飲む化石たち

きのうは半年ごとに集まる大先輩を囲む会、僕より先輩二人が先約があってこれない、とてもアクテイブな先輩たちだ。

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(車窓から多摩川)

少し早めに行って、農産物の直売所でブルーベリーのジャムを買ったり、阪急のなかを歩いたりして、そろそろだな、と店の前に行くと、ひとり大先輩だけがいらっしゃる。
会の始まりは1時半なのに、大先輩は承知のうえで誰か早く来た人と話をしたくて、僕は12時半と勘違いしていたのだった(結果オーライの勘違いでよかった)。
店は満員なので阪急のなかのカフエで時間までコーヒーを飲みながら話をした。

時間になって会場に向かう途中で大先輩は「出席者が5人は寂しいけれど、みんなで話すのにはちょうどいい人数だね」と弾んだ声でおっしゃる。
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集まれたメンバーは5人、キールで乾杯。
まもなく96歳になる大先輩はキールばかりか、その後のワインも飲まれて、ユーモアやエスプリも健在だ。
ただ、固有名詞を思い出すのに時間がかかり、話の繰り返しが多いのはやむを得ない。

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ワインは白と赤をボトルでとってきれいにあけてしまった、平均年齢86歳の面々。
話題は豊富だが、けっきょくは国鉄時代、とくに今は亡き先輩たちの思い出を語り合う。

しみじみ、国鉄の仕事はきつかったけれど、人間味があふれていたと思う。
振り返れば奇跡的に好い時代に生きてこれたとも思う。

公共企業体国鉄が誕生してJRに変わるまで38年、JRが誕生してから、はや38年を越えた。
メンバーのほとんどが当局側の関係部署の責任者として国労・動労・政府と対峙したことを昨日のことのように覚えている、かの8日間のスト権ストや新幹線の博多開業からもう50年と言われて、思わず絶句してしまう。
こうして元気に語り合う我々はJRの現役からみたら化石みたいなものかもしれない。



大先輩のさらに先輩たちのエピソードが語られるなかで、後輩から畏怖されていた先輩がゴルフでバンカーに入ったボールを手で放り出した話が出て、仕事のことは忘れられても、そういう話はいつまで経っても忘れてもらえないなあ、と、そういう僕もとんでもないことで後輩たちから記憶されているのかもしれないと、ちょっと怖くなったけど、もう手遅れもいいところだ。

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中先輩が、平日ゴルフをして処分されたというので、それはいつのことかと訊いたら、国鉄末期、僕が死ぬ思いで貨物会社のことをやっていた頃のことだと分かって、本社全体が僕と同じように大変な仕事をしていると思っていたのに、呑気な人たちもいたんだ、と、今頃ビックリ仰天、よく首にならなかったねと大笑い。

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3時間余、話はつきねど、半年後の再会を約して散会。
飛ばされそうな強い風のなかをタクシー乗り場まで大先輩をお送りした。
帰宅すると、手洗い洗濯をカミさんがやってくれてあって、大助かり。
晩酌は自制した。
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Commented by open-mind1109 at 2025-04-17 07:50
宴の様子を想像しながら読ませていただきました。
文面からsaheiziさんも他の方々もお若いな~と思いました。
昔のお仲間とこうしていい時間を持てるっていいですね。
半年後の記事を楽しみにしています♪
Commented by saheizi-inokori at 2025-04-17 09:22
> open-mind1109さん、出席できたのは元気なメンバー、でも京都にいる一人は病気で欠席になりました。
「生きていたら」と半年後を約したのです^^。
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by saheizi-inokori | 2025-04-16 09:03 | よしなしごと | Trackback | Comments(2)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori