目良誠二郎(文)石井勉(絵) 「非暴力で平和を求める人たち」(大月書店)
2006年 05月 28日
1916年にアメリカ初の女性国会議員になったジャネット・ランキン。彼女は第一次、第二次、の二回ともアメリカの戦争参加に反対した。とくに第二次のときは、日本の真珠湾攻撃でアメリカ中が怒りまくっているさなか 388対1、たったひとりの反対だった。彼女の言葉
戦争に勝者はいない
リーが国会で頑張っている頃、ケイテイ・シエラという15歳の女子高校生も戦争反対のTシャツを着たりビラ配りをして反戦の意思を明らかにした。学校当局は彼女を停学にする。彼女の家は軍人も多く親たちは戦争に賛成だったけれど「娘には憲法で保証された言論・表現の自由がある」といってケイテイの裁判闘争を支援する(裁判は学校側が勝つ)。
このように”自分一人でも・戦争という手段はどんな場合でも間違っている・との自分の良心に従い・非暴力で・戦争勢力と戦ったひとやグループ”を16事例紹介した絵本だ。一例見開き2頁づつふりがなつきだ。
ガンジーのように超有名人もいるが「核実験場とされた南太平洋の島々に住む先住民族の女性被爆者たち」とか「徴兵制時代の日本でキリスト者として兵役拒否をした矢部という青年(看護兵になった)」などの無名の人も多い。
そもそもが「沖縄・伊江島で米軍に非暴力の抵抗を貫き沖縄返還までに基地の半分を取り戻した阿波根昌鴻(あばごんしょうこう)」のことを寡聞にして知らなかった俺にこの絵本の存在を教えてくれる人がいなかったら俺は知らないままであったような人や人生がたくさん載っている。
「世界がもし100人の村だったら・・」というベストセラーが「成長の限界」の著者代表であった、ドネラ・メドウズのいわば遺言ともいえるコラムだったということもこの絵本で知る。
日本の憲法改正が現実のスケジュールにのぼり、そこでは第9条のあり方が主要なテーマになる。日本の安全や国際社会に対する義務を考えるに際して様ざまな立場・考え方がありうると思う。なにが現実的か、ということも大事な視点だ。
この絵本に登場する人々のようにたった一人になっても戦っている人々がいるということも重要な”現実”だと思う。
陸軍大佐の妻としていつも懐剣を枕頭にやすんでいた祖母。引揚げの苦労・恐怖を語り「子供たちが戦争に行くことを考えたら狂いそうになる」とポツリと洩らした亡母。
亡くなった人々の思い出だとて感傷として捨て去ることは許されない。そのような事実があったことは消去することが出来ない。紛れもなく重い重い現実そのものであったし、現代の親たちがそう変わった考え方をするとも思えない。
想像力の問題ではあるけれど。
インターネットで注文していた本がようやく届いた。 それがこの本です。 平和と戦争の絵本シリーズ『〈4〉非暴力で平和をもとめる人たち 』 ・目良 誠二郎【文】・石井 勉【絵】 大月書店 (2003-02-20出版) ネット友だちの佐平次さんがご自分のブログで紹介していて、それで我が家でも注文したのです。この本は絵本です。小学生向けに分かりやすく書かれていますがその内容は大人も読むべき本だなと感じました。特に自分のような無知な人間は知らないことばかりです。でも、平和を願う気持ちは同じ。どうして...... more
不正なるブッシュの戦に現役の日系中尉の加担拒みぬ 憲法を愛するがゆゑそを侵す戦拒まむWatada中尉の * 声明 エレン・ワタダ中尉 2006年6月7日 家族、友人、信仰心篤い地域のみなさん、マスコミのみなさん、そしてすべてのアメリカ人同胞のみなさん。本日はおこしいただき、ありがとうございます。 私はエレン・ワタダと申します。アメリカ合衆国陸軍中尉であり、3年間服務しています。 合衆国陸軍の将校として、重大な不正義に対して声を上げることは自分の義務で...... more
いつもながらの的確な評に、今回だけは著者として感激いたしました。
ありがとうございました。
意見も言わずして、結果に陰で不満をいう。
意見を言い、社会を変えていく、あるいは社会が変わったという経験も乏しいように思います。
この本、ぜひ読んでみたいです。
こういう本を世に出すことも、非暴力で平和を求めることにつながりますね。
本当に戦争はよくないと思う。特に親を失った子供さんとかを見るとたまらない。
ありがとうございます。
シーサイドさん、お嬢さんはおいくつでしょうか。
今までの経験では、小学校3年のお子さんに読み聞かせてくださった方がよかったと言ってくださいました。
出来ないと思うのですが。美しい自然(大切な人)があったら、これを失いたくないと思うのが人ではないのでしょうか?
わが娘もsaheiziさんの隠れファンです。
本私も読みます。そして小学生のお子さんをお持ちの友人にプレゼントします。
5刷りになったばかりですが、いま見たら、
<Amazon.co.jp ランキング 本で5,467位 >になっていました。
たぶん、佐平次さんの紹介が出る前は10何万位だったんじゃないでしょうか。
「戦争に勝者はいない」深くて強い言葉ですね。
自分の子どもたちが生きていくこの世界に、
戦争がないことを祈ることしかできない自分がなさけない。
せめて、声に出して、言える母でありたい。
憲法九条を死守することが、今の子を持つ親の最後の砦?
そんな気がしています。
日本は戦争をしない国、そう決めたはず。
TBもさせてもらいましたよん~
アメリカで現役の中尉が始めてイラク侵略戦争に抗議して、イラク派遣命令を拒否しました。しかも、日系の27歳の青年です。
拙い歌を詠みましたので、TBさせていただきました。
<非暴力による平和をめざす>画期になるかもしれませんね。
ネットの海は航海しやすいですね。時間も距離もない航海可能の海。
このblog記事の伝播の速いこと!
『非暴力で...』にまた一人登場すべき人が現れましたね。髭のおかげでLt.Watadaの「道理に則して生きる」という決然とした宣言を知ることができましたね。
自国の憲法を最高の行動規範として生きる国民が非難されたり、憲法が邪魔だと公然とこれを破壊しようとする政府の下で生きざるを得ない私たちに、『無理がとおれば道理引っ込む』としてはいけないと警鐘を鳴らしてくれたように思います。オリジナルblogのタイトル:Thank you, Lt Watadaに共感しています。
このすばらしい「絵本」をblog上で採り上げられて、親密なお仲間に広められた慧眼に乾杯!
寄席で聴く噺家の社会時評を思わせるあなたの文体はとても魅力的ですね。