金融部門がブルシット・ジョブの総本山

ゆうがた4時半ころ、散歩に出る。
まだ暑いのできょねんまではもうちょっと遅く出ていたのだけれど、手洗い洗濯をしなければならないので、この時間にしている。
４時前に本を読むのをやめて、ベランダの洗濯ものをしまいこんで、畳んでそれぞれの個所に戻す。
目薬をつけて、身支度、といっても長袖シャツを着るのと、左ひざにサポーターをつけて、水をもって、いまはサンダルだから靴下はいらない。

日陰をよって歩く、どっちの日陰が魅力的に感じられるかで歩く方向が変わっていく。
こっちから見ていると陰が濃いいように見えたのに、近づいていくと意外に日陰が途絶えているところが長く続いたりする。

きのうは千歩ほど歩いたところで、左膝の上あたりに違和感が生じた。
ちょっと痛い。
歩きはじめた時はいろんなところに違和感があることが、よくあって、そういうときは出来るだけ姿勢を正して、ちゃんと歩くようにしていると、いつのまにか違和感が消える。
それとは、ちょっと痛む場所が違うし、そもそも足を上下するときに痛むから、ちゃんと歩けない。
熱中症の一例かと、持っていた冷たい水をごくごく飲んで、ぐっとペースダウンした。

行こうかと思っていた道を戻って、ああ、そうだサミット（スーパーストア）でビスタチオを買わなきゃ、と涼しい店内をめざす。
まいにち昼食後に本を読みながらビスタチオを食うのが楽しみになっている。
脚の攣るのが減ったのは、風呂の中の足指反らしやビスタチオのおかげじゃないかと思う。
無塩、殻つきがよさそう。
ビスタチオを買ったらカミさんからメールでトイレットペーパーも購入。
店を出ると、脚の違和感もほとんどなくなったが、大事をとって帰宅。
それでも４千歩になった。

けさ、台風のため鬼無里会恒例の房総ＢＢＱ中止の電話。
考えてみればこの暑さももう老人たちには危険なんだよな。
去年は若いのが（といってももう還暦か）熱中症になって救急車を呼んだのだった。

デヴィッド・グレーバーの「ブルシット・ジョブ　クソどうでもいい仕事の理論」は佳境に入りつつある。
なぜ、本来なら効率化をめざす資本市場の企業において、五つの類型のようなブルシット・ジョブが増殖するのか、それを阻止しようとする、または問題視する人たちがいないのか。

１９５０年代前半以降、サービス部門、なかでも情報関連の仕事が急速に増大したが、ブルシット・ジョブが増殖しているのはまさにこの領域なのだ。
そして、そのような仕事の増大は金融資本の増大と関係している。
ウオールストリートの利潤が、貿易や製造業関連企業からではなく、負債や投機そして複雑な金融資本の創造から得られるようになるにつれ、労働者も抽象物を操作することで生計をたてるようになりつつある。
金融部門は、その見せかけと違って、政府と結託してさまざまな形態の負債をつくりだし、それからその負債を取引したり操作することから、圧倒的な利益を得ている。

金融部門の大部分がおこなっていることが基本的には巧妙なトリックであるのと同様に、金融部門の膨張にともなった情報部門の仕事のほとんどもまた大部分が巧妙なトリックである。

官庁や公共企業体は非効率で民間は効率を追い求めるというのも、現実とは相反している。
アメリカでは、公立学校よりも私立学校の方がはるかに管理業務が増大している。
学部の自治を剝奪した大学管理運営者たちが、「スチューデント・エクスペリエンス」とか「リサーチ・エクセレンス」、産学官連携などといった「戦略的ヴィジョン文書」を押し出して、膨大な人財や「書類まみれの人々（ペーパー・プッシャー）」をつくりだしている、それは要するに資金獲得のためなのだ。
オバマが大統領のときに、選挙民の意思に抗って、効率的な公的保険制度によらず、非効率な民間企業による利潤追求型の健康保険制度の維持を選んだ理由について、保険会社で働く人たちの雇用問題をあげた。
雇用創出がブルシット・ジョブを維持している。
映画産業が、映画をしらない資本によって牛耳られるようになって、どれだけ映画作りそのものに無縁のブルシット・ジョブが増えたか。
そうしたブルシット・ジョブのコストは最終的に消費者や納税者が負担しているのだ。