ソドムに住む人

スナップエンドウと玉ねぎの味噌汁の煮えばなに玉子を落としいれる。
チンした冷凍ご飯には納豆をかける。
納豆を混ぜるときはなにか水分を垂らしてやるとうまくなる。
水でもいいが、リンゴ酢とか寿し酢、きのうの副菜小鉢のニンジンラぺの汁を垂らすのもよろしい。
納豆かけご飯を半分食ったところで、味噌汁の半分くらいに残っている半分ならぬ四分の一熟玉子をご飯にかけて納豆玉子かけご飯にする。
ごはん茶碗の底に玉子がくっついていたら、お茶をいれて飲む。
納豆のネバネバもとれて茶碗を洗う時の手間も省ける。
カミさんが留守だったきのうの昼飯。
こういうのが一番好きだ。

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うまい昼飯を食って散歩に出た。
等々力までのとちゅうの農園の無人スタンドにヤマモモが売られていたが、残念なるかな、お金を持たずに出てしまった。
持って出ると使わないし、だからおいて出るとこういうことがある、あるあるだね。

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(金剛寺)

等々力に行くか上野毛に行くか迷ったあげく、等々力に向かってみたがどこにも行きたいところがない、やってきた渋谷行きバスにのって、うちに帰ろうかと迷っているうちに駒沢まで行ってしまう。
そうだ、何年か前に、朝の別所哲也の番組で聞いて探していったカフエに行ってみよう。
二階、1DKのマンションを改造したような店、あのときは満員で、しばらく下で待っていたが、きのうは四つある卓の三つが空いていた。

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水のコップとコーヒーカップの色の感じが部屋の色調・雰囲気とマッチして、とてもよろしい。
LPが回って、静かに、、ジャズだろうか、心地良い音楽が流れている。
優しげな若い女性がひとり静かに自分の小部屋のように営む店だ。

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『失われた時を求めて 7』、第四編「ソドムとゴモラ Ⅰ」(鈴木道彦訳)を開く。
新しい巻を開く時はいつもワクワクする。
「ソドムとゴモラ」とは、旧約聖書「創世記」に出てくる罪深い町、エホバは天から硫黄と火を降らせて焼き払った。
罪とは異説もあるけれど、ふつうは同性愛を指し、プルーストもその意味で使っている。
自身が同性愛者でユダヤ系でもあったプルーストが、この小説を書いた主要な動機に同性愛の問題がある。
とうじタブーとされていた同性愛について真っ向から書くのは、たいへんな勇気と覚悟が必要だった。

「ソドムとゴモラ」第一部が出版された1921年にプルーストはなんどかアンドレ・ジッドに会って、そのたびに同性愛について熱心に話し合ったことがジッドの日記に記されている。
チャット君によると、ジッドは従妹のマドレーヌと結婚していたが、若い男性への性的関心を終生持ちつづけ、「率直に、同性愛を人間の自然なあり方として肯定しようとした」そうだ。

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「私」は偶然、シャルリュス男爵が元チョッキ職人ジュピヤンと出遭い、そのまま二人で部屋に消え、不明瞭な音、非常に激しく、、たえずそれと平行した一オクターヴ高いうめき声を聴き、、そのあと部屋を出てきた二人の会話、男爵の同性愛経験談やどうやら「私」をその対象として、憧れているような話を聞いてしまう。
このくだり、頁数にして18頁は生々しい。

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そのはじめの方で、ヴィルパリジ夫人のところから一人で出てきて、だれにも見られていないと思ってか、
私がシャルリュス氏のために残念に思うのは、彼の顏にはあんなに無邪気に温和さや人の好さの広がっているのが見られたのに、ふだんは数々の暴力的な行為、人の気を悪くさせる奇矯な振舞い、たくさんの陰口、きびしさ、怒りっぽさ、尊大さなどで、それが歪められており、芝居がかった粗暴さの下に隠されていることだった。陽ざしにまばたきをしながら、彼はほとんど微笑んでいるように見えた。私はそんなふうにくつろいでいる自然のままの彼の顔を目にして、なにかあまりに愛情深い、無防備のものをそこに見出したので、もしも人に見られていると知ったなら、シャルリュス氏はどんなにか腹を立てるだろう、と考えないわけにはいかなかった。
というのも、この男が私に連想させたもの、あれほど男らしさに夢中になり、あれほどそれを誇りにしている彼、だれもかれもがけがらわしい女みたいになったようだとうそぶく彼が、不意に私に連想させたもの―それほどまでに彼は一時的にその特徴や表情や微笑を身につけていたのであるが―それはひとりの女だったからだ。

シャルリュス男爵とジュピヤンの生々しい18頁に続いて、同性愛者の心理、言動、社会とのかかわりなどの特徴について、延々とプルーストの分析が続く。
時代が変わって同性愛に対する人々の見方も変わったようだが、まだまだどこかに変わらないものがある。
だから百年前のプルーストの分析が古臭いとは感じられない。

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駒沢から桜新町を経て自宅まで歩いた。
8265歩。
手洗い洗濯とタライの汚れ落とし、浴槽の掃除をする。

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Commented by k_hankichi at 2026-06-10 10:34
「無計画の計画」的な散策、良いですね!
ヤマモモも買いたくなりますね。初めての喫茶店での読書もまた楽しからずや。
Commented by saheizi-inokori at 2026-06-10 10:47
> k_hankichiさん、飽きっぽいものですから、うろうろしてます。
Commented by barnes_and_noble at 2026-06-10 11:59
私、以前に「プルーストの作品を読みたい」とコメントしましたが、根気がないので、読めそうにありません。
saheiziさんのブログで、読んだ気になることにしました(涙)。
Commented by saheizi-inokori at 2026-06-10 12:30
> barnes_and_nobleさん、全部読もうとしないで最初の一冊、その一部だけでも読まれたらいいと思います。そういうことが可能な作品だと思いますよ。
Commented by tsunojirushi at 2026-06-10 15:03
山桃、ちょっと見にゆきたい♡ どの辺りか差し支えなければ教えてください。
Commented by saheizi-inokori at 2026-06-10 17:11
> tsunojirushiさん、等々力駅からいうと、深沢に向かってバス通りの二つ左をのぼっていった、左側にある農園です。
まだあるかな^^。
Commented by tokidokiashibue at 2026-06-10 21:35
カミさんは私が日中留守のとき、昼にテレビ見ながら「納豆玉子かけご飯」を食べるのが一番の楽しみだと言ってます。saheiziさんの奥様もあんがいそうだったりして……。
Commented by unjaku at 2026-06-10 21:43
同性愛か・・・高校生の頃文芸部のメンバーと侃々諤々と議論したなぁ。
その後は、あんなにまじめに口角泡飛ばして話し合ったことは、誰とも一度もない。
Commented by saheizi-inokori at 2026-06-11 09:56
> tokidokiashibueさん、そうならいいのですが、身体にイイと勧めているのです。
玉子って、なんであんなに心やさしい味がするんでしょうね。
Commented by saheizi-inokori at 2026-06-11 09:58
> unjakuさん、その頃は否定的、不道徳的という見方もあったのではないでしょうか。
気持悪い、というのが多数派?
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by saheizi-inokori | 2026-06-10 09:59 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(10)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori
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