暑熱順化
2025年 05月 22日
きのうの皮膚科、前回はやや不愉快なやり取りに終わったが、こんどは予約時間より前に診て丁寧に接してくれた。
医師はともかく病院の前のせせらぎの道の花はきれいだ。

暑いし、どこに行く、行きたいという気持はないけれど、うちに帰りたくもない。

三宿の路地でみつけた小さな食堂で、お母さんが「肉か魚のどちら?」と尋ねて、魚を頼むと、見ている前でアジの干物を焼きはじめる。
1100円だけれど、せたPAYだと10%還元で1000円を切るのがありがたい。ご飯は小盛にしてもらう。

路地を涼しい風が通り抜ける。

世田谷公園の入口も見るだけ、中に入ろうという気分ではない。

水曜日のせいか、よさげなカフエはほとんどクローズになっている。

草臥れた頃、通りかかったバスに乗りこむと、野沢龍雲寺行き。
何度も通るのに、中に入ってお参りしたことがないので、坂を上って門を探す。

堂々たる門をはいると、また堂々たる石碑に、これは「一期一会」と書いたのか。

大きな石があちこちに転がっている庭の片隅に龍雲寺と書いた掛け取り帳をぶらさげた狸がいた。

大きな石のイスに腰かけて持っていったペットボトルの水を飲んだが、あったまっていてちっともうまくない。

ここまでくるといつもの学大のカフエも近いのじゃないか、とスマホに尋ねると歩いて5分。
はじめての住宅街をあるいて、いつもと反対側から「こんちは」。

「『おくのほそ道』を読む」(長谷川櫂)を読む。
「おくのほそ道」には歌仙(歌仙こそ芭蕉の骨髄)の構造が透けて見える。
「一歩も後に帰る心なし」の決意。
芭蕉は、43歳のとき江戸の深川で「古池や蛙飛こむ水の音」を得て、「現実の只中に心の世界を打ち立てる」、いわゆる蕉風開眼の後、44歳の秋は「鹿島詣」、10月から名古屋、伊賀上野で正月を過ごし、翌年伊勢神宮に参拝、3月、吉野山、奈良、大坂、須磨、明石(ここまでが「笈の小文」)、京を経て名古屋、中山道を通って江戸に帰る。とちゅう、更科で月見(「更科紀行」)。
そして、その翌年、元禄二年(1889年)、46歳の3月「おくのほそ道」の旅に出て、8月大垣に着く。
まさに、「一歩も後に帰る心なし」の決意が見てとれる。
その決意なしに、僕のぶら歩きみたいな気持ちでは、鹿島にだって行けやしない。

笠島までを読みながら、僕は「おくのほそ道」をすべて読み切ってはいないことに気づく。
いろんな解説本を読んで、完読しているつもりだったが、あれはあっちこっちを切り取って解説しているものばかりだったような気がする。
「おくのほそ道」が教科書に出てきたのは中学だったか、それとも高校だったか、chatGPTに訊いてみたら、「中学校の国語の授業で学ぶことが多いですが、高校で学ぶこともあります。学校やカリキュラムによって異なるので、どちらで学んだかは覚えている内容や授業の進め方しだいですね」と答える。
そんなことを覚えているくらいなら、中学か高校かは覚えているだろうよ。
高校の国語の教師の名前は羽田宇多喜だったかな、ちょっとちがうか、これをchatGTPに訊いたら、「私のデータでは調べられない」と、地域や学校のアーカイブなどで調べたらわかるかも知れないと教えてくれた、あまり役に立たないな。
羽田先生は「婦人公論」の愛読者で、しょっちゅうそこに載っていた記事について熱っぽく語っていたことは覚えている。
残念ながら、その内容は覚えていないけれど。
医師はともかく病院の前のせせらぎの道の花はきれいだ。

暑いし、どこに行く、行きたいという気持はないけれど、うちに帰りたくもない。

三宿の路地でみつけた小さな食堂で、お母さんが「肉か魚のどちら?」と尋ねて、魚を頼むと、見ている前でアジの干物を焼きはじめる。
1100円だけれど、せたPAYだと10%還元で1000円を切るのがありがたい。

路地を涼しい風が通り抜ける。

世田谷公園の入口も見るだけ、中に入ろうという気分ではない。

水曜日のせいか、よさげなカフエはほとんどクローズになっている。

草臥れた頃、通りかかったバスに乗りこむと、野沢龍雲寺行き。
何度も通るのに、中に入ってお参りしたことがないので、坂を上って門を探す。

堂々たる門をはいると、また堂々たる石碑に、これは「一期一会」と書いたのか。

大きな石があちこちに転がっている庭の片隅に龍雲寺と書いた掛け取り帳をぶらさげた狸がいた。

大きな石のイスに腰かけて持っていったペットボトルの水を飲んだが、あったまっていてちっともうまくない。

ここまでくるといつもの学大のカフエも近いのじゃないか、とスマホに尋ねると歩いて5分。
はじめての住宅街をあるいて、いつもと反対側から「こんちは」。

「『おくのほそ道』を読む」(長谷川櫂)を読む。
「おくのほそ道」には歌仙(歌仙こそ芭蕉の骨髄)の構造が透けて見える。
「一歩も後に帰る心なし」の決意。
芭蕉は、43歳のとき江戸の深川で「古池や蛙飛こむ水の音」を得て、「現実の只中に心の世界を打ち立てる」、いわゆる蕉風開眼の後、44歳の秋は「鹿島詣」、10月から名古屋、伊賀上野で正月を過ごし、翌年伊勢神宮に参拝、3月、吉野山、奈良、大坂、須磨、明石(ここまでが「笈の小文」)、京を経て名古屋、中山道を通って江戸に帰る。とちゅう、更科で月見(「更科紀行」)。
そして、その翌年、元禄二年(1889年)、46歳の3月「おくのほそ道」の旅に出て、8月大垣に着く。
まさに、「一歩も後に帰る心なし」の決意が見てとれる。
その決意なしに、僕のぶら歩きみたいな気持ちでは、鹿島にだって行けやしない。

笠島までを読みながら、僕は「おくのほそ道」をすべて読み切ってはいないことに気づく。
いろんな解説本を読んで、完読しているつもりだったが、あれはあっちこっちを切り取って解説しているものばかりだったような気がする。
「おくのほそ道」が教科書に出てきたのは中学だったか、それとも高校だったか、chatGPTに訊いてみたら、「中学校の国語の授業で学ぶことが多いですが、高校で学ぶこともあります。学校やカリキュラムによって異なるので、どちらで学んだかは覚えている内容や授業の進め方しだいですね」と答える。
そんなことを覚えているくらいなら、中学か高校かは覚えているだろうよ。
高校の国語の教師の名前は羽田宇多喜だったかな、ちょっとちがうか、これをchatGTPに訊いたら、「私のデータでは調べられない」と、地域や学校のアーカイブなどで調べたらわかるかも知れないと教えてくれた、あまり役に立たないな。
羽田先生は「婦人公論」の愛読者で、しょっちゅうそこに載っていた記事について熱っぽく語っていたことは覚えている。
残念ながら、その内容は覚えていないけれど。
急に暑くなってきましたね。
こちらは梅雨入りしましたが降るときは怖ろしいくらい降り、止むと怖ろしく暑く蒸し暑い。
もうすでに体が重く今日は我が家で音楽会というのに、調子が今一です。
サヘイジさんは、12369歩も歩かれたのですね。
凄いです。
それにしてもスーパーで買ったお弁当ビックリするくらい美味しい何て・・私も買いに行きたいです!(^^♪
こちらは梅雨入りしましたが降るときは怖ろしいくらい降り、止むと怖ろしく暑く蒸し暑い。
もうすでに体が重く今日は我が家で音楽会というのに、調子が今一です。
サヘイジさんは、12369歩も歩かれたのですね。
凄いです。
それにしてもスーパーで買ったお弁当ビックリするくらい美味しい何て・・私も買いに行きたいです!(^^♪
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薔薇の写真がありましたが、我が家も同じ薔薇が咲いています。
定食美味しそうです。焼きたての干物は美味しいですね。最近は若者の漬物離れで漬物を付ける店が減っています。
奥の細道は郷里の山形を旅していたので親近感があります。山寺、最上川、象潟、羽黒山等々・・今頃から芭蕉も食した「初なすび」小さな丸茄子(鶴岡名産)ですが、砂糖漬けのお菓子で売られています。
定食美味しそうです。焼きたての干物は美味しいですね。最近は若者の漬物離れで漬物を付ける店が減っています。
奥の細道は郷里の山形を旅していたので親近感があります。山寺、最上川、象潟、羽黒山等々・・今頃から芭蕉も食した「初なすび」小さな丸茄子(鶴岡名産)ですが、砂糖漬けのお菓子で売られています。

平均寿命を過ぎた爺です。いつも勉強させていただきありがとうございます。懐かしい名前を見てコメントします。老生が長野市の東部中学校の生徒の頃、羽田宇多喜先生が教鞭をとっておりました。囲碁が強い先生でした。息子さんは信濃毎日新聞の記者をしておりました。

ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
お魚全般高くなって、好きなアジの干物もなかなか食べられないでいます。
家庭的なお魚定食、身体に良さそうですね^^
「えんぴつで奥の細道」という文字練習帳をブックオフで買ったのはもう3年前?4年前?10ページぐらいしか進んでいません。
saheiziさんのブログを拝見して、続きを書かなければ!と思いました。
家庭的なお魚定食、身体に良さそうですね^^
「えんぴつで奥の細道」という文字練習帳をブックオフで買ったのはもう3年前?4年前?10ページぐらいしか進んでいません。
saheiziさんのブログを拝見して、続きを書かなければ!と思いました。
> 信州の田舎爺さん、わあ!そうでしたか!
なんだか中学のような気もしていました。高校は山岸堅磐先生でしたかね。婦人公論はそちら。
東中の方が拙ブログを見ていただいていたとは!嬉しいびっくりです。
ありがとう!
なんだか中学のような気もしていました。高校は山岸堅磐先生でしたかね。婦人公論はそちら。
東中の方が拙ブログを見ていただいていたとは!嬉しいびっくりです。
ありがとう!
> jyon-non3さん、今日も同じスーパーに行ったら、昨日の鮭弁はなかつたのです。
同じものだと飽きるからと、おばさんは言ってましたが、ちよつと残念。唐揚げ弁にしました。
気候の急変、お大事に!
同じものだと飽きるからと、おばさんは言ってましたが、ちよつと残念。唐揚げ弁にしました。
気候の急変、お大事に!
> higashinumaさん、私も東北にはいささか縁もあるので、懐かしい地名を楽しんでいます。でも若い頃はそこに行ってもあまり芭蕉を意識しなかつたのが、惜しい気がします。
初なすびは私も好きですよ。
初なすびは私も好きですよ。
by saheizi-inokori
| 2025-05-22 12:48
| 今週の1冊、又は2・3冊
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Comments(11)