ハンサムの恋愛観
2025年 11月 08日
散歩の途中で男子大学生とすれ違うと、強い香水の匂いが漂ってくることが珍しくない。
それが爽やかな匂いならともかく、むつとするような臭いなのだ。
僕は嗅覚においても時代遅れになつたのかな。

きのうの散歩では鶏の唐揚げを買った。
揚げたてを袋の口を開けたまま持って帰ると、とても良い匂いがして、男の子の香水よりよろしい。
かと言って、唐揚げの匂いの香水をつけていたら変だよな。
だいたいワンちゃんが黙っちゃいないだろう。

中村光夫「老いの微笑」で、面白かったくだり。
自分を省みる能力をいくらかでも持つ者なら、自己の変りやうのない本態にいやになるほどつきあたってゐる筈で、この変わりやうのない自分の姿が、彼の人生の形であり、そこに彼の思想が生まれます。そうか?
彼が自己の体質なり、神経の感受性なり、ある変わらぬものを会得したとき、それが思想なので、だからある人の内面について云へば、彼の思想とは一生について廻る性癖に似たもので、変へることは不可能なものといふことになります。それはちゃうど僕らの容貌、あるひは背格好に似てゐます。(略)
同じ人間の同じ顏であっても、二十歳と六十歳では人に与へる印象がまるで違ふやうに、僕らは同じ思想を持ちつづけても、その現われは年齢によって異なるのが自然です。
思想ってそういうことか?
考えてみよう。

