恐ろしい?便利?佐々木俊尚「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」(文春新書)
2006年 05月 31日
いまやGoogleを知らない人は少ない。ブログをやっている人は多かれ少なかれGoogleの世話になっている。
しかし、Googleの本当の姿・本当の恐ろしさはどれだけの人が知っているか?「なにか分からないことがあったときとか、おいしい店を探すときは便利だよ」とかちょっと前はブログでもアドレスを入力しなければならなかったけれど「今はGoogleで”梟通信”と検索すれば直ぐ出るよ」なんてね。
実はその”検索機能をつかうことで大抵のことが分かってしまう”ということこそ「Googleが世界を変える」といわれる最大の理由なのだ。
一例が広告。テレビや新聞に高額の広告料金を払って広告をしてもどれだけの人が購買にまで結び付けてみているか。
ITの情報を押さえればユーザーの好み・ライフスタイル・・全てが把握できる。その人にあった広告をタイミングよく配信できる。というよりもはやユーザーが自ら検索機能を使って情報を取りその場で判断してオーダーする。従来のマーケッテイング手法では掬えなかった小さな・まばらな需要をピンポイントで捕まえる。ニーズを持っているほうから近づいてくる。
それはマスコミのあり方だけにとどまらず事業の成り立ち方、販売手法などの全てを変えていく。今までのやり方が通じなくなっていく。後ろにいたものが前に・・あたかも聖書の言葉のようだ。まさにGoogleは現代の神?
何よりも大切なのは「アテンション!」。注目を集めることだ。全世界の人口が有限で「注目量」も有限だとすればいかにして人よりも注目度を高めるかが勝負だ。知識の質、速さ、早さ、創造性。
そういう意味では従来の権威は失われる。組織と個人が対等になっていく。多くの個人や零細な企業にもチャンスを与えてくれる。羽田空港近くで飛行機利用者向けの駐車場を経営している人の実例が面白い。
そういったことがGoogleの「世界中全ての情報をデータベース化して自動的に価値・格付けをしてしまう」という戦略によって引き起こされているといっても過言ではない。
世界中のマス媒体の情報をリアルタイムに収集して編集し流すGoogleニュース
http://news.google.co.jp/nwshp?hl=ja&tab=wn&q=は当初大手新聞社の拒否にあった。各新聞社の編集権の侵害というのが拒否の理由だったが広告料金が取れなくなるというのが本当の理由だ。結局はGoogleの世界を離れて存在していくことは難しいと判断したのか今は読売でも朝日でもGoogleが記事(の見出し)をアップすることを認めている。
Googleの創る世界はばら色だろうか?
中国政府がGoogleに申し入れて中国国内では1000語近くの用語とかHPへのアクセスを制限してしまった。「64天安門事件」とか「法輪功」などの記事は中国国内では見ることができない。
精密な航空写真を見れることもGoogleの驚異的な魅力であるがなぜかアメリカの軍事基地やホワイトハウスは見られないようになっている。韓国やタイ、イギリスなどあちこちの国が国家の安全を脅かすからと抗議しても「この写真は誰でも利用可能なものだから」と応じなかったくせに。
「公平で中立な検索エンジンを提供するのがわれわれの使命だ」というのがGoogleの基本姿勢だったはずなのに。
抜群の技術力と革新的なビジネスモデルを駆使して爆発的な膨張を遂げていくGoogleは結果的に競争者の存在を許さない。
いわば「全ての情報を司る神」になろうとしている。神に逆らってGoogleの世界から追放されればこの世に存在しないのと同じだ。
全ての情報を集めるのにはあと300年必要だと、そういう計算をもしながら今も急速に世界の情報はGoogleに集められつつある。かく申す我が拙きブログの記事でもチエックされているのだ。自動的・機械的であるとしても。
著者は元毎日新聞の社会部記者・「月刊アスキー」編集部。今はフリー。分かりやすい文章だ。
しかし、Googleの本当の姿・本当の恐ろしさはどれだけの人が知っているか?「なにか分からないことがあったときとか、おいしい店を探すときは便利だよ」とかちょっと前はブログでもアドレスを入力しなければならなかったけれど「今はGoogleで”梟通信”と検索すれば直ぐ出るよ」なんてね。
実はその”検索機能をつかうことで大抵のことが分かってしまう”ということこそ「Googleが世界を変える」といわれる最大の理由なのだ。
一例が広告。テレビや新聞に高額の広告料金を払って広告をしてもどれだけの人が購買にまで結び付けてみているか。
ITの情報を押さえればユーザーの好み・ライフスタイル・・全てが把握できる。その人にあった広告をタイミングよく配信できる。というよりもはやユーザーが自ら検索機能を使って情報を取りその場で判断してオーダーする。従来のマーケッテイング手法では掬えなかった小さな・まばらな需要をピンポイントで捕まえる。ニーズを持っているほうから近づいてくる。
それはマスコミのあり方だけにとどまらず事業の成り立ち方、販売手法などの全てを変えていく。今までのやり方が通じなくなっていく。後ろにいたものが前に・・あたかも聖書の言葉のようだ。まさにGoogleは現代の神?
何よりも大切なのは「アテンション!」。注目を集めることだ。全世界の人口が有限で「注目量」も有限だとすればいかにして人よりも注目度を高めるかが勝負だ。知識の質、速さ、早さ、創造性。
そういう意味では従来の権威は失われる。組織と個人が対等になっていく。多くの個人や零細な企業にもチャンスを与えてくれる。羽田空港近くで飛行機利用者向けの駐車場を経営している人の実例が面白い。
そういったことがGoogleの「世界中全ての情報をデータベース化して自動的に価値・格付けをしてしまう」という戦略によって引き起こされているといっても過言ではない。
世界中のマス媒体の情報をリアルタイムに収集して編集し流すGoogleニュース
http://news.google.co.jp/nwshp?hl=ja&tab=wn&q=は当初大手新聞社の拒否にあった。各新聞社の編集権の侵害というのが拒否の理由だったが広告料金が取れなくなるというのが本当の理由だ。結局はGoogleの世界を離れて存在していくことは難しいと判断したのか今は読売でも朝日でもGoogleが記事(の見出し)をアップすることを認めている。
Googleの創る世界はばら色だろうか?
中国政府がGoogleに申し入れて中国国内では1000語近くの用語とかHPへのアクセスを制限してしまった。「64天安門事件」とか「法輪功」などの記事は中国国内では見ることができない。
精密な航空写真を見れることもGoogleの驚異的な魅力であるがなぜかアメリカの軍事基地やホワイトハウスは見られないようになっている。韓国やタイ、イギリスなどあちこちの国が国家の安全を脅かすからと抗議しても「この写真は誰でも利用可能なものだから」と応じなかったくせに。
「公平で中立な検索エンジンを提供するのがわれわれの使命だ」というのがGoogleの基本姿勢だったはずなのに。
抜群の技術力と革新的なビジネスモデルを駆使して爆発的な膨張を遂げていくGoogleは結果的に競争者の存在を許さない。
いわば「全ての情報を司る神」になろうとしている。神に逆らってGoogleの世界から追放されればこの世に存在しないのと同じだ。
全ての情報を集めるのにはあと300年必要だと、そういう計算をもしながら今も急速に世界の情報はGoogleに集められつつある。かく申す我が拙きブログの記事でもチエックされているのだ。自動的・機械的であるとしても。
著者は元毎日新聞の社会部記者・「月刊アスキー」編集部。今はフリー。分かりやすい文章だ。
Tracked
from ライブドアブログアフィリ..
at 2006-06-18 07:17
saheiziさま、ご無沙汰しています。
私も『グーグル Google 既存のビジネスを破壊する』、読みました。
とても読みやすかったですね。
すっかり、引き込まれました。
書評らしきものを、雑記帳ブログの方に、一昨日、投稿したところです。
http://kamimura4401.blogspot.com/2006/05/google.html
>かく申す我が拙きブログの記事でもチエックされているのだ。自動的・機械的であるとしても。
私の小説ブログ、中国から読めないそうです。
中国駐在の後輩に聞いてビックリしました。
Googleのチェックはここまで延びていたか!って感じですね。
驚きです。
私も『グーグル Google 既存のビジネスを破壊する』、読みました。
とても読みやすかったですね。
すっかり、引き込まれました。
書評らしきものを、雑記帳ブログの方に、一昨日、投稿したところです。
http://kamimura4401.blogspot.com/2006/05/google.html
>かく申す我が拙きブログの記事でもチエックされているのだ。自動的・機械的であるとしても。
私の小説ブログ、中国から読めないそうです。
中国駐在の後輩に聞いてビックリしました。
Googleのチェックはここまで延びていたか!って感じですね。
驚きです。
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at 2006-06-01 01:06
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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saheizi-inokori at 2006-06-01 08:33
ちゃめさん、久しぶりです。そちらに書き込むのが難しい。もう少し私見たいな人間にも使いやすいITであって欲しい。でもセキュリテイやらナンやらが大変なのでしょう。
中国からアクセスできない、ひどいですね。私のブログは香港からは読めるそうですが。
中国からアクセスできない、ひどいですね。私のブログは香港からは読めるそうですが。
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saheizi-inokori at 2006-06-01 08:34
naoさん、私も残念でしたよ。他の人たちとブログ談義が盛り上がりました。
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olivia_becky at 2006-06-01 16:53
こんな本が売っているんですね~面白そうです。
私のブログも一日一回Googleから検索していらっしゃる方がいます。
ここを使わない日はないかも、くらい活用していますね、そういえば。
Google、中国は規制が厳しいですよね。
香港からはしっかりsaheiziさんのページ見られましたよ!大連、上海は厳しいと伺いました。(timingで入れる!と友人は言っていましたが、timingって・・・)
私のブログも一日一回Googleから検索していらっしゃる方がいます。
ここを使わない日はないかも、くらい活用していますね、そういえば。
Google、中国は規制が厳しいですよね。
香港からはしっかりsaheiziさんのページ見られましたよ!大連、上海は厳しいと伺いました。(timingで入れる!と友人は言っていましたが、timingって・・・)
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saheizi-inokori at 2006-06-01 22:38
beckyさん、Googleは空気みたいな存在になってきたかもしれませんね。それだけに汚染しないように願いたいです。
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selgae at 2006-06-02 09:07
おはようございます。
不肖、Googleニュース(日本版BETA)を結構使っておりますが、ブン屋さんとそのような経緯があったのですね(汗)。たまにリンクが無効になっていたりしますが、それなりに重宝しておりました。
それと佐平次さんご指摘の「航空写真」とは、おそらく「Google Earth」のことかな?と推察します。これ「滅茶苦茶重たい?」と感じる不肖ですが、不肖のハードウエアや回線が悪いのか、殆ど使っていません(苦笑)。
「Google Earth]をサクサク使える環境とは、どんなものなのでしょう?
不肖、Googleニュース(日本版BETA)を結構使っておりますが、ブン屋さんとそのような経緯があったのですね(汗)。たまにリンクが無効になっていたりしますが、それなりに重宝しておりました。
それと佐平次さんご指摘の「航空写真」とは、おそらく「Google Earth」のことかな?と推察します。これ「滅茶苦茶重たい?」と感じる不肖ですが、不肖のハードウエアや回線が悪いのか、殆ど使っていません(苦笑)。
「Google Earth]をサクサク使える環境とは、どんなものなのでしょう?
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美結
at 2006-06-02 15:53
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わたしは新書の『ウェブ進化論』を読んで、Googleの現状を知りました。
でも、どこか懐疑的に思っています。
でも、どこか懐疑的に思っています。
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saheizi-inokori at 2006-06-03 20:30
selgaeさん、留守にしていて返信遅れました。GoogoleEarthとmapです。私も重いのあまり利用しません。先日若い人たちと話していたらなんだかもっと早くみることができるようなことを言ってました。今度よく聴いて見ます。
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saheizi-inokori at 2006-06-03 20:31
美結さん、「ウエブ進化論」よりこの本のほうが批判的な部分もよりはっきりと書いています。
by saheizi-inokori
| 2006-05-31 21:03
| 今週の1冊、又は2・3冊
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