嫉妬するスワン

きのうは4912歩、すこしづつ歩数を伸ばしているが、インターバル速歩はまだやらない。
「スワン家の方へ』第一部「コンブレ―」は語り手の散歩の場面が多かったから、それで代償していたが、第二部「スワンの恋」は移動はほとんど馬車、だから僕が自分で歩くのを再開しているようなものだ。

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夕方の公園にずいぶん父親の姿が見えると思ったら、日曜日なのだ。

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退院一週間過ぎたので、めでたく浴槽に入る。
やはり、シャワーだけってのは、あじけないな。
足や手の指をそらしたり、握ったり、手と足の握手などの指体操も再開する。
風呂に入らなくてもやればいいのだが、弱虫は靴下を履いているし、風呂に入り「ながら」のながらがないのだ。

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パジャマの手洗い洗濯も四日ほど前に再開、浴槽の掃除もやった。

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少しづつよくなっているようなダッコちゃんが収まればいうことはない。

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「失われた時を求めて」、スワンはヴェルデュラン家のサロンから追い出されて、オデットと会う機会が減る。
彼が追放される直接のきっかけになった、フォルシュヴィル伯爵(オデットが連れてきた)に嫉妬する。
ある晩オデットの家をすげなく追い出されたスワンは、フォルシュヴィルが後からくるのではないか、と自宅から引き返して様子を探るのだ。
すると、やっぱりオデットの窓に明かりがともって、二人の気配がする(あとで違う家だったことがわかるのだが)。

このとき彼の感じていたほとんど快いとも言えるものは、疑惑や苦痛の鎮静とは異なる何かであった。つまりそれは知性の楽しみだつた。(略)いま嫉妬によって蘇ったのは、勤勉な青春時代に彼が持っていたもう一つの能力、すなわち真実への情熱だつた。しかも、それ自体がやはり自分と愛人とのあいだに置かれていて愛人のみからその光を受ける真実、ごく個人的な真実、オデットの行為や、彼女のつきあい、計画、過去などをその唯一の対象とし、それも無限の価値とほとんど利害を離れた美とを備えた対象と見なすような、そういつた真実への情熱だつた。

その真実追求の情熱は「歴史」研究におけるテクストの解読、さまざまな証言の比較検討、記念碑の解釈と変わらない、とプルーストは書く。

スワンをのけ者にして、ヴェルデュラン夫妻(いまやフォルシュヴィルとオデットを結びつけようとする)たちと劇場に行くというのに対して、「そんなくだらない演劇を見るほど最低の精神なのか、そうならもう君を愛せない」みたいなことを、延々というスワン。
(オデットは)話の意味は分からなかったが、この演説が一般的な「お説教」という類いのものであり、非難や泣き落としの場面にはいるものであることは理解できたし、彼女は男づきあいのなかでこういう言葉をたびたび聞いてきたので、その経験から、言葉のこまかい点はともかく、男は惚れていなければこういうことを言わないものだし、惚れている以上それに従う必要はない、従わなければいっそう男が夢中になるだけなのだ、と結論することはできた。
オデットがお金の無心をするのに、いそいそと5千フランをやって、ふと「これが”囲う”ということかな」と否定的に考えたりもするが、つぎの瞬間には来月は6千か7千フランをやってオデットに驚きと喜びを与えなければと考える。
その頃の5千フランは、いまの1000万~1500万円にあたるとチャット君が教えてくれた。

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スワンは、バイロイト音楽祭に行きたいというオデットに、近郊の美しいお城の一つを借りよう、と(愚かにも)いった後、彼女があまり喜ばず行くとも行かないとも言わないのをみて、いっそぴしゃりと断ってくればいい、そして、フォルシュヴィルとヴェルデュラン夫妻を招待するためにお城をひとつ借りたい、その金を無心してくればいい、そうすれば「どんなに喜んでその頼みを拒絶し、復讐の手紙を書くことであろうか」と夢想し、実際にそんな手紙の言葉をあれこれと考え、声に出して読み上げては楽しむ。
ところがなんと、オデットは、そういう手紙をよこすではないか。
スワンは大喜びで、復讐の手紙を持たせるのだ。
それでも、オデットは昔の微笑をうかべる、そうするとスワンはなんであんな手紙を書いたのかと思う。

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スワンの嫉妬、それは
独立した利己的な生活力を持っていて、自分を養うものならなんでも、スワン自身を犠牲にしてでも、むさぼり食ってしまうように、いまや嫉妬は糧を与えられた。
タコが一本目、二本目、三本目とそのもやい綱のような足を伸ばすのに似ていたって、すごいね。

いっぽうでオデットの嘘は、いくらスワンが嘘をつくべきでない理由を並べ立てても、
オデットのうちに、もし嘘についての一般的な方式があれば、こうした理由はそれを崩せたかもしれないが、オデットはそういうものを持っていなかった。彼女はただ、自分のしたことをスワンに知られたくないと思うたびごとに、それをスワンに言わなかっただけなのだ。

いやはや、だな。


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Commented at 2026-03-10 02:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2026-03-10 09:34
> 鍵コメさん、渋谷のおばあさん、ほとんど同い年ですが、人生の先輩だなあ、見習いたい。
ちょっと前まで家のマンションの掃除にきてくれたおばあさんは86歳、同じように明るい美人でした。
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by saheizi-inokori | 2026-03-09 10:30 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(2)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori