まだしも

雨もよい、洗濯はなし、トイレと洗面所の掃除をして、ルンバに他をまかせて皮膚科に行く。
またステロイドを増やすのだろう。
免疫抑制剤を服用して、免疫をたかめる食物を摂る、この矛盾をドクターはどう解釈するのだろうか。

「緊縮資本主義　経済学者はいかにして緊縮財政を発明し、ファシズムへの道を開いたのか」（クララ・Ｅ・マッティ）を読了。

副題にある通り、緊縮財政とは、決して自然の摂理や真理などではなく、人為的に「発明された」ものであって、それはファシズムへの道につながっている、ということを第一次大戦中から戦後のイタリアとイギリスを例にとって解明したものだ。
学者たちが、緊縮財政を発明し、あたかも中立な純粋な学問の真理であるかのように、人びとを馴致した目的は、危殆に瀕した資本主義・資本の蓄積を守るためであった。
緊縮策は労働者や多くの国民に犠牲を強いる政策であるし、マクロにみれば失政であるにも関わらず、サッチャー、ドラギに指導されたイタリアの学者首相（選挙に寄らない）・モンテイ、ピノチェトに肩入れするＥＵ、同じくＥＵに支援されるエリツィン、、などによつて、体制が危機に瀕する都度用いられてきた。

議会制民主主主義の、党派対立のまどろっこしい力学のために、経済への深刻な要求が昂進し、革命の脅威が懸念される中で、より強力な何かが求められて、登場したフアシスト政権が採用し、それを歓迎し支援したのがイギリスでありアメリカでもあった。

サッチャーは、労働者を「怠惰、嘘つき、無能、血の気ばかり」として相手にしなかった。

参政党が議席数を伸ばし、その参政党や保守党と政策協議することも公言し、生活保護受給者が「パチンコをしている」のはおかしいなどとの言辞を弄した女性が、自民党総裁の有力候補になっている。
彼女の経済政策は、一見すると緊縮そのものではないけれど、その狙いは日本の資本の蓄積を至上命題にしているのであって、国民の福祉や生活の向上は、購買力の増加のために役立つ限りにおいて許されるものではないだろうか。

解説の中野剛志は、

（日本の）実質賃金を抑制するのは、財政・金融・産業の緊縮であり、緊縮を可能にしているのは（経済の）「脱政治化」である。ならば、実質賃金を上げるのに必要なのは「再政治化」であろう。すなわち経済政策、とりわけ財政運営を民主政治の手に取り戻すことである。

と書いている。
その意味で、林候補が、中選挙区制の検討を口にしているのは注目に値する。

まだしも？