日本の私小説は、作中人物の行動が作者自身のものであることが、暗黙の前提にされている。
だから作家への面識があるということは、彼らの作品を読むときに重要な要素になる、と中村は藤村に会ったことを書いた文章でいう。
藤村のことを、
若い頃、藤村の小説のなかの恋愛が、相手の献身は当然のこととしてうけ入れるだけで、蜘蛛が網にかかった虫をくらいつくすように相手の骨までしゃぶりながら、知らん顔をしているのを、「救ひがたい偽善者」のように思われてむやみに反発したが、年を取った今自他の経験を通じて考えてみれば、恋愛にはたしかにそういう一面があるということが、わかった。
こういう恋愛の側面は花袋や泡鳴の到底観察しえなかったものであり、僕自身の恋愛経験もこの二人に近いことがわかったのは、あまり面白くない発見だったが、年の功とでも云って自らなぐさめるほかない、と書いている。
だから作家への面識があるということは、彼らの作品を読むときに重要な要素になる、と中村は藤村に会ったことを書いた文章でいう。
恋愛の場合など、主人公が美男であるか醜男かによって、状況がまるで違ってくるのはあたりまへでせう。思わず噴き出した。
花袋や泡鳴の恋愛は醜男の恋愛であり、藤村のそれは美男のであったことは、彼らの女性観察に大きな影響を与へてゐる筈です。ことによると、それは彼等の恋愛観の決定的要素をなしてゐるかも知れないのですが、このことを(何分彼等の作品に書いてないので)僕等は忘れがちです。
藤村のことを、
女性的でありながら、どこか動物的なエネルギーが感じられる美貌は、ときには化猫のやうな薄気味悪い印象もあたへられ、彼のどの作品より感銘ふかく、彼のどの作品の性格もよく説明してくれる生きものでした。「生きもの」かあ、チゲえねえけれどね。
若い頃、藤村の小説のなかの恋愛が、相手の献身は当然のこととしてうけ入れるだけで、蜘蛛が網にかかった虫をくらいつくすように相手の骨までしゃぶりながら、知らん顔をしているのを、「救ひがたい偽善者」のように思われてむやみに反発したが、年を取った今自他の経験を通じて考えてみれば、恋愛にはたしかにそういう一面があるということが、わかった。
こういう恋愛の側面は花袋や泡鳴の到底観察しえなかったものであり、僕自身の恋愛経験もこの二人に近いことがわかったのは、あまり面白くない発見だったが、年の功とでも云って自らなぐさめるほかない、と書いている。
なるほど、
たしかに彼らの作中に漂っている
憐憫の差はそれによってあるのかも知れません。
不細工はわかりますが、
美男で生まれることもやはり罪なのですね。
たしかに彼らの作中に漂っている
憐憫の差はそれによってあるのかも知れません。
不細工はわかりますが、
美男で生まれることもやはり罪なのですね。
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> wanio1507さん、罪、たしかにそう言えるかもしれないですね。
先日娘から旅のお土産を貰い写真が送られてきた。
宿泊したホテルのフロントの写真が都市を表しロゴマークが
とても控えめで素敵だった。お土産と共にブログに載せて良い?
と聞いたら、そんな自慢しているようなことは辞めて!と却下された。
全て自慢と決めつけられないが・・・世代間ギャップか?個人の
小さな思想かも?立ち止まった一瞬です。
宿泊したホテルのフロントの写真が都市を表しロゴマークが
とても控えめで素敵だった。お土産と共にブログに載せて良い?
と聞いたら、そんな自慢しているようなことは辞めて!と却下された。
全て自慢と決めつけられないが・・・世代間ギャップか?個人の
小さな思想かも?立ち止まった一瞬です。
> sonoma0511さん、漫画家のショージ太郎(でしたか)が、ブログ(だったか)はすべて自慢だ、と云ったような記憶があいまいにあります。
たとえ自虐的な記事でも、そこにはなんらかの自慢のようなものがあると。
読む人見る人の受け取り方もあるのでしょうが、私には頷ける考え方だと思います。
私自身のブログも多かれ少なかれ、自慢が多いと。
たとえ自虐的な記事でも、そこにはなんらかの自慢のようなものがあると。
読む人見る人の受け取り方もあるのでしょうが、私には頷ける考え方だと思います。
私自身のブログも多かれ少なかれ、自慢が多いと。
成る程・・・
自虐的な記事でも確かにそうかもしれません。
例え自慢であってもそこから知り得る情報もありますし。
それを突き詰めたらブログネタはなくなりますものね。
善いご返答ありがとうございます。スッキリしました。
自虐的な記事でも確かにそうかもしれません。
例え自慢であってもそこから知り得る情報もありますし。
それを突き詰めたらブログネタはなくなりますものね。
善いご返答ありがとうございます。スッキリしました。
フフフ、面白い文でした!
> akaiga-beraさん、ありがとう。
左平次様、
松本清張がゴーギャンを題材(と言うか、失踪した男性を例えていた)にした短編書いてましたね。
私小説というと、かなり日本文壇(というものが現在存在しているのか…?)独特のジャンルと思ってます。
ヘミングウェイが思ってたよりも私小説?が多めですが、日本のそれとは違いますね。
ところで、藤澤清造(あまりヒットしない)で検索してたら、西村賢太に行き着き(笑)…交際していた女性が書いた小説が出ていると(白目)
西村作品のヒロインだった「秋恵」さん!? ご本人らしきブログもあります。
ご時世ですねえ…
西村さんと町田康さんが対談してたこともありましたね。
西村さんから見て、町田さん(パンク芥川、と私は勝手に命名)は容姿、音楽の才能、文学賞受賞歴含めて羨む要素満載だったのかもしれませんが。町田さんは町田さんで、映画出演した時に陣内孝則(福岡だったでの音楽活動が俳優業よりも先だった)とかの注目が高かったことで羨望があったとか書いてあったの目にした覚えあります。
松本清張がゴーギャンを題材(と言うか、失踪した男性を例えていた)にした短編書いてましたね。
私小説というと、かなり日本文壇(というものが現在存在しているのか…?)独特のジャンルと思ってます。
ヘミングウェイが思ってたよりも私小説?が多めですが、日本のそれとは違いますね。
ところで、藤澤清造(あまりヒットしない)で検索してたら、西村賢太に行き着き(笑)…交際していた女性が書いた小説が出ていると(白目)
西村作品のヒロインだった「秋恵」さん!? ご本人らしきブログもあります。
ご時世ですねえ…
西村さんと町田康さんが対談してたこともありましたね。
西村さんから見て、町田さん(パンク芥川、と私は勝手に命名)は容姿、音楽の才能、文学賞受賞歴含めて羨む要素満載だったのかもしれませんが。町田さんは町田さんで、映画出演した時に陣内孝則(福岡だったでの音楽活動が俳優業よりも先だった)とかの注目が高かったことで羨望があったとか書いてあったの目にした覚えあります。
by saheizi-inokori
| 2025-11-08 08:59
| 今週の1冊、又は2・3冊
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