『失われた時を求めて』という小説

僕は寝相がいい。
暑いからといって手足を布団の外にだすなんてことはしない。
まして布団を跳ね飛ばして、なんて考えられない。
おとといのような暑い晩もきちんと布団を首までかけて寝ている。
だから汗をかくし、カイカイが亢進する。
どう言うわけかいつも就眠儀式のようにやるニガヨードラの呼吸法もやらずに寝たこともあってか、一晩中半覚醒の状態だった。

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起きているにしては理窟にあわない、現実にはないことをなんどもなんどもしつこく考え続けたり恐れている。
そのことを半分自覚しつつ、だから今俺は眠っているのだ夢をみているのだと、がむしゃらに布団をかぶるようにして目をつぶりつづけた。
いつもだと中途覚醒のときもヨガニ―ドラが効き目があるので、それをやらなきゃと思いながらも、なぜかやらないまま朝を迎えた。

寝不足のまま起きて、汗に濡れたダウンの薄い布団を夏用の薄い綿の上掛けに変える支度をした。
それで、昨夜は夏使用の上掛けで寝たらすぐ寝つけたが、4時に目が覚めて2時間ほど眠れず、朝方とろとろとして寝坊をしてしまった。

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三時過ぎに散歩に出た。
顏と首に日焼け止めを塗る。
そうしなかったら、夜中に顔が痒くてたまらなくなって、それ以来ちょっとの時間でも塗るようにしている。

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5000歩ギリギリ歩いて帰宅する。

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『失われた時を求めて』五巻を読了、六巻「ゲルマン家の方へⅡ」を読み始める。

一巻を読み始めたのは、大腸のポリープ切除で入院していた二月の末だからほぼ3カ月で13巻のうち5巻を読んだことになる。
この調子を維持できれば、あと5か月弱で全巻読めることになる。
途中下車で浮気したのは「チェロ湖」(これは厚い本だった)と「アメリカの新右翼」(面白かった)、それに松本旅行中は「プルースト 読書の喜び」(途中まで)を読んでいた。
別に年内に読み終えなくてもいいのだが、あるていどのスピードもないと、小説全体としての味わいがうすくなるかもしれない。

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五巻の巻末に、鈴村和成が「ゲルマントという主題」というエッセイを書いている。
そこで彼は
読む人の人生とともに変化し、成長し、深まってゆく書物がある。私にとってプルーストとはそうした作家である。
とし、
マラルメが構想し、ボルヘスが夢見た、世界を包摂する書物
とも言い、
一日に半ページずつ読み進むプルーストと、一日に一巻をよみあげるプルーストと、―読む速度に応じてプルーストは、それぞれ違った魅力を見せてくれる。(略)
早く読むのは全体のあらましを俯瞰するのに都合よく、ゆっくり読むのはディテールを味読し、複雑な構文や物語の迷路にさ迷うのに都合がいい。前者は作者マルセル・プルーストの立場に立つ読み方、後者は登場人物、とりわけ主人公であり語り手である「私」と一体化する読み方だ。

僕の今の読み方は、その中間、作者と「私」の双方の立場を行ったり来たり、というところかな。
一日5ページの日もあり、100ページ近く読む日もあり。

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これから読む六巻の巻末には、四方田犬彦が「わが友ブロック」というエッセイで、
ひょっとしてこれは、同性愛者でありユダヤ系でもあった作者が、もし自分とほとんど等身大の人物が同時代にいて、同性愛者でもなく、またユダヤ人でもなかったとしたらと仮定して執筆した作品ではなかっただろうか。自分が内側からしか体験することのできないこの二重のスティグマ(汚点)を、世間の多くの人たちが無自覚的に踏襲しているように、完全に外側から眺めてみたとしたら、いったい何がいえるだろうか。おそらくプルーストの脳裏にあったのは、こうした方法論であったように思われる。
と書き、本書におけるフランス社会とそのなかのユダヤ人の存在のあり方を、日本における在日朝鮮人の人間的実存とそれを取り巻く日本社会のあり方に重ねて読むことが日本人にとつて独自の意味を持つのではないかと提起している。
本書の翻訳家・鈴木道彦は1960年代に在日朝鮮人の犯罪に深い関心を抱き、日本社会のあり方につい在日朝鮮人を擁護する立場から積極的な発言をしてきたのだという。

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Commented by unjaku at 2026-05-20 07:35
おはようございます。
私の寝相は、よろしくありません。
なので旅先では、ベッドから落ちたり致します。
それより今回ご紹介いただいた本の表紙絵が、なかなかに刺激的でありまして、
細かく丁寧に観察させていただきました。
そして、このような部屋では絶対に眠れないという結論に達したのでした。
あ・・二人にとっては、眠る必要がない時間だったのでしょうね。
Commented by saheizi-inokori at 2026-05-20 11:23
> unjakuさん、大腿骨骨折をなさらないように。
表紙絵はキース・ヴァン・ドンゲン、原書の挿絵から取ったもののようです。
この二人がこのあとどうなるのか、それはまだ読んでいません。

Commented by unjaku at 2026-05-20 12:57
saheijiさん
もう一度、股関節骨折はやっているのですよ。
最近の足の不安定さは、この時の手術が原因かな?とも
思っています。
もうあれから十数年。人工関節に取り換える時期も来ているのですが。
やりたくないので、我慢しています。
Commented by saheizi-inokori at 2026-05-20 13:34
> unjakuさん、おやまあ!それはそれは。
それならなおさら、拘束具?畳に布団がいいかも。
Commented by Diary-17 at 2026-06-01 18:07
こんにちは、拙い私のブログにイイネを有り難うございます。
プルーストの失われた時を求めては完読すると名刺に書き込めるなどと言うジョークがある程読解が難しいそうです。
何せ私も随分前に読み始めた事がありましたが、途中で挫折⋯でも再び挑戦しようと思っています。数年前にプルースト生誕記念のイベントがあちこちでありノルマンディーでの彼が避暑に通ったホテルを訪れてみたり、プルースト展にも足を運び彼がいた時代背景なども含めて理解して読書を楽しもうと思いました。特にプルースト展は興味深かったです。ノルマンディー行きの列車が発車する駅を通る度に100年前のその頃の駅とプルーストを思います。
Commented by saheizi-inokori at 2026-06-01 18:23
> Diary-17さん、ヨーロッパに滞在経験がある方はプルーストをよりたのしめそうですね。
カレル橋は、私も近くに一泊だけしましたよ。
Commented by Diary-17 at 2026-06-01 18:34
ヨーロッパ社会の構造が解ると読み易くもあります.プルーストの家庭は裕福な家庭だったので大人と子供の生活が違いますね.例えば子供達は両親と食事を一緒にしないetc 現代とはかなり違った世界でした。

ところで、駒沢公園のお近くなのですね。懐かしいです。
Commented by saheizi-inokori at 2026-06-02 10:18
> Diary-17さん、「私」が妙に子どもだったり成熟した大人になったり、語り口が変化するのも面白いです。
駒沢公園でジョギングするのが楽しみでここに引っ越したのですが、心臓をやられて走らなくなりました。
なにごとも思うようにはなりませんね。
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by saheizi-inokori | 2026-05-19 10:03 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(8)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori