昭和歌謡を知ってるかい

きのうは、ふとした弾みとでもいうか、YOUTUBEで昭和の歌謡曲を流しながらブログをやった。
ときどきNHKFMでこういうのがかかるとチャンネルを変えてしまうのに、なぜかきのうはじゃまにならない、、どころか、むしろ「いいなあ」としみじみ聞きながらモヘンジョダロのことなんかを書いていた。

歌謡曲が嫌いというわけじゃなくて、フランク永井の「公園の手品師」「こいさんのブルース」「君恋し」、井上ひろし「雨に咲く花」、ペギー葉山の「爪」、森田公一「青春時代」、さとう宗幸「青葉城」、若山彰「喜びも悲しみも幾年月」などは、カラオケでの持ち歌だ。
でもきのう、シミジミイイと思ったのは、いつもは敬遠していた、三波春夫「チャンチキおけさ」、三橋美智也「哀愁列車」、橋幸夫「潮来笠」、北島三郎「函館船」、井沢八郎「ああ、上野駅」、春日八郎「赤いランプの終列車」のような「ド演歌」というような歌だ。
松尾和子の「再会」なんかも嫌らしくなかった。

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声の伸びが素晴しくて、歌詞が聞き取りやすくて(今の歌は外国語に聞こえる)、僕たちの原風景、夜汽車、望郷などが歌われ、古臭い義理人情が押し出される。
バッハがいい、モツアルトこそ最高、いやモダンジャズがしびれる、ニーナ・シモンは友だちだ。
そんなふうになった僕を冷やかすように、哀れむように、「どうよ、こういうのって」とつぎつぎに懐かしい曲が流れて、ああ、僕はこういう時代にラジオだけという環境に育ったんだと、思った。悪い気はしなかったよ。
どうしても生理的に駄目な歌手も何人かはいたけれど。

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午後は、早めに出て温かい道をズンズン歩いて、6千歩くらいになった所でやってきたバスに乗って自由が丘で降りた。

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目の前にある商業施設の「椿倶楽部」でデカフエを飲みながら「万物の黎明」を読んだ。
カミさんにもらった10%割引券を使ったけど、僕には高すぎた。

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第九章「ありふれた風景にまぎれて アメリカ大陸における公営住宅と民主主義の先住民的起源」
前100年~後600年にメキシコ盆地に栄えたテオティワカンは、全盛期のローマ帝国に匹敵するような壮大で洗練された都市で、10万人(モヘンジョダロやウルクの五倍)に達した。
火山の噴火を避ける人びとの流入で都市としての発展が始まったが、当初は貧民街の様相を呈していた。
まず湿地帯を堅固な地盤に改良し、太陽と月のピラミッド、羽毛の蛇神殿などのモニュメントをつくることで千年王国運動・聖なる都市づくりがおこなわれる。
その過程で儀礼的な殺害が行われもするが、かれらは宮殿やエリートの住宅を建設するのではなく、富や地位に関係なくすべての市民に高品質のアパートメントを提供するという都市再生プロジェクトに取り組むのだ。

排水設備が完備し、サイケデリックな絵画で彩られた美しい漆喰の床と壁、総計で2000のアパートのひとつひとつは100人前後の共同居住住宅であり、そのなかには、少人数の核家族用の独自の部屋がセットされていた。
彼らは、アパートを越えて広がる親族関係と、アパート単位や近隣の者たちとの二種類の共同生活を享受し、核家族が数千もの高層の一枚岩のうちに隔離されるという、現代の「住宅団地」の観念とはかけはなれていた。

そして、ここもまた、ウクライナのメガサイトやメソポタミア、インダスと同じく、支配者なしに、自らを統治する方法を発見したのだ。
2000のアパートの100毎にひとつもうけられた地区神殿で開かれる地区集会が、都市の計画を立案し実行していた。
テオティワカンは、内部対立から550年頃崩壊をはじめる。
民族的・言語的にまったく背景の異なる集団相互の水面下における社会的緊張が崩壊につながるのは、メキシコ中央部の宿痾だ。

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約千年後に、スペインのコルテスが、やってきたときに、トラストラが、スペインに勝てたのにもかかわらず、侵略者と手を結んで、宿敵アステカの三都市同盟を打倒しようとしたとき、その決定は都市議会での民主主義的熟慮から生れたことも語られる。
トラスカラの評議会に出る人たちについて、
(彼らは)個人的なカリスマ性やライバルを凌駕する能力を期待されるどころか、謙虚なる精神をもって――そうした能力をむしろ恥とするような感覚をもって――のぞむ必要があった。かれらは都市民に従属することをもとめられていた。その従属がたんなるみせかけではないことを確認するために、めいめいがいくつかの課題をこなさねばならなかった。まず、野心への適切なる代償と考えられていた公衆の罵声を浴びることが義務づけられた。つぎに、自我をぼろぼろに傷つけられた政治家志望者は、長期の隔離生活のなかで、断食、睡眠剥奪、瀉血、厳格な道徳教育などの試練を与えられた。
この点について筆者たちは、つぎのことを指摘する。
この点については、選挙が専制的気質をもったカリスマ的指導者を生み出す傾向のあることを古代ギリシャの著述家たちが熟知していたことをおもいだすとよいだろう。選挙は貴族政的政治手段であり、民主政の原則とはまったく相容れないとみなされていたのはこのためであり、ヨーロッパの歴史の大半において、真に民主的である役職の選出方法はくじ引きであると考えられていたのもこのためである。
くじ引きかあ、いいかも、厳格な道徳教育ってのも、必須だね。

Commented by open-mind1109 at 2025-01-15 15:28
ずらりと並んだ曲目を見るとカラオケに行きたくなります♪
演歌や昭和歌謡はちょっと・・・と思っていた私も、最近はその良さがしみじみ分かってきてそんな年になったんだな~と思っています。
今の若い歌手のリズム感と語彙の多さは真似できませんが、それも好き^^
昭和歌謡はもっと好き^^
Commented by unjaku at 2025-01-15 16:48
私はいつも貧乏くじばかり。
いつも威張っていてグループを困らせる男がいても、
かげでおべっか使ってご機嫌取りして、その場をごまかす人間ばかり。
私は許せなかった。
とうとう最後に大喧嘩をした。
誰もかばってはくれない。
長い間苦しんできた悪い習慣なら、けりをつけようじゃないか。
それでもあることない事、威張っている男に告げ口する女がいる。
事態はますます悪くなり、グループの運営が立ち行かなくなった。
「こういうことにならないように気を配ってきたのよ。」と
私に言った女もいた。クソッ!
最後は呼ばれてつるし上げだ。
全部ぶちまけてやった。誰が何をして何を言ってきたのか。
悪い習慣は直さなければいけない。
おかげでその夜は胃痙攣だ。

でもその後、だいぶましになったかな。
女だからって甘く見るなよ!
Commented by saheizi-inokori at 2025-01-15 18:44
> open-mind1109さん、Mさんもお好きでしたね。
きょうも飽きずに聞きましたよ。
Commented by saheizi-inokori at 2025-01-15 18:50
>unjakuさん、亡母もときどき会社の男どもの横暴について怒っていました。
会社で第二組合がつくられたとき、母が断固、第一組合に残り続けたのには会社側も驚いたようです。
Commented by Solar18 at 2025-01-15 19:28
「外国語のように聞こえる」→同感です。外国人が日本語を話すような口調を真似しているのでは、と昔から思っていました
「チャンチキおけさ」思わず笑ってしまいました。いいですねえ。
厳格な道徳教育は、どの方向にいくかで望ましいか否かが変わってくるのではないでしょうか。ナショナリスティックなそれは御免です。
Commented by saheizi-inokori at 2025-01-15 21:24
> Solar18さん、小皿叩いてチャンチキおけさ!そんな飲み方をしたのですよ、次々と民謡を歌いました。
道徳教育、裏金、うそつき、違法行為はだめです、残念ながらそんな低レベルな教育ですね。
Commented by at 2025-01-16 06:43 x
昭和歌謡曲の大ファンです(笑)
車の中では小柳ルミ子「京のにわか雨」、南沙織「17歳」などを・・・
歌詞で心に染みるのは梓みちよ「二人でお酒を」。
追記
「公園の手品師」はフランクファンで知られた小三治が推していたそうです。
Commented by maru33340 at 2025-01-16 09:03
歌謡曲がシミジミ良いと思う感覚とても良く分かります。
私も昨年、石原裕次郎の歌う「北の旅人」を聴いて、ちょっと泣きそうになるくらいに感じ入りました…
Commented by saheizi-inokori at 2025-01-16 19:05
> 福さん、割と後期昭和歌謡ですね。
私はもうちょっと古いのがいいな。
小三治の公園の手品師は高座で何回か聞きました。下手ではないけど、敢えて聞きたいほどのレベルではない、大真面目に最後まで歌うのです。知人は苦労してチケットを入手した独演会の最初から最後まで歌唱でがっかりしたそうです。グランドピアノを入れたヨシ。
Commented by saheizi-inokori at 2025-01-16 19:07
> maru33340さん、石原裕次郎はいいですね。「粋な別れ」は私の持ち歌です。
Commented by at 2025-01-18 07:23 x
推していただけじゃなくて、歌っていたとは!市馬みたいですね(苦笑)
>後期昭和歌謡
麻丘めぐみ「私の彼は左きき」
今、BSで再放送の「顔で笑って」というホームドラマでは
あの松村達雄(何代目かの寅さんのおいちゃん)が口遊んでおりました。
このドラマにはデビューしたての山口百恵が出ています。
百恵さんの歌も好きで、よく聴きました。
Commented by saheizi-inokori at 2025-01-18 13:19
> 福さん、私も小百合などより百恵ちゃんですね^^。
福さんはもっぱら女性歌手ですか。
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by saheizi-inokori | 2025-01-15 12:35 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(12)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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