抵抗する「病人」深大寺へ
2025年 05月 13日
循環器内科の医師のデスクの脇の棚の裏に「レジスタンス運動」と題された絵図が貼ってある。
「政府に抵抗するのですか?それともトランプ?」といいながら、よく見ると、フレイルに抵抗する運動、簡易なスキマ体操が載っている。
カイカイのことや、足腰、手や足の指の痛み、義歯の不具合など、つぎつぎに外堀を埋められていく、落城間近の城主の気分を訴えていた僕が、「そういうのはちゃんとやってますよ」と威張ると「そう!だからそれで済んでいるんです、筋肉の衰えはあっという間ですからね」と笑って送りだしてくれた。

薬局に、手足の攣るのを治す漢方薬が売られているのを見ていたら、「先生に頼んで処方してもらえば安く買えます」と、悪知恵をつけてくれたスタッフよ、ありがとう。
ああ、間に合わないな、、まあ、どこに行ったっていいんだから、と見送ろうとしていた「成城学園駅前行き」のバスに、走って間に合わせる男がいて、そのおかげで僕も足を速めると、待っていてくれた運転士に、大きな声で「ありがとう」という。
外出時には、意識してそうするようにしている。
成城学園駅に着くと、トイレに行くまもなく、「つつじヶ丘行き」のバスがやってくる。
まあ大丈夫だろう、乗ってみよう。
つつじヶ丘駅におりて、とりあえずトイレに行く。
武者小路実篤の記念館や公園があるらしいが、月曜日は休みだ。
「深大寺方面」のサインが目について、そうだ、久しぶりに深大寺に行ってみようという気になる。
つつじヶ丘には、何度もきたことがある。
命がけで貨物会社作りに尽くして、身体を壊して亡くなってしまったB君の墓がこの駅で降りていく寺にあった。まいとし、彼とともに働いたチームの有志が墓参りに集まったのだ。
今は本郷の寺に遺骨が移されて、今年もまもなく集まることになっている。
バスが、その昔のB君の御墓の方に向かったので、こちらにも、車窓から遥拝した。

前半分がすべて優先席、その上貸し傘の用意まである京王バス、やるねえ。
「中央電通学園」という名前の交差点を曲がると立派なビルが森に囲まれている、それが今の名は「NTT中央研修センター」。
それまで楽し気に若々しい声を聞かせていた、ピカピカの靴にアイロンの効いた黒いズボンの若い男たちが、ぞろぞろ降りていく。
60年前に国分寺の中央鉄道学園に入学したときのことを思い出す。
支給される制服が、かなり着古した、しわだらけで、サイズも合わずに上下ちがうものを着て暮らした。
まいあさ、安西愛子の歌う寮歌で起こされて、寮の廊下で国鉄体操をやったなあ。
神代団地という、川を挟んで広がる大きな団地を通り過ぎていく。
なんとかいうスポーツ施設を過ぎるあたりから、右手に緑の公園が姿を見せる。
緑に染まって、両手を高く上げ、胸を張ってウオーキングをする人たち、気持ちよさそうだ。
深大寺の手前の神代植物公園で、バラの真っ盛りを楽しもうかと思った。
降りようとするとひと気がない。
いやな感じがしたけれど、降りてしまう。
やっぱり月曜日は休園だった。

さっきの公園に行こうか、迷ったけれど、初志貫徹で深大寺を目指して歩く。
ジャケットを着ていても寒いくらいだが、緑が濃くなってくる道は快い。
参道の茶屋や蕎麦屋も休みの店がほとんどだ。

鶯やシジュウカラの鳴き声。
山門に着くと、元三大師像の御開帳を拝観せよとの放送が姦しい。

千円を払ってまで拝む気になれないな。
国宝になった白鳳の釈迦像はおりあしく奈良の国宝展に出張中だ。

誘惑に負けて、朝飯が早かったし、朝のおやつも食ってないからと、自分に弁解しつつ、焼き立てのよもぎ餅220円を買う。
店の前にあるベンチに座って食うと、、マズイ!
うまくない、ではなくてマズイのだ。
焼けた皮はともかく、その内側は二チャッとして、味も糊のようだ。
餡もボケた味、ヨモギの香りもない。
ちょうど昼飯時だったが、その店も、その先の行列ができている店にも入らずに帰ることにする。

つつじヶ丘駅行きかと思ったら、調布行き、ま、それもよし。
調布はこの前きて、天神様の近くで昼酒を呑んだが、今日はそれはなし、カイカイで酒を断ってもう一週間近い。
この前と反対側を歩いて見ようと、ビルの間を入ってみたが、ますます取り付く島がない。
踵を返して、スマホで調べた「百店街」とか「調布銀座」を目指そうと思ったら、ちょうど目の前に「成城学園駅行き」のバスが動きだそうとするところだ。
さっと手を挙げて、大きな声で「ありがとう」と言って、バスは走り出す。
「政府に抵抗するのですか?それともトランプ?」といいながら、よく見ると、フレイルに抵抗する運動、簡易なスキマ体操が載っている。
カイカイのことや、足腰、手や足の指の痛み、義歯の不具合など、つぎつぎに外堀を埋められていく、落城間近の城主の気分を訴えていた僕が、「そういうのはちゃんとやってますよ」と威張ると「そう!だからそれで済んでいるんです、筋肉の衰えはあっという間ですからね」と笑って送りだしてくれた。

薬局に、手足の攣るのを治す漢方薬が売られているのを見ていたら、「先生に頼んで処方してもらえば安く買えます」と、悪知恵をつけてくれたスタッフよ、ありがとう。
ああ、間に合わないな、、まあ、どこに行ったっていいんだから、と見送ろうとしていた「成城学園駅前行き」のバスに、走って間に合わせる男がいて、そのおかげで僕も足を速めると、待っていてくれた運転士に、大きな声で「ありがとう」という。
外出時には、意識してそうするようにしている。
成城学園駅に着くと、トイレに行くまもなく、「つつじヶ丘行き」のバスがやってくる。
まあ大丈夫だろう、乗ってみよう。
つつじヶ丘駅におりて、とりあえずトイレに行く。
武者小路実篤の記念館や公園があるらしいが、月曜日は休みだ。
「深大寺方面」のサインが目について、そうだ、久しぶりに深大寺に行ってみようという気になる。
つつじヶ丘には、何度もきたことがある。
命がけで貨物会社作りに尽くして、身体を壊して亡くなってしまったB君の墓がこの駅で降りていく寺にあった。まいとし、彼とともに働いたチームの有志が墓参りに集まったのだ。
今は本郷の寺に遺骨が移されて、今年もまもなく集まることになっている。
バスが、その昔のB君の御墓の方に向かったので、こちらにも、車窓から遥拝した。

前半分がすべて優先席、その上貸し傘の用意まである京王バス、やるねえ。
「中央電通学園」という名前の交差点を曲がると立派なビルが森に囲まれている、それが今の名は「NTT中央研修センター」。
それまで楽し気に若々しい声を聞かせていた、ピカピカの靴にアイロンの効いた黒いズボンの若い男たちが、ぞろぞろ降りていく。
60年前に国分寺の中央鉄道学園に入学したときのことを思い出す。
支給される制服が、かなり着古した、しわだらけで、サイズも合わずに上下ちがうものを着て暮らした。
まいあさ、安西愛子の歌う寮歌で起こされて、寮の廊下で国鉄体操をやったなあ。
神代団地という、川を挟んで広がる大きな団地を通り過ぎていく。
なんとかいうスポーツ施設を過ぎるあたりから、右手に緑の公園が姿を見せる。
緑に染まって、両手を高く上げ、胸を張ってウオーキングをする人たち、気持ちよさそうだ。
深大寺の手前の神代植物公園で、バラの真っ盛りを楽しもうかと思った。
降りようとするとひと気がない。
いやな感じがしたけれど、降りてしまう。
やっぱり月曜日は休園だった。

さっきの公園に行こうか、迷ったけれど、初志貫徹で深大寺を目指して歩く。
ジャケットを着ていても寒いくらいだが、緑が濃くなってくる道は快い。
参道の茶屋や蕎麦屋も休みの店がほとんどだ。

鶯やシジュウカラの鳴き声。
山門に着くと、元三大師像の御開帳を拝観せよとの放送が姦しい。

千円を払ってまで拝む気になれないな。
国宝になった白鳳の釈迦像はおりあしく奈良の国宝展に出張中だ。

誘惑に負けて、朝飯が早かったし、朝のおやつも食ってないからと、自分に弁解しつつ、焼き立てのよもぎ餅220円を買う。
店の前にあるベンチに座って食うと、、マズイ!
うまくない、ではなくてマズイのだ。
焼けた皮はともかく、その内側は二チャッとして、味も糊のようだ。
餡もボケた味、ヨモギの香りもない。
ちょうど昼飯時だったが、その店も、その先の行列ができている店にも入らずに帰ることにする。

つつじヶ丘駅行きかと思ったら、調布行き、ま、それもよし。
調布はこの前きて、天神様の近くで昼酒を呑んだが、今日はそれはなし、カイカイで酒を断ってもう一週間近い。
この前と反対側を歩いて見ようと、ビルの間を入ってみたが、ますます取り付く島がない。
踵を返して、スマホで調べた「百店街」とか「調布銀座」を目指そうと思ったら、ちょうど目の前に「成城学園駅行き」のバスが動きだそうとするところだ。
さっと手を挙げて、大きな声で「ありがとう」と言って、バスは走り出す。
こんにちは。一水です。
「ありがとう」…、この言葉はいい響きですね。通常の挨拶ですが、この一言を言える人の心は温かい。そして言われたら、心が笑顔になりますね。記事を読んでいて、私も笑顔になりました。
「ありがとう」…、この言葉はいい響きですね。通常の挨拶ですが、この一言を言える人の心は温かい。そして言われたら、心が笑顔になりますね。記事を読んでいて、私も笑顔になりました。
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東横線沿いの地名が出てくるたびに、懐かしく拝見をしています。NTT研修センター私が通った頃は、駒場学園だったか? 国鉄の中央学園は中央線から見え、西国分寺駅が出来たら駅前になって、たしか再開発事業地に。国立の国鉄研究所も懐かしいです。老人には昔話だけが・・・。
最後の写真は「青木屋」蕎麦屋さんの竹囲いと池・・外の席ではワンコ連れも入れるので、時々は此処で蕎麦戴いてます。
バスの運転手の性格でしょうか待ってくれる人とドアのところまで行ってるのに乗せてくれない人がいます。
乗せてくれた運転手には「ありがとう」を言ってます。そうですね。自分も気持ち良いです。
バスの運転手の性格でしょうか待ってくれる人とドアのところまで行ってるのに乗せてくれない人がいます。
乗せてくれた運転手には「ありがとう」を言ってます。そうですね。自分も気持ち良いです。
> higashinumaさん、青木屋、たしか休店でした、月曜日は駄目なところが多いですね。
ありがとうございました、子供たちがバスをおりるときに言うのを、いぜんはうるさく思いましたが、今は微笑ましく見るようになりました。
私でも丸くなったのかな^^。
ありがとうございました、子供たちがバスをおりるときに言うのを、いぜんはうるさく思いましたが、今は微笑ましく見るようになりました。
私でも丸くなったのかな^^。
by saheizi-inokori
| 2025-05-13 12:27
| こんなところがあったよ
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Comments(6)