思い出が積み重なる
2024年 11月 30日
顔を洗って、顔用のクリームを塗りこんで、トイレの掃除のあとは、もういちど手を洗って、ハンドクリームを塗りこんでから、仏壇の掃除をする。
ちょっといい香りのする手で、ね。
(東京湾アクアラインバス車窓から)
終わりそうになったハンドクリーム、棄てないでチューブをぐるぐる巻いて、ぎゅ~っと押してひねり出すと、必ず一回分くらいのクリームが出てくる。
こうやって、もう3回くらい、なんだか養老のクリームのようだ。
ぎゅっと、押すとき「げえに」という言葉を想いだした。
子どもの頃、長野では、「力いっぱいに」というのを「げえに」と言ったのだ。
まだ使っている人はいるのだろうか。
もう、三日も経ってしまった、鬼無里会の久留里散歩。
みんなは久留里城に上がってみると言って、坂道を登っていく。
Aさんと僕は、むりについて行って足が痛くなるとみんなに迷惑をかけるから、とその場に残った。
残ったは好いけれど、なにもない田舎の街道、すぐ駅の方に戻るのはしんどい。
目についたのは、小さな薬局。
前に立つと、中から若い女性が「なにか御用ですか」、「ちよっと中で休んでもいいですか」「どうぞどうぞ、お水も御茶もありますよ」。
(上総亀山駅の車止め、廃線が発表された)
二人合わせて163歳、椅子に掛けて誰も来ないのをいいことに、お姉さんとあれこれ世間話に興じた。
すぐにケラケラと笑って、しかも話のツボは外さない。
薬局で休んだ後は、駅のほうに戻って、「吉壽」という地元の酒造りの工場を、ああ、ここに六角精児もきたのかな、などと眺めて過ぎると、なんとも可愛らしくも風情のある蕎麦やがある。
手打ちそばと酒の味が口の中で、えもいわれぬ自然の甘みを醸し出す。
37年続いた鬼無里会の、そもそもの始めは鬼無里での職場レクで盛り上がったこと、その後、毎年、旅行に出かけた若かりし頃、上野からの新幹線が発車する前に、缶ビール一本を飲み干して、盛岡や長野に着く頃はすっかり出来上がっていたのに、昼飯で入った蕎麦屋(いつも蕎麦なのだ)で、ふたたび大びんが林立したこと、そして宿に着くや、晩飯の前に一升瓶をあけたこと。
その場で、Y君が愛する人がいることを告白して、みんなから、すぐ帰京してプロポーズしろと煽られて、ほんとに翌日の行程を切り上げて一人で帰ったこと、その結婚披露宴にみんなで参加したこと、、、
「若い連中」が、還暦を迎えるようになるまでの、思い出の数々はいくら語ってもつきない。
陸奥の秘湯を訪ね歩いて、信じられないほど美しい景色を見て、イセエビ、アワビ、サザエ、岩魚、松茸、根曲がりだけ、ウド、、よくもあんなに豪勢なものをパクパク食ったね。
笑って笑って、笑い続けた。
あの笑いのすべてを缶に封じこめておいたら、笑いの爆弾が世界の戦争をぶっ飛ばすかもしれない。
おたがいに、よくもここまでやってこれたね、あれだけ楽しい、美味しい思いをしたから、テレビなんかでいろんな旅やご馳走をみても、もう羨ましいとは思わなくなったね。
そんなことを語りつつ過ごした小一時間が、また忘れられない思い出になった。
(夕べの散歩で)
ちょっといい香りのする手で、ね。
終わりそうになったハンドクリーム、棄てないでチューブをぐるぐる巻いて、ぎゅ~っと押してひねり出すと、必ず一回分くらいのクリームが出てくる。
こうやって、もう3回くらい、なんだか養老のクリームのようだ。
ぎゅっと、押すとき「げえに」という言葉を想いだした。
子どもの頃、長野では、「力いっぱいに」というのを「げえに」と言ったのだ。
まだ使っている人はいるのだろうか。
もう、三日も経ってしまった、鬼無里会の久留里散歩。
みんなは久留里城に上がってみると言って、坂道を登っていく。
Aさんと僕は、むりについて行って足が痛くなるとみんなに迷惑をかけるから、とその場に残った。
残ったは好いけれど、なにもない田舎の街道、すぐ駅の方に戻るのはしんどい。
目についたのは、小さな薬局。
前に立つと、中から若い女性が「なにか御用ですか」、「ちよっと中で休んでもいいですか」「どうぞどうぞ、お水も御茶もありますよ」。
二人合わせて163歳、椅子に掛けて誰も来ないのをいいことに、お姉さんとあれこれ世間話に興じた。
すぐにケラケラと笑って、しかも話のツボは外さない。
薬局で休んだ後は、駅のほうに戻って、「吉壽」という地元の酒造りの工場を、ああ、ここに六角精児もきたのかな、などと眺めて過ぎると、なんとも可愛らしくも風情のある蕎麦やがある。
手打ちそばと酒の味が口の中で、えもいわれぬ自然の甘みを醸し出す。
37年続いた鬼無里会の、そもそもの始めは鬼無里での職場レクで盛り上がったこと、その後、毎年、旅行に出かけた若かりし頃、上野からの新幹線が発車する前に、缶ビール一本を飲み干して、盛岡や長野に着く頃はすっかり出来上がっていたのに、昼飯で入った蕎麦屋(いつも蕎麦なのだ)で、ふたたび大びんが林立したこと、そして宿に着くや、晩飯の前に一升瓶をあけたこと。
その場で、Y君が愛する人がいることを告白して、みんなから、すぐ帰京してプロポーズしろと煽られて、ほんとに翌日の行程を切り上げて一人で帰ったこと、その結婚披露宴にみんなで参加したこと、、、
「若い連中」が、還暦を迎えるようになるまでの、思い出の数々はいくら語ってもつきない。
陸奥の秘湯を訪ね歩いて、信じられないほど美しい景色を見て、イセエビ、アワビ、サザエ、岩魚、松茸、根曲がりだけ、ウド、、よくもあんなに豪勢なものをパクパク食ったね。
笑って笑って、笑い続けた。
あの笑いのすべてを缶に封じこめておいたら、笑いの爆弾が世界の戦争をぶっ飛ばすかもしれない。
おたがいに、よくもここまでやってこれたね、あれだけ楽しい、美味しい思いをしたから、テレビなんかでいろんな旅やご馳走をみても、もう羨ましいとは思わなくなったね。
そんなことを語りつつ過ごした小一時間が、また忘れられない思い出になった。
久留里線に久留里駅があるのですね。
実は久留里線がどの辺にあるか、今地図で見て初めて知りました。有名なのに。
まだ木村屋金物店みたいな昔懐かしいお店があるのですか。
さすが六角精児の呑み鉄本線・日本旅をご覧になっているのですね。
実は久留里線がどの辺にあるか、今地図で見て初めて知りました。有名なのに。
まだ木村屋金物店みたいな昔懐かしいお店があるのですか。
さすが六角精児の呑み鉄本線・日本旅をご覧になっているのですね。
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norakoubou at 2024-11-30 14:55
蕎麦屋で日本酒っていいですね。
今は亡き友と上野の蕎麦屋で、卵焼きと蕎麦で日本酒飲んだこと思い出します。
良き仲間との思いで、なんだかこちらまでいろいろ思い出して懐かしさに浸ります。
金物屋さんの建物いい雰囲気!看板の字も素敵です。絵になりそう。
今は亡き友と上野の蕎麦屋で、卵焼きと蕎麦で日本酒飲んだこと思い出します。
良き仲間との思いで、なんだかこちらまでいろいろ思い出して懐かしさに浸ります。
金物屋さんの建物いい雰囲気!看板の字も素敵です。絵になりそう。
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saheizi-inokori at 2024-11-30 16:00
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saheizi-inokori at 2024-11-30 16:03
> norakoubouさん、蕎麦やの昼酒というのが最高なのです。
とはいえ偶にだから、格別なので、毎日では面白くないと思います。
あなたは、すぐに「絵になりそう」ですね。こんどはお描きになつた絵を見せてくださいね。
とはいえ偶にだから、格別なので、毎日では面白くないと思います。
あなたは、すぐに「絵になりそう」ですね。こんどはお描きになつた絵を見せてくださいね。
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unjaku at 2024-11-30 16:40
saheijiさん、楽しい思い出がいっぱいで、素敵な人生ですね。
実は、私も昼呑み好きなんです。
一寸一人で出かけた時、パスタにグラスワインてな具合でのみます。
美味しいですね。
でももうじき手術が待っているから、しばらくお預けかな?
実は、私も昼呑み好きなんです。
一寸一人で出かけた時、パスタにグラスワインてな具合でのみます。
美味しいですね。
でももうじき手術が待っているから、しばらくお預けかな?
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saheizi-inokori at 2024-11-30 17:51
> unjakuさん、なかなかやれない方が美味さが格別に感じられますよ。
お大事に、昼酒を待ちましょう。
お大事に、昼酒を待ちましょう。
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jyariko-2 at 2024-11-30 20:01
げえに80年ほど生きてこられたから
思い出が温かいんですよね
思い出が温かいんですよね
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saheizi-inokori at 2024-11-30 23:00
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stefanlily at 2024-12-01 01:13
歯磨き粉などのチューブ状の容器は真ん中から切って、中身を綿棒でこそげ取りますw
一回分どころではなく使えるので(セコい)
洗顔料が特に勿体なく感じますね。切り口をラップで覆っておかないといけないけど。
楽しい旅と再会で何よりでしたね。
一回分どころではなく使えるので(セコい)
洗顔料が特に勿体なく感じますね。切り口をラップで覆っておかないといけないけど。
楽しい旅と再会で何よりでしたね。
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ymomen at 2024-12-01 02:22
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saheizi-inokori at 2024-12-01 10:23
> stefanlilyさん、そうそう切って、ね。最後はそうするかな^^。
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saheizi-inokori at 2024-12-01 10:25
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yossina-lani at 2024-12-01 10:26
群馬弁で「げえに」に当たる言葉はあるかな?
と思ったけど、特に思い当たりませんでした。
実家の父は、びっくりしたときに
「ってぇ~」と言います
NHKの朝ドラ、花子とアンでも、おとうがびっくりしたとき
「ってぇ~」と言ってて
あ、山梨も同じなんだ!と思いました。
群馬と長野はお隣なので、似ている言葉もあるかな?
と思ったけど、特に思い当たりませんでした。
実家の父は、びっくりしたときに
「ってぇ~」と言います
NHKの朝ドラ、花子とアンでも、おとうがびっくりしたとき
「ってぇ~」と言ってて
あ、山梨も同じなんだ!と思いました。
群馬と長野はお隣なので、似ている言葉もあるかな?
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たま
at 2024-12-01 11:01
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放火で納屋が半焼した千葉のKさん(故人)の実家が、たしか上総亀山駅近くでなかったかしら?
若かりし千葉勤務時代、駅から坂道を辿り、里見八犬伝ゆかりという久留里城(雨城)を訪ね、せっかくだからと“雨情楊枝”を買い求めた記憶が突然に舞い降りてきました由。
若かりし千葉勤務時代、駅から坂道を辿り、里見八犬伝ゆかりという久留里城(雨城)を訪ね、せっかくだからと“雨情楊枝”を買い求めた記憶が突然に舞い降りてきました由。
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open-mind1109 at 2024-12-01 12:24
笑いの爆弾が出来るほどたくさんのお仲間との思い出がsaheiziさんの生きざまを表しているのですね。。。
Y君のプロポーズのくだりなどは微笑ましくて映像になって浮かんできました^^
私はやっと最近よく笑えているような気がします。
過去にもっと笑っていたら・・・今では後悔先に立たずですね^^;
Y君のプロポーズのくだりなどは微笑ましくて映像になって浮かんできました^^
私はやっと最近よく笑えているような気がします。
過去にもっと笑っていたら・・・今では後悔先に立たずですね^^;
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saheizi-inokori at 2024-12-01 12:49
> yossina-laniさん、てっ!は山梨でしたね。唐柏のおばあちゃんがよく言ったなぁ。
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saheizi-inokori at 2024-12-01 12:52
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saheizi-inokori at 2024-12-01 13:10
> open-mind1109さん、終わり良ければ全て良し、これからこれから!
by saheizi-inokori
| 2024-11-30 13:43
| よしなしごと
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