飛べよ！おっさん 「フライ，ダデイ，フライ」 「スター・ウオーズ エピソード３」

俺はこの手の映画に弱い。涙腺がすぐに緩んでしまう。「ミリオンダラー・ベビー」のような映画でも主人公が死ぬところより、試合に勝って喜ぶ場面で泣けてしまう。

娘を不良高校生（父親が石原竜太郎という名の有力政治家）に乱暴されたエリートサラリーマン。暴力と権力に脅されて泣き寝入りするかと思いきや、落ちこぼれ高校生グループの支援の下、肉体改造・戦い方を学び・・・。

師匠になるのはグループの頭目・在日高校生（岡田准一演）。彼がなかなかいい。暗い過去と訣別して”何者にも負けない”戦い方を身につけているが、生きていく寂しさを克服できたわけでもなく、鳥のように”飛翔”することを夢見る。オッサンに「強くなって俺を守ってくれよ」ボソッという。つい本音がでてしまったかのように。

全体に劇画を見るようなタッチ。コミカルにオッサンのトレーニングぶりを描く。オッサンは人としても成長していく。爽やかで、楽しくて。「スター・ウｵーズ　エピソード３」より、面白かった。この監督（成島　出）、黒澤が好きなんだろうなあ。黒澤の映画を思い出すような（全く漫画チックなのだが）場面があった。パロデイで遊んでいるのかも。もうひとつ、”バスの乗客たち”という、脇役たちのサイドストーリーがある。全然説明されないがみんな何かを抱えて生きている、訳ありというか駄目中年おじさんたち。フアンタジーみたいな、バスと乗客たち。結構おもしろい。

「スター・・」は、今年４月に３３歳でガン死した、奥山貴宏が、もし生きていたら今年したいことのひとつが、この映画を見ることと書きのこしていた（「３２歳ガン漂流　Ｅｖｏｌｕｔｉｏｎ」）ので、彼の代わりに見に行ってやったのだが、疲れる割にイマイチ。火山の星で死闘する場面は迫力あったけれど。今の世界があのシーンのように足元にどろどろの溶岩流が流れる中で意味のない戦いを繰り広げているのだ、という暗示？





この写真はポスターを携帯で撮影したものを編集機能（パソコン側）なるものでいじりました。初めての経験．ＨＥＬＰ見ながら。ヘンですねえ。周りのいろいろを塗りつぶしたのですが口紅がはみ出したみたい。まるでポスター破いてきたみたい。