官僚制がなぜ悪をなすのか

絶好の大掃除日和、でもちょっと調子が上がらないのは、カイカイのせいか。
窓拭き、上の方を脚立に乗ってやるのがめんどうで、長い柄のついたモフモフで、ごまかす。
うすぼんやりと脚立に乗ってひっくり返ったらしゃれになんめえ。

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ピーター・バラカンの番組は今週も24年ベストアルバム特集、全国の愛聴者の投書でベストテンを決める。
みんな僕が知らない歌手ばかリ、その推薦の弁がプロはだし、皆さんほんとによく聞いていらっしゃる。
想えば、子どもの頃きいたラジオでも洋楽はかかったけれど、FMなんてないし、ごくわずか映画音楽とか限られた歌手しか情報はなかったな。


「万物の黎明」、第10章読了。

ときどき脱線して、歴史などについてのものの考え方講座みたいなのが、楽しく「ためになる」。

その例、1。
「後 ポスト」、「原 プロト」、「中間 インターメディエイト」、「末期 ターミナル」などの用語のまやかしについて。
人類学者アルフレッド・クローバーは、文化の成長と衰退のリズムとパターンの背後に特定の法則があるか、つまり、芸術の流行、経済の盛衰、知的創造期と保守期、帝国の拡大と崩壊のあいだに系統的な関係が設定できるかを長い期間をかけて研究した結果「そんな法則は存在しない」ことが分かった。
にもかかわらず、私たちは、文明は、花の如く成長し、咲いてはしぼんでいくかのように書いたり考えたりしている。
すくなくとも7世紀!におよぶ集団的自己統治の時代を、先王朝期と名づけてメソポタミアの「真の」歴史の前奏曲と片付けてしまう。
「真の」歴史とは、征服者、王朝、立法者、王たちのおりなす歴史として提示されるのだ。
古代エジプトの歴史を古王国、中王国、新王国と分けるのもそうだ。
それぞれの王国は「混沌と文化的退廃」と形容される「中間期」によって隔てられるが、じつはこの時代はエジプトを支配する単一の人間がいなかったにすぎないのだ。
中間期を合算すれば古代史全体の約三分の一を占め、きわめて重要な独自の政治的発展(たとえば、女性が大きな権力をもったなど)も見出せるのにもかかわらず、無意味な停滞のように説かれる。

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その例、2。
官僚制の起源について。
支配力の三つの基盤、主権、官僚性、競合的カリスマ性は、それぞれ互いに異質でさまざまな形態で発生する。
主権・支配者のいないばあいでも、分業、相互扶助、スケジュール管理、、などを記録したりする技術は発達する。
これはむしろ平等を担保するためのツールでもあった。
ところが、そこに主権(支配者)が結びつくと、すべてが数字に還元されるようになり、ほんらい固有の歴史をもち固有の状況にある世帯や個人を、同じ法律、同じ権利、同じ責任が、すべての者に適用されるようになる。
「平等」が、人間を交換可能なものにし、その結果、支配者やその取り巻きが、被従属者に非人格的要求を突きつけることが可能になる。
支配者は自らの行いを公平性の言葉で包み込み、同時に、割り当てられた責務をはたせぬ者がつねに生まれるようにし、債務労働者の、借金のかたとなる人間の、そして奴隷の供給源に事欠かぬよう裏づける。
官僚制がモンスター化してしまうのは、主権的権力がそこに合流し、その結果として、地方役人が「規則は規則だから、あがいてもムダである」などとのたまうことができる、そのような権限が与えられるからである。

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(目黒区役所の食堂)

今の日本では、三権分立制が機能不全になつて、主権が国民ではなくて、世襲と小選挙区制の権力亡者たちと財務省を核とする官僚とが癒着してできた化け物に奪い取られているのではないか。
と僕は思う。

Commented by shisouan at 2025-01-21 03:11
確かに、バッジ議員の世襲と小選挙区制度は良くないです。裏金や賄賂の温床になります。
詳しく内部のことは知りませんが、官僚の中で一番の核がここが政治をうごかしているらしい
ですね。その官僚たちもやっかいなコトはなんか問題が起きた場合を考えて責任の擦り付け合い
とか。いやはやです。
Commented by saheizi-inokori at 2025-01-21 13:51
> shisouanさん、日本版「トランプ」が待望されますね。腐敗議員、官僚、経営者の一掃が。
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by saheizi-inokori | 2025-01-18 13:16 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(2)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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