舟を造る

夕べは、睡眠薬を飲んだのにも関わらず、眠れなくて、明け方うとうとして悪夢に襲われていた。
それでも資源ごみ(引出しを二つ整理した)を捨てて、ルーティン家事をやり、歯を磨きながらつま先立ち・カカト落としをすると、霊験あらたかで腫れぼったい顔とぼうっとした頭がシャンとしてきた。
このところ、とくに土日と心身共に少々疲れぎみなので、かえって眠れないのかもしれない。
それと、そうだ、きのうの昼は買い物に出たついでにカフエでカフエオレ(カフエインレスがないのだ)を飲んだから、その報いもあるな。

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(あのカフエではない、カルデイの上階にある店)

カフエオレを頼んだら、それを持ってきた男が、「土日はもう一品何か取ってください」という。
そんならオーダーしたときに言えばいいと思ったが、慣れない女の子で云い忘れたのかな。

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昼飯は食って出たから、シフォンケーキを頼んで、それを食いながらカフエオレを飲み、本を読んでいると、まことに口も心も充たされて、いいコンコロモチになった。

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現役時代に、三時のおやつ(誰かのお土産など)を女性社員が出してくれるのを、夜の酒がまずくなるといって、一切断っていた。
コーヒーものまず、ふつうのお茶にしてもらった。
今頃になって、うちにいると、そこらにあるお菓子やマメ類をつまむようになったが、外では自制していた。
ふだん、いい年こいた男が、ケーキやアイスクリームみたいなものを食っているのを、苦々しい想いでみていたのに、やってみると、病みつきになりそうだ。

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「イラク水滸伝」(高野秀行)、「タラーデ」という古代メソポタミアでも使われた木製の舟の制作現場に立ち会う。

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この↑表紙の舟だ。
設計図などはない。
工房の土間に、直接釘を打ち込み、タコ糸のような木綿糸を張って最大幅0.8メートルの楕円を作って、それが舟底の部分、そのうえに横長の板を載せていき、木材がなくなると買い出しにいく。
厚さが均等でなくても、気にしない。
基盤の上に横板、その横に縦板をおいて、釘でバンバン打ち付けて、糸からはみ出した部分を小さいのこぎり(日本と同じ引きノコ)、その舟底を地面に固定する。
そこに肋骨を打ち付け、側板を打ち付ける。
釘の位置は何も考えていないようで、めったやたらに打ち続ける。

棟梁と見守る湿地帯のボス・案内人や見物人たちは喋りつづける。
彼らが愛するのは氏族談義、ついで詩談義、有名な詩人ナワーブの話、棟梁は自らも詩を書く。
ボスは自分の詩をつぎつぎに朗誦し、高野にもついてこいと命ずる。
ヤケになった高野が汗びっしょりで、間違いだらけのアラビア語アフワール方言を怒鳴りまくると、見物のイラク人も含めてみんな文字通り腹を抱えて笑い転げる。

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(山田隊長は作業を見続けて「自分でも造れる」という。採寸したり木材を同定して、それがすべて当たっていた)

つかう道具は、手斧、金槌、釘(5cmくらいのもの一種類)、のこぎりの四つ、手斧は鑿や鉋、カナ床の代わりにもなる。
高野は、この舟作りを「ブリコラージュ」と喝破する。
レヴィ=ストロースが提唱した概念で「あり合わせの材料を用いて自分で物を作ること」「その場しのぎの仕事」といった意味で、文明社会の「エンジニアリング」と対照をなすとされる。
もし、このタラーデ(舟)をエンジニアリングの手法で造ったら、きわめて精密な作業と高度な技術が要求されて、時間もかかるはずだ。
イラク湿地帯の舟大工は、適当にサボりながら、十日ほどで完成させ、その上にギール(瀝青)を塗って完全防水加工を施す。
その作業にも立ち会えた。

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Commented by umi_bari at 2025-12-29 14:52
桜新町駅~日体大~等々力駅と何回歩いたことでしょう。
やっぱり懐かしいです、ありがとうございます。
バグースです。
睡眠薬とは大変です、お大事になさってください。
アラックも、今日は痛み止めを飲んでしまいました。
Commented by unjaku at 2025-12-29 15:10
saheijiさん 今年もいろいろと教えていただきました。
難しい内容の本が多くて、理解もままならないことが多かったのですが、
それよりsaheijiさんの読書量の多さに、驚くばかりでした。

眠れないのは、神経が高ぶっている時と肉体的にも消耗が重なっている時です。
3時過ぎのコーヒーはやめましょう。
一日程度の不眠は仕方ない時もありますが、私のように深刻になると
健康にも良いことはありません。
でも、シフォンケーキとカフェオレで心地よくなるなんて、いいですよ。
神経張り詰めてばかりでは、楽しみも半分になりますからね。
先輩、来年もどうぞよろしくお願いいたしますね。
あ・・・サザエさん通り、ツインズが幼い時通ったことがあります。
Commented by stefanlily at 2025-12-29 17:28
こんにちは
前川清の父は舟大工だったとかで、米軍にも出入りしてたとか。
その関係で基地でも清さん(長崎南山高校野球部エースだっけか。姿勢いい、スタイル良くていかにもピッチャー)歌ってたのかな
Commented by saheizi-inokori at 2025-12-29 18:14
> umi_bariさん、ありがとう。
あなたもお大師にね。
Commented by saheizi-inokori at 2025-12-29 18:19
> unjakuさん、ありがとう。
深刻な不眠症、それは困りますね。
自立訓練法とかヨガニドラなど(呼吸法)を試したことはありますか。
いつもなら私は寝つきはこれで(YOUTUBEを聞きながら)大丈夫なのですが、きのうはちょっと、、でした。
コーヒーを飲んだのは12時半くらいでしたが。

もうブログ納めですね、いつも読んでいただいて、コメントもありがとうございました。
来年はツインズも成人式、よい年になりますように。
Commented by saheizi-inokori at 2025-12-29 18:22
> stefanlilyさん、船大工ってかっこいいですね、なんとなく。
スポーツ選手、とくにお相撲さんは声が好い人が多いようですね。
Commented by at 2025-12-30 07:17
私も左党の方にお菓子を勧めたら、
「夜の酒がまずくなる」と窘められたことがあります(笑)
さて、本年もありがとうございました。
お身体についての記事が多く、心配いたしました。
しかし、管理人様の不断の知的好奇心の発動には頭が下がります。

余談
今年はじめて志の輔を聴くことが出来ました。(ホール落語)
演目は「抜け雀」。
熱演で感情移入が激しく、どこか喬太郎に似ていました。
Commented by saheizi-inokori at 2025-12-30 10:59
> 福さん、いつもぴりっとしたコメントをありがとうございました。
教えられることも多かったです。
志の輔は落語というより独り芝居という感じもしますね。
今も切符がとりにくいのでしょう。
良いお年を!
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by saheizi-inokori | 2025-12-29 11:53 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(8)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori