吞まずにいられるか!

起きるとすぐに窓をあけて、夜中にたまった結露を乾かす。
それが開いたままになっていたのに、気がつかない、あたたかい師走だ。

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けさは洗濯なし、と思うとずいぶん時間がゆったり流れる、と思っていたが、けっきょくカミさんのシーツとホーフを洗う。
貧乏性だから、こんないい天気を無駄にしたくないのだ。
こんないい天気だけれど、きょうはずっとサンチの御守りだ。
のんびり本を読むとしようか。

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おととい、パパがたくさんのネギを刻んでいったのが、ボールにあったので、思いついて、ネギチャーハンを作った。
これにスグキの漬物とシソの醤油漬けを少しまぜて炒める。
フライパンを振るなんてできないから、へらでかきまわして、見栄えはよくないけれど、うまいチャーハンができた。

ここに引っ越してから、料理をつくることがほとんどなくなった。
子供たちが揃ってきたころは、お煮しめなどを作ったけれど。
昼飯に、ソーメンを茹でたり、目玉焼きをしたりするのは、料理とはいえまい。
使った食器などをきれいに洗うのは、今もおなじだ。
料理は、喜んで食べてくれる人がいないと、ね。

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維新の代表が吉村になって、いうことには、「永田町文化を変えたい」。
なんのこっちゃと思ったら、料亭や高級レストランでの会食は自腹にする、政治的な話し合いは飲み食い抜きで、公にするというようなことらしい。
税金を原資とする活動費で、一人10万円もするステーキや、もっと高い料亭で飲み食い、それもハシゴが多い、そんな政治家のあり方は、庶民感覚からすると、たしかに異常に見えるとは思う。

しかし、翻って自分の現役時代、国労・動労などの戦闘的な労働組合とのネゴを思うと、飲み食いなしにはあり得なかった。
革命を標榜する活動的な組合員大衆をバックにして、いくつもの組合の代表が戦果を競う。
基本的には、当局の言う「合理化」を搾取の強化ととらえて、真っ向から反対し撤回を迫り、待遇改善を要求する。
そういう原則論にたいして、なんとか妥協点を見つけて、一定の合理化を認めさせる。
利害の対立する各組合の要求を、最終的にひとつの解決に導く。

昼間の団交室(多い時は数百人が集まる集団交渉も含め)では、お互いの建前のぶつけ合いに終始する。
そもそも、ある案件で団体交渉の席に着かせるための「根回し」から、始まるのだ。
根回しをして、正式に提案して、平場の(成果のない)交渉に並行して、ほとんど毎晩、しかるべき実力者たちと、一対一で飲み食いしながら、じわじわと攻めていく。
組合幹部も、いつまでも原則論でつっぱねていては、当局から相手にされなくなるから、しかるべき譲歩や待遇改善と引き換えに、ストライキの中止などのタイミングを見て、妥協に持ち込もうとする。
ぎりぎりの妥協点が絞り込まれると、翌日のトップ交渉に持ち込まれて、そこで解決に向かうことも多かった。
立場の異なる同士が、ぎりぎりのところで歩み寄ろうとするのには、お互いに、嘘をつかない、こいつならバックの大衆を、当局内をまとめられるという信頼がなければならない。
そういう信頼をきづくために、徹夜も珍しくない飲み食いは必要だった、と、「僕は」思う。
初めて会う「実力者」を相手に、あることを(僕が)要求したときは、脇においたサントリーのダルマを手酌で継ぎ足しながら、ほとんど空になるまで飲んで(飲まずにやってられっか!)、懇々と説得を重ねて、深更に及んでようやく「分かった、明日みんなをここに集めるから、ご苦労だけど、もういちど同じ話をしてくれ」といわれて、あくる日曜日の日中、こんどはそんなに飲まずに(飲めずに)、説得して要求を通したこともある。
そういうことがなんどもあったのだ。

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「信義の問題」という言葉が切り札にもなり、ふだんヤクザみたいな男が、髪振り乱して絶叫して、組合員たちを説得する場面も目撃した。
古い男でござんす。


Commented by unjaku at 2024-12-03 15:26
熱かったんですねぇ!
ウイスキー飲み倒して、翌日再度団体交渉。

凄いパワーだ!
saheijiさんも、さすがに丸くなった?
私も昔はとんがっていたなぁ。
Commented at 2024-12-03 17:47
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Commented by Tadachika at 2024-12-03 18:11 x
一番最初、偶然このブログに来た時、こんな内容の記事でした。
その頃の社会事情は多少なり知ってますから、正直、「この人すごい」と驚きました。
相手も人間、「嘘をつかない」、でなければ始まらない。
まさに、命がけで仕事をしたのがわかります。
Commented by open-mind1109 at 2024-12-03 20:01
いいお天気ですね。

チャーハン、こういうシンプルなおうちチャーハンが美味しいのですよね♪
Commented by saheizi-inokori at 2024-12-03 21:00
> unjakuさん、ほとんど一人でやり抜きましたよ、このときは。
彼らがだんだん頷き始めたときは、力がもりもり湧いてきました^^。
Commented by saheizi-inokori at 2024-12-03 21:05
> 鍵コメさん、あの頃の組合役員はみんな専従でした。
日中仕事があるのは当局側の私たち。
何日もシンテツ(ぜんぜん寝ない)ことが続きましたよ。
家に帰れないので安売りで買った下着が増えました。
脳梗塞は心配ですね、代わってもらうことはできないのかな。
私も肝臓の数値が悪くて禁酒を言われながら、この始末、早死に(半分)覚悟でした。
Commented by saheizi-inokori at 2024-12-03 21:11
> Tadachikaさん、国労、動労、鉄労、全施労、ほかに小さい組合がいくつか、どの組合も政党(自民党も)とつながる有力組合でした。
そのすべてを同じ解決に導くのは、その場だけ通じるようなやり方では駄目で、たとえ相手が怒りまくろうとも、嘘をいわないことが、最も大切だったのです。
それがとても難しくて、相手によって言うことを変える人が多かったですが、それは直ぐにバレてしまうのですね。
たしかに、あの当時は命がけでしたよ。今思うと『ばかみたい』なんでしょうが。
Commented by saheizi-inokori at 2024-12-03 21:13
> open-mind1109さん、味をしめて今日もまた作りました。
今度は玉子を溶き入れましたよ、サイコー!
Commented at 2024-12-03 22:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2024-12-04 09:08
> 鍵コメさん、ご丁寧なコメントありがとう。
効率化は至上課題だったのでしょうが、何のための効率化か?
弱い立場の国民と働く者の暮らしの安定を犠牲にしての効率化には首をかしげざるを得ません。
とうじの組合相互の憎しみも思い出すだに哀しくなります。
いまは暴れん坊の組合役員が懐かしく感じられる日々です。
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by saheizi-inokori | 2024-12-03 12:35 | よしなしごと | Trackback | Comments(10)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori