まあ、いちど読むだけでも

けさは冷え込んだ、7時で3度、elboさんのご忠告を受け容れて、ストーブをつけて裸になった。
こういうのは意志薄弱とはいわない、素直といってくれ。

きのうは、図書館から借りてきた「書いてはいけない 日本経済墜落の真相」(森永卓郎)を一気に読み終えた。
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森永がメデイアの仕事をはじめて4半生記経過したなかで、メデイアが絶対に触れてはいけない「タブー」、そのうちの、
①ジャニーズの性加害、②財務省のカルト的財政緊縮主義、③日本航空123便の墜落事件
の三つについて、その概要などを書く。

三つのタブーに共通する構造は、
①絶対的権力者が、人権や人命や財産に関して深刻な侵害を行う。
②その事実をメデイアが報道せず、被害が拡大、長期化していく。
③そうした事態について、警察も検察も見て見ぬふりをする。
④過酷な事態が社会に構造的に組み込まれていく。

末期ガンで余命を宣告されている森永がどうしてもこれだけは書いてから死にたいと、出版によるリスクも顧みずに告発した。

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ジャニーズについては、ようやくメデイアも報道したけれど、ほかの二つについては、SNSとか特定の著者の本は出版されることがあるだけで大手メデイアは一切黙殺している。

先進国の中で、日本だけが経済成長をしていない原因の一つに、財務省が金科玉条としている緊縮財政(増税や社会保険料負担増、社会保障や公共事業のカットなど)がある。
それは宗教を通り越して「カルト」の域にも達している。
宗教は信者の幸福を目的とするが、カルトは教祖や幹部の幸福が目的で信者は犠牲となる、のだと。
「日本は世界最大の借金を抱えている。このままでは財政破綻をきたす」とウソで国民を脅し、要路の人々を「ご説明」と称する説得で洗脳し、その意にそまぬ人や組織を税務調査で攻撃し、政府に対してすら倒閣の陰謀を凝らす。
財務省エリートは増税に貢献したかどうかで人事評価がされ、ちゃんと務めあげれば上級国民としての栄華の暮らしにありつける。
森永は天下りの禁止と、国税庁の完全分離を打開策として提案する。

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1985年8月に起きた日航123便の御巣鷹山墜落事件については、日航や政府が説明する事故原因には不審な点が多い。
もっとも不可思議なのは、墜落現場の特定が大幅に遅れたこと、多くの目撃者たちの証言によればもっと早く見つかっても良かったはず。
とうじ日航で客室乗務員として働いていた青山透子は、日航を退職後東大の大学院をでて博士号を取得している。
その彼女が、証拠文献や実名の証言を集めて、厳密な論証を行った「日航123便墜落の新事実」(河出書房新社)や事件の遺族である小田周二の「永遠に許されざる者」などは僕も読んだが、この事件はおかしなところだらけなのだ。


彼らは、自衛隊機が演習のために撃ったミサイルもしくは無人標的機が日航機に衝突したことが事故原因であるといい、森永もそれに与する。
真相を知るためには、現在日航が保管している、コックピット・ボイスレコーダーとフライトレコーダーの、生データを公開することだが、遺族による公開請求にたいしても、日航および裁判所は受け容れようとはしない。

そして、事実を知っているアメリカに首根っこを抑えられて、直後のプラザ合意や日米半導体協定、さらには日米構造協議、小泉時代に始った日米「年次改革要望書」、小泉&竹中の不良債権処理によって巨額の企業資産の売却につながっていった、それこそが日本経済墜落の真相だと森永はみる。

人気のある本で、ずいぶん待たされた割には、半日で読み終えるほど、森永の言いたいことだけの要点を、簡略に書いてあって、しかもそれだけ言いたいことは分かりやすい。
その正当性について、ジャニーズ問題はともかくとして、事柄があまりに大きすぎて、百パーセントの確信はないが、森永が正しいように思えるというだけできちんと評価できない自分がちょっと残念だ。
望むべくもないけれど、プロの人たちの調査報道を期待したいものである。

青山透子は今も執念の調査を続けて、つぎつぎにその結果を出版している。
居残り会の幸兵衛さんが、それらを丁寧に紹介し続けている。

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(葉山 日陰茶屋 じょうよまんじゅう)

Commented by eblo at 2024-12-13 15:18
この話だけでなく今でも国民に隠されていることは多いんでしょうね。
昨日たまたま、忠臣蔵についての番組を声だけ聴いていました。
300年後に真実が分かったそうなので、この事件も300年後に分かるのかもしれません。
あの当時、機長の悪口ばかりが報道されて、機長の家族が心配になったことを覚えています。
日本はまだ民主主義国ではない、つくづくそう思います。
アメリカとの関係も、友人というなら上下関係でなく堂々と主張すればいい、
さんざん怒鳴りあっても根に持たない、それが友人では?
国民の命がかかった防衛問題も現状肯定でいつの間にか軍事大国に変わっている。
Commented by chikusai77 at 2024-12-13 20:11
お晩です。
あの事件は衝撃でした。当時、読書の邪魔になるのでTVは倉庫にしまってあったのですが、急遽倉庫から出して報道番組を見ました。原因は、確か修理を終えた隔壁が破損したという事だったのではないでしょうか。でも不審な点はたしかにありましたね。墜落位置からみると米軍が関係しているとか、ありそうな話にも思えますが、真相は百年後にわかるのでしょうかね。妄想ですヨ(呵々)   
Commented by saheizi-inokori at 2024-12-13 21:44
> ebloさん、私たちが見ている世界は氷山の一角よりもさらに極小さなものらしいです。
だから達観して生きればいいようなものですが
そうはいかないのが人間らしいです。
Commented by saheizi-inokori at 2024-12-13 21:50
> chikusai77さん、後部隔壁が壊れたなら機内のものが吸い出されるなどの影響を受けるはずなのに、それと合わない現象が起きていたらしいです。
妄想とは言い切れないな。
Commented by shisouan at 2024-12-14 01:11
統合型リゾート施設、大阪博覧会のあとに大阪が進めているのですが、カジノをつくるらしいですね。
そんでもって、ホテルや遊園地などなどまぁ~米国の砂漠に出来たカジノの街を目指しているみたいですが、先ず日本の一般の庶民には入れないでしょうね。ドレスコードもるようでしょうし、狙いは、中国や
外国の超富裕層の人たちでしょう。潤うのはこのカジノ法案を通したバッジ議員の面々と裏の奥深くで
議員さんと繋がっている反社会勢力の面々でしょうね。

御巣鷹に日航機が墜落した時期はお盆bの時ですから、多くの登山客が奥秩父の山々やそのまわりの
山々にもいたし、富士山にもいたし、地元民も気づいた訳です。わたくしも南アルプスの赤石岳から
下降中に飛行機が北の方の山に向かって下降して行くのを山仲間と見ました。変な方向にいくよな
と言いながらね。そのほか山仲間も見たよと言ってきました。
だから、場所の特定は直ぐついたハズですね。
Commented by saheizi-inokori at 2024-12-14 11:23
> shisouanさん、え‼ご覧になったのですね。
これほど多くの人が目撃したのに、おかしな話です。
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by saheizi-inokori | 2024-12-13 12:58 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(6)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori