世界の危機の中心はロシアではない
2024年 11月 23日
一週間でもっとも気持ちが安らいでほのかな幸せ気分になるのは、土曜日の朝、3時間余りの大掃除がすんで、うまい朝飯を食っているときだ。
(ご飯だよ、おうちにかえんなさい)
やりたくない仕事は、事前にやらなければならない事を細々と考えないことだ。
そうすると、なにもやらないうちから、圧が大きくなって、なかなか始められなかったり、やっている最中も、まだあれもやらなきゃと追われる気持になって、目の前の仕事に集中できない。
集中できないと、仕事の楽しさを味わえず(どんな仕事にもある!)、できばえもよくない。
先のことを思わずに、さあやろう、と目の前の仕事を順番にどんどんやっていくと、その一つひとつは大した仕事じゃないから、いつのまにか3時間が過ぎてしまう。
これは家事にかぎらず、人生で出会う「いやなこと」「やりたくないこと」など一般に通じる秘訣といったら大げさかな。
楽しみなことは、前もっていろんなことを想像して楽しんだら、二倍も三倍も楽しめる。
夏休みの山梨行きの前に、時刻表を眺めて、さあ、どこでアイスクリームを買おうかと考えたようにね。
けさは洗面所の歯ブラシをいれてある壺(というんだろうな)を三つキレイにした。
やっても、そういわれなければ気がつかないような仕事だけど、やった僕はなかの黒いところがなくなったと思っていい気分なのだ。
ベランダで、温かい日差しを背中に浴びながら窓拭きをしていたら、たぶん隣りからか、バターの焦げるいい匂いがしてきた。
目玉焼き、それともオムレツだろうか。
ゆうべも、クインシー・ジョーンズの曲を聴きながら歩いていたら、あちこちで夕餉のしたくの匂いがしてきた。
「西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか」(エマニュエル・トッド)を読了。
ウクライナ戦争、混乱の極にあるようなアメリカ、自信を失ってどこに行くのか見当もつかないヨーロッパ、イスラエルの暴走を止めることもできない世界、、なによりもこの日本の混迷、、こういったもやもやが、少し晴れて、世界の病巣が見えてきたような感じがする。
時系列で、過去のアメリカの行動を辿ると、なるほど、トッドのいうところのワシントン村の「ゼロ状態」の「ブロッブ(ねばねばした物体)」化したエリートたちが、いかに根拠のない自己過信や思い込みで馬鹿げたことばかりをやり続けてきたか、そのために、アメリカは世界の信用を失い、ロシアの誠実ぶりが際立つことになり、それが西洋の孤立を招いているのかが、よくわかった。
トランプについて、トッドは「どう考えてみても彼の外交に一貫性が見つけられなかった」と匙を投げている。
終章「米国は『ウクライナの罠』にいかに嵌ったか 1990―2022」のシニカルにして悲壮な最後の言葉を引こう。
石破はトランプに会えないでいるようだが、会って何をいうつもりなのか。
トランプが何をいっても、それはアメリカに対する信用にむすびつくものとなるのか。
なったとして、そのアメリカは信用に足る実体を備えているのだろうか。
(青森・二階堂 果宝珠)
(中をあけると、リンゴのあんこ玉を最中の皮に包んで食す)
やりたくない仕事は、事前にやらなければならない事を細々と考えないことだ。
そうすると、なにもやらないうちから、圧が大きくなって、なかなか始められなかったり、やっている最中も、まだあれもやらなきゃと追われる気持になって、目の前の仕事に集中できない。
集中できないと、仕事の楽しさを味わえず(どんな仕事にもある!)、できばえもよくない。
先のことを思わずに、さあやろう、と目の前の仕事を順番にどんどんやっていくと、その一つひとつは大した仕事じゃないから、いつのまにか3時間が過ぎてしまう。
これは家事にかぎらず、人生で出会う「いやなこと」「やりたくないこと」など一般に通じる秘訣といったら大げさかな。
楽しみなことは、前もっていろんなことを想像して楽しんだら、二倍も三倍も楽しめる。
夏休みの山梨行きの前に、時刻表を眺めて、さあ、どこでアイスクリームを買おうかと考えたようにね。
けさは洗面所の歯ブラシをいれてある壺(というんだろうな)を三つキレイにした。
やっても、そういわれなければ気がつかないような仕事だけど、やった僕はなかの黒いところがなくなったと思っていい気分なのだ。
ベランダで、温かい日差しを背中に浴びながら窓拭きをしていたら、たぶん隣りからか、バターの焦げるいい匂いがしてきた。
目玉焼き、それともオムレツだろうか。
ゆうべも、クインシー・ジョーンズの曲を聴きながら歩いていたら、あちこちで夕餉のしたくの匂いがしてきた。
「西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか」(エマニュエル・トッド)を読了。
ウクライナ戦争、混乱の極にあるようなアメリカ、自信を失ってどこに行くのか見当もつかないヨーロッパ、イスラエルの暴走を止めることもできない世界、、なによりもこの日本の混迷、、こういったもやもやが、少し晴れて、世界の病巣が見えてきたような感じがする。
ロシア社会の安定、ウクライナ社会の崩壊、旧ソ連圏の社会主義国の不安感と不信感、ヨーロッパの自立という夢の挫折、イギリス(アメリカの姉妹国ではなくむしろ母国)の国民国家としての衰弱、須カンナビアの逸脱を順に検討することで、世界の危機の核心に近づいてきた。その核心とは、アメリカというブラックホールである。世界が直面している真の問題は、ロシアの覇権への意思―ロシアの権力は非常に限られている―ではなく、世界の中心としてのアメリカの衰退―限りがない―なのだ。本書はその詳細をさまざまな角度から解明して、残念ながら説得力に富んでいるのだ。
時系列で、過去のアメリカの行動を辿ると、なるほど、トッドのいうところのワシントン村の「ゼロ状態」の「ブロッブ(ねばねばした物体)」化したエリートたちが、いかに根拠のない自己過信や思い込みで馬鹿げたことばかりをやり続けてきたか、そのために、アメリカは世界の信用を失い、ロシアの誠実ぶりが際立つことになり、それが西洋の孤立を招いているのかが、よくわかった。
トランプについて、トッドは「どう考えてみても彼の外交に一貫性が見つけられなかった」と匙を投げている。
終章「米国は『ウクライナの罠』にいかに嵌ったか 1990―2022」のシニカルにして悲壮な最後の言葉を引こう。
ウクライナ・ナショナリズムの一時的な軍事的成功は、地域レベルではなく、世界レベルでの軍事的、経済的、イデオロギー的敗北によってしか抜け出せないような、エスカレートした状況にアメリカを追い込んだ。現在のアメリカにとっての敗北とは、ドイツとロシアの接近、世界の脱ドル化、「集団的内部紙幣印刷[ドル]」で賄われる輸入の終焉、そして大いなる貧困だ。アメリカにつづいてイギリスもウクライナな長距離ミサイルの使用を認めて、ロシアは国内の核防護を急ぎ、どんな武器も撃ち落とせないというミサイルを撃ってみせた。
しかし私は、ワシントンの人々がこうした事柄について果たして自覚できているのかどうかまったくわからない。むしろこの敗北の意味について何も気づいていないことを願おう。そしてアメリカが、アメリカとキエフ(キーフ)のためだけに平和を宣言し、サイゴン、バクダッド、カブールと同じような結末を迎えることになると彼らが信じていることを願うのだ。
しかしながら、アメリカの社会学的ゼロ状態は、アメリカの指導者たちの最終決定に関する合理的な予測を不可能にしている。とりあえず、ニヒリズムは必ずすべてを可能にしてしまうということは、頭にとどめておこう。
石破はトランプに会えないでいるようだが、会って何をいうつもりなのか。
トランプが何をいっても、それはアメリカに対する信用にむすびつくものとなるのか。
なったとして、そのアメリカは信用に足る実体を備えているのだろうか。
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ikuohasegawa at 2024-11-23 14:44
毎々の各地の銘菓。どうやって手に入れておられますの。
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saheizi-inokori at 2024-11-23 15:53
> ikuohasegawaさん、カミさんからです。たぶんデパートだと思いますが。
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tsunojirushi at 2024-11-23 17:47
前半の教え、慧眼ですね。なるほど。学んで、取り組みます。でも、3時間もお掃除されるとは存じ上げず(毎土曜、大掃除と拝読していてもそこまでとは)、凄いなー、と尊敬しきりです。韓国語ではデジョンソと言います。
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saheizi-inokori at 2024-11-23 21:53
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tanatali3 at 2024-11-24 11:13
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saheizi-inokori at 2024-11-24 11:58
> tanatali3さん、毎日はせいぜい一時間ほどですよ、土曜日だけの出血サービスです^^、。
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k_hankichi at 2024-12-04 12:16
Saheiziさん、漸くエマニュエル・トッドを読み終えました。愕然とし続けています。しかしもっと広く世の中を理解しなければと少し前向きになろうとしています。
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saheizi-inokori at 2024-12-04 12:58
by saheizi-inokori
| 2024-11-23 13:36
| 今週の1冊、又は2・3冊
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Comments(8)