現場第一はなぜ難しいか

日曜午後の散歩は、白薔薇の家を曲がって吞川緑道をくだる。

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こちらも花盛りだ。
暑くもなく寒くもなく、こんな陽気がいつまで続くのか。
そう思っているうちから、ちょっと汗ばんでくる。

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自転車の前の籠に赤いカーネーションの花をのぞかせて、左手で小さなケーキの箱をぶら下げたおっさんが、心なしか肩をあげて嬉しそうな気配を漂わせて追い抜いていく。
一人住まいか、それとも施設に入ってでもいるのだろうか、お母さんも嬉しいだろうな。

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気持がよいので、目黒区民センターまで歩く。

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カフエにもよらず、お握りもなし。
寝坊したので昼飯抜き、ちょっと空腹がいちばん快適なのだ。

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経営者が「現場第一主義」を(口にしても)、なかなかそれが実際に実行しがたいのはなぜか?
やつても単なる現場の人気取りになつてしまうのはなぜか?

とくに創業者でない、大組織のなかで這い上がってきたトップには現場第一を貫くのが難しい。

現場第一の「第一」とは、何に対する第一なのか。
経営学的にはいろんな言い方ができるのだろうが、支社のトップをやっていた僕は簡単に「管理部門の都合より現場の都合を優先させる」、そして「本社や支社の管理組織の決定や指示は、現場の実態に即し、現場をじっさいに良くするものでなければならない。
また現場の士気が組織の円滑な運営に不可欠であるから、管理組織は常に現場の人たちと血の通った意思疎通を図らなければならない」ととらえていた。

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それはあたりまえのことのようだが、現実には管理組織というものは、まま現場実態に合わない決定や指示を平気で行う。
指示された側の中間管理職や現場の管理者は、上に逆らうのを避けて、唯々諾々と従うか、(実行不可能な場合は)従ったふりをする。
彼らはまた、是正すべき現場の問題点を積極的に上にあげようとせず「私の持ち場・現場はうまくいってます」という「競争」をするのだ。
愚痴をいう管理者は能力が低いと見なされるからだ。

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(たいくつだワン)

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(通りかかったお姉さん、もつと遊んで!)

こんな(大)組織の経営幹部たちは、自分の目で現場を見て歩く機会は限られるうえに、その機会も多くは「問題はありません」の合唱のうちに儀式として行われる。
問題としてあげられるのは、限られた予算のうちから少しでも私の方にまわしてくれという陳情が多く、本社組織内の無能や無知や無責任、それによる誤謬が糾弾されることは極めて少ない。

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本社や支社の幹部は、身の回りの「優秀な」「説明能力に長けた」「保身にも長けた」連中の話を聞いて物事の判断をする。
その連中は、天に唾することなくブーメランを恐れて「大勢において、現場はうまくいっていて、管理部門(自分たち)の決定や指示は妥当と思われる」の合唱となる。

経営幹部が、こういうことの積み重ねを打破して、現場第一を貫こうとすると、身の回りの管理組織のボスたちからは嫌われる。
とくに、支社にありながら、いずれ本社のその系統の幹部になろうというエリートのなかには、本社のその系統の批判につながることを云ったりやったりすることを、何よりも恐れる人が少なくない。

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したがって、経営トップが「現場第一主義」を貫き通して、現実に現場をよくするためには、自ら現場に足を運ぶなどして現場の実態を的確に把握することを最大の任務と心がけるとともに、身の回りのご機嫌取り連中から嫌われることやそのために本社に「ご注進!」(誣告)があることも覚悟甘受しなければならない。
これは、言うべくして実際にはなかなか難しいのだ。
そのトップに、現場を良くすることによって会社をよくするのだという使命感と問題の在り処を見抜く能力がなければ、やっても真似事の現場第一となり現場のご機嫌取りにもなってしまうのだ。
現場の実態をよくするということは、現場への愛情とともに、現場の人びとの間違いに対しては毅然としてそれを指摘し(やり方は工夫する)是正させる勇気も必要なのだ。
場合によっては、上からも下からも嫌われることも受忍する胆力も。

なかなか難しいことですね。

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Commented by maya653 at 2026-05-11 14:48
ナフサ不足の問題も、製造現場、建設現場が
廃業に追い込まれるかもしれないほど深刻な状態にもかかわらず
国は不足はないと言っている 酷い話

Commented by open-mind1109 at 2026-05-11 15:21
彫刻の写真、体温を感じるような彫刻というか・・・いいですね~
Commented by saheizi-inokori at 2026-05-11 15:48
> maya653さん、あれは確信犯かもしれませんね。邪悪な狙いが!
Commented by saheizi-inokori at 2026-05-11 15:49
> open-mind1109さん、母の日にいつもと違う方を歩いたらここに出ましたよ。
Commented by chronoir2023 at 2026-05-11 21:33
かつて末端の一社員として実務の現場にいた私としては、
いろいろなことを思い出しながら、大変興味深く拝読しました。
Commented by yossina-lani at 2026-05-12 05:51
4月から勤務している会社は、社長がずっと年下で(おそらく会長も)
面談のとき、社長のお母様と同じ学年のようでした。
そんなだからとても気さくに話かけてくれたりして
3月までの会社と大違いで最初は戸惑いました。

毎日の朝礼でも、3月までは会社の意向を通達
4月からは、成功と失敗、そこから学んだことを
成約が取れた方などが、日替わりで話します。
社長はたいてい失敗談が多く
奥様に対して素直になれない事などで
奥様に対してその言い方は・・・もっと感謝やねぎらいの言葉を言わなきゃ
とハラハラするし、それも進言しました、新人なのに(笑

2か月の試用期間を経て、果たして本採用になるか(パートですが、笑)
仕事もだけど 今後一緒に働ける人か?
を見られているような気がしています。
Commented by saheizi-inokori at 2026-05-12 09:33
> chronoir2023さん、独りよがりのとんちんかんなことを云ってたらご指摘ください、もう手遅れではありますが。
Commented by saheizi-inokori at 2026-05-12 09:54
> yossina-laniさん、いい会社のようですね、本採用になれますように。
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by saheizi-inokori | 2026-05-11 07:00 | 梟のゴタク | Trackback | Comments(8)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori