文字の横暴

土曜日は大掃除のあと、都立大学へパンを買いに行くのがきまりになってきたな。
着るものに迷うくらい暖かい日差しにインターバル速歩。

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この陽気に誘われてか、親子二人の自転車、ポタリングというのだろうか、の何組にも会う。
父と息子、母と息子、息子が多かったな。
僕は子供と散歩したり、走ったりしたことはあったけれど、自転車は記憶にない。

そういえば、高い外国製のサイクリング自転車を、八ヶ岳のアウトレットで衝動買い(娘にこんな高いのもったいないよ、と止められたのに)して、よ~し、自転車で遠乗りしてやろうと意気込んだ矢先、ペースメーカーの電池切れで交換のため入院する事態になってしまった。
ようやく退院して、しばらくしてマンションの自転車置き場に行ったら、僕の自転車が屋根の外に出されて、錆びだらけ、タイヤもパンクして見る影もなくなっていた。
なんだかもう自転車に乗る気にもなれず、そのまま処分してしまった。
マンションの人たちもひどいけれど、無駄遣いした僕が一番悪い。

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パンを買ったあとは、いつものカフエ。
ほんとは家で昼飯を食うべきなのだが、大掃除のあとの朝飯が11時半くらいなので、こうなってしまう。
無駄遣いができるような育ち方はしなかったのに、貧乏そだちはかえってこういうくだらない無駄遣いをしてしまう。

しかも、バカみたいに甘ったるいフレンチトーストなんか、身体にも悪いだろうに。

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いつもの窓際のカウンターで読んだのは、「ソシュール一般言語学講義」
第3章 第2節 ランガージュに関わる諸事実の中でのラングの位置 の途中から
    第3節 人間固有の事象の中でラングが占める位置。記号学。
第4章 ラングの言語学とパロールの言語学
第5章 ラングの内的要素と外的要素
第6章 文字によるラングの表記
    第1節 この項目を研究する必要性
    第2節 文字表記の威信、音声言語形式に対する文字言語の優位性の原因
    第3節 文字表記の体系
    第4節 文字と発音の間にある不一致の原因
    第5節 不一致の結果
までを読んだ。
厳密に用語の定義をする、その思考についていくのに馴れてエンジンがかかるまで時間がかかる。

個人の脳のなかに蓄えられた刻印の総体という形で、集団のなかに存在しているラング(言語)、集団(共同体)の中でのみ完全な形で存在する。
それは、一冊の辞書があって、その辞書の同じ冊子が個々人に配布されているようなものだ。
各人の中に何かがあって、その何かはすべての人に共通であり、それを保管している人間の意志が及ばない場所におかれているようなもの。

めんどうな言い回しだね。

言語の文字表記は、あたかも実際の顔を写真に撮ったようなものにすぎないのに、実際には音声言語形式より優位に立ってしまう。
その「弊害」を、ソシュールは「文字の横暴」と表し、「表記が大衆に押しつけられることで、ラングにも影響を与えて変化を引き起こすこと」がある、という。
こういういい方には、ちょっと田中克彦を想わせるところがあって、なんとなく楽しくなった。

遅々たる歩みの読書を終えてカフエのレジで勘定をしようとしたら、勘定書きをどこかにしまい失くしてしまう。
席を立つときに、本やメガネやテイッシュなどいろんなものをバタバタとしまうときに、ちゃんと意識しないで沢山あるポケットのどこかに入れたことは間違いないのだが、後の人が待っているので、勘定書きなしで支払って、外に出たら、すぐに見つかった。

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バスに乗る時に、こんどは身障者手帳がポケットから出てこないので、ぐずぐずして後の人を待たせた。
ちょっと前まで、そういう人をみて、なんで乗る前にちゃんと用意しとかないのか、と白い目で見ていた、そんな老人になってしまいましたよ。


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by saheizi-inokori | 2026-02-15 10:50 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(0)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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