愛する人の死を本当に悟るとき

バスの接近情報を見ると、四つ前の停留所に接近中、時間にして10分、アキレスと亀の話を思いながら速足で歩いて、二つ先の停留所で追いつかれた。
用賀で降りる。

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先週行ってみたら休みだったカフエ。
民家を改造して焙煎機をそなえた店、靴を脱いで「おじゃまします。あの、本を読んでもいいですか」。
うまいクッキーとビスタチオがついてくる。
たっぷりのコーヒー(デカフエ)が、マイルドで僕の好みだ。

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(不ぞろいのさくらんぼ、安く買ってきてもらつた)

『失われた時を求めて』をゆっくり読んだ。
「私」はバルベックを再訪、いまや懐かしい場所となったグランドホテルに投宿する。
疲れ切って靴を脱ごうと身をかがめたとたん、
私の胸はある未知の神々しい存在に満たされてふくれあがり、嗚咽が身体を揺り動かし、涙がはらはらと目からあふれ出た。
「私」は、「無意志的で完全な記憶のなかに」、今は亡き祖母の「生き生きとした現実」を見出す。
そのリアルとは、
私を助けにかけつけて、魂の枯渇から救い出してくれた存在、それは数年前、同じような悲嘆と孤独に襲われて自分をことごとく失ってしまった瞬間に、とつぜん入りこんできて私を私自身に返してくれた存在だった。なぜならそれは私であるとともに、私以上のものだったからだ(中身を上まわる容器、しかも私にその中身をもたらしてくれた容器である)。

「私」は「祖母の両腕のなかに飛びこんでいきたいという狂ったような欲望にかられながら」、祖母の死から一年以上もたって、
はじめて祖母が死んだのを知った。
「私」は生前、祖母を抱きしめたい思いで矢も楯もたまらなくなっていた瞬間を思い出す。
そして、もう何時間待ってもけっして祖母がやって来てはくれないことを発見したのだ。
はじめて祖母のことを、生き生きとした、本物の、張りさけんばかりに私の心をいっぱいにする人と感じ、つまりはようやく彼女を見出しながら、永遠に祖母を失ったのを悟ったところだった。
永遠に失ってしまったのだ。
それから「私」は、祖母の最期の苦痛を追体験する。
ママンの悲しみを理解する。

僕にも思い当たることが切々と語られる。

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「ごゆっくり読めましたか」「はい、ありがとう、お菓子も美味しかったです。ビスタチオは散歩のときにポケットに入れてくるので、追加して食べました」

いつもと違う道、いぜん銭湯に来たときに歩いた道を行ってみたら、大谷さま命の美容院。

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この時期になるとまた見られた凌霄花。

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真福寺の芭蕉の句碑「みちの辺の木槿は馬に食われけり」も久しぶり。


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高市政権を「戦後最悪の政権」と断ずる日本を代表する社会学者・山口一男




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Commented by jyariko-2 at 2026-06-16 11:41
最近祖母のことを思い出したりふと浮かんだりすることが多くなり
その度にもっともっと話を聞いておけば良かったと思うばかりです
そして自分も祖母なんだよなーって

現政権何故支持率高いのでしょう
Commented by saheizi-inokori at 2026-06-16 17:15
> jyariko-2さん、祖母、妻、母、父、亡くなった人みんなにそう思います。
あんな嘘つきの政権、顔を見るだけでも嫌なのに、ねえ。
Commented by chronoir2023 at 2026-06-16 21:15
「僕にも思い当たることが切々と語られる」
プルーストの引用も佐平次さんのこの言葉も切々と胸に響きます。
心残りでいっぱい、その気持ちが蘇り、胸を刺します。
Commented by saheizi-inokori at 2026-06-16 22:15
> chronoir2023さん、死なれて、しかも時を経てはじめていかに大きな存在を失ったのか、それに気づく。
それこそ本当の死に気づく時なのですね。私はいまだに何人もの死に気づきつつあります。
Commented by at 2026-06-17 06:36
>みちの辺の木槿は馬に食われけり
さまざまな解釈・議論を呼んでいる句ですね。
旅上の一景で禅味を感じます。

Commented by hanarenge2 at 2026-06-17 06:48
記事を拝読しながら 亡き父母の事が走馬灯のように目の前に浮かびます
そこから 叔父 叔母 伯父のことなども
遠い昔の事が色鮮やかに蘇ります
懐かしく 切なく また嬉しく思い出されます
Commented by saheizi-inokori at 2026-06-17 09:41
> 福さん、甲州街道沿いの商人がこの句碑を作って、それがこの寺に移されて、それを私が見る。
なんかいいですね^^。
Commented by saheizi-inokori at 2026-06-17 09:42
> hanarenge2さん、永遠の不在を感じて、わあっと叫びたくなる思いにかられます。
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by saheizi-inokori | 2026-06-16 10:21 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(8)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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