した消夏に最適な一冊だ。

犬、エイ、蛇、野鼠、へっぴり虫の幼虫をはじめとする虫のいろいろ、センザンコウ、ヤシガニ・・ゲテモノということで食べるのではない。食文化の研究として真摯に、しかしずいぶん楽しそうにお食べになりますね。

種類もさまざまだが料理法もさまざま。ナマも当然。食べる部位も捨てるところなんてない。
臭気なるものも読んでいるだけでウーっとなりそうだ。
彼とその仲間で「アラバスター」という臭気測定器を発明、市販されている由。それによると
納豆280 くさや(焼いて)1960 フナ寿司766 おろしニンニク307 に対しシュールストレミングの缶詰8670なる物凄いものの話。これはニシンを発酵させた(特殊なやりかたで)ものでスエーデン特産。

そうなのだ。小泉先生は発酵こそ人類の長い歴史で偉大な食文化を作ってきた叡智だという。熟れ寿司、酒。
白酒という土の穴の中で作られる焼酎のことなど俺は先生の講演で聞いたことがあってももう一度面白く読んだ。

食を研究するということはその土地と人の研究だ。人懐っこく厨房でもどこにでもズカズカ入り込んで一緒に料理をしてしまう先生はたいしたもんだ。
講演を頼んだときにご挨拶をしてレセプションでお近づきを願ったときに妙にヨソヨソしいのでちょっとがっかりした。
こういう本を読んでいるとなんとなく分かる。僻地にとび現場で人々と仲良くなるメンタリテイからするとそのときの俺の態度とか服装・肩書き・・すべて「ケッ!」てなもんだろうね。

名調子!小泉武夫「中国怪食紀行 我が輩は”冒険する舌”である」(知恵の森文庫) _e0016828_2124148.jpg名調子!小泉武夫「中国怪食紀行 我が輩は”冒険する舌”である」(知恵の森文庫) _e0016828_21244514.jpg

さて、本日の華麗なる俺の食生活だ。朝飯は抜いてジムに行った帰りに納豆おろしソバ。夜は冷やし中華。何でこのように具やスープを分けて出すのか、それは謎だ。どうせ直ぐ脱いでしまう上着を持って歩くお父さんみたいなもんか。昔の冷やし中華はマッカな紅しょうががあったもんだ。腹が減っているからズズッズッズとすすりあげると酢がモロ、思わず咳込んで「プフアー」とふきだしたもんだ。カアサン、あの正しい冷やし中華はどこに行ったんでしょうね。
Commented by ふく at 2006-07-29 23:40 x
私も、あの正しい冷やし中華・・好きです。でも、近頃は豪華ですよねー。
それと、つけ麺って、どういう風に食べていいか、いつも迷います。
一緒に出すなら、のせてほしい・・なんて思ってしまいます。
ところで、かつての山下洋輔とかタモリとか坂田明とかの、冷やし中華を守る会はどこへ行ってしまったのでしょう。
紅しょうが、赤いハム、なると、きゅうりにからしべったりの冷やし中華、食べたいですー。。
Commented by poralis at 2006-07-30 01:29 x
25日~27日のブログ しっかり読みました。子供が親を選べないのと同じで、会社にささやかな希望を持ち、人生を託してまじめに働いている 社員は、経営者を選べませんからね・・・ポストにベストは当然のことでしょう。  ここ数日、花火あり、玉手箱あり、イタリアンあり・・多彩でしたこと・・・
我が家の冷やし中華は、紅しょうがもたっぷりのった正当な?ものです。
Commented by 夢八 at 2006-07-30 05:38 x
あの、正しい冷やし中華は、今も大門辺りで健在ですぞ。
最近では、あまり雑誌も取り上げなくなった店ですが、
昔ながらの手打ちめんで、スープも咳き込むくらい、スプーンも
余分にいただいて、すべて飲み干します。
お昼時は、今でも満席で並んでました。
Commented by saheizi-inokori at 2006-07-30 09:08
ふくさん、同好ですね。初めてウン千円の冷やし中華を食べたとき、恐る恐る口に運びましたが冷やしは冷やし、最初から具は上に載せて辛したっぷりがうまいですよね。
Commented by saheizi-inokori at 2006-07-30 09:10
poralisさん、時々新聞などで社員のことを本気で考えている経営者のことが報じられると少しホッとします。
Commented by saheizi-inokori at 2006-07-30 09:13
夢八さんのような本格的麺道を極めている方に認められてオールドフアッション・本格冷やしたちも嬉しがっていると思います。
ムギワラ帽子は流れていってしまいましたが冷やしは大門にせき止められていたとですか。是非再会したいと思います。
Commented by 夢八 at 2006-07-30 15:06 x
佐平次さん、
大門の「集来」と言うお店です。僕は、ここの手打ち麺で、
ワンタンメンをいただきます。
昔ながらに、つゆも麺も、あの頃の味です。

冷やし中華は、必ず、スプーンください、と恥ずかしくても言います。

大門の角から、増上寺に向かって、一本目の路地左に入ります。

「とく山」健在ですね。
西麻布のとく山から出られたお店にはこのところ
2度ばかし。接待のため、写真撮れませんでしたが、
なかなか、評判以上かも。
Commented by saheizi-inokori at 2006-07-30 19:47
夢八さん、ありがとうございます。行って見ます。スプーンくださいと言って。
Commented by tona at 2006-07-31 09:21 x
私は小泉さんの強い胃袋に憧れ何冊か読みました。
本当に何でも挑む面白い先生です。この本も読まなくては。
本当に、何でそばと具が分かれているのでしょうか。
Commented by saheizi-inokori at 2006-07-31 10:56
私は他にも何冊か小泉ホン持っているのですが、チャンと読んだのはこれが初めて。これから他も・・でもいつ?
スープはつけ麺で、と言うのは分かりますがね。カリーは量を按配するとか白いご飯がいいとかいろいろ理由は分かるけれど冷やしはちょっと・・格好つけですかな。
Commented by olivia_becky at 2006-07-31 21:53
日本橋勤務時代よーく行ってた中華屋の冷やし中華毎日のように食べていました~
懐かしい!食べたくなってきた!!!
大門の「集来」気になりますね~(横レスですみません<(_ _)>

発酵こそ人類の長い歴史で偉大な食文化。。。私納豆が苦手だったりします。食べられないことはないんですけどね。臭いがぁぁぁ
Commented by saheizi-inokori at 2006-07-31 22:38
beckyさん、昨日の「あるある大事典」で発酵、特に納豆の若返り効果について特集してましたよ。よくかき回して食べるといいんだって。
「集来」探して食べてきました。地下鉄がいろいろあるのに驚いた。ラーメンも合格です。
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by saheizi-inokori | 2006-07-29 21:39 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(12)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori