ナチス前夜
2024年 11月 20日
デカフエある?ありますよ。
たっぷり注がれたコーヒーを楽しみながら、トッドの高等講談みたいな話も楽しんで読む。
風が吹けば桶屋が儲かる、みたいな話の展開が面白い。
勘定のときに、マスターが「カフエインがダメになったのですか?」と気がかりのように尋ねるので、「いや、眠れなくなるのがね」と答えると「前は○○をお飲みになったのに、と思いました」。
「え、覚えていてくれたのですか」「はい」。
もう一ヶ月以上も前だと思う、初めて入った店なのに、ジイサン、なんとなく心が軽くなりましたよ、はい。

寒くなったので、30年以上も前にバーニーズのバーゲンで買った革のジャンパーに、都立大のセレクトショップで買っただぶだぶのジーンズで、出かけた。
処分しなくて良かった。

この寒いのに半パンで裸足、若さだね。
僕も現役時代は真冬でも素肌にワイシャツで、コートも着ないで歩いたこともある。
今でも、銭湯で僕より若そうな男がモモヒキなんか穿いていると、ちょっと胸を張りたくもなる。

兵庫県の斎藤知事「事件」で、ナチスの勃興を想起した人も少なからずいるようだが、僕もその一人だ。
SNSの「動画」という「兵器」で日ごろ政治に関心を持たない人たちに、アピールして熱狂を引き出したのは、ナチスのラジオに似ているという。
ナチスが台頭した時、ラジオという新しいメディアが生まれた。ナチスはこの手法を積極的に活用したことで知られる。そして、大衆は、同じ言葉を繰り返し訴えれば、ウソもマコトのように信じるものだ、ということを、ナチス(ゲッペルス)は上手く活用した。
— shinshinohara (@ShinShinohara) November 18, 2024
ナチスまで遡らなくても、ルワンダの虐殺もラジオから始まったのだという。
動画は今や、「事実」とは無関係の「信念」を生み出すことに成功するようになっている。そして、それが世論として大きなうねりを生みかねない状況となっている。ナチスが誕生したのと同じ状況が、今の世界ですでに出現している。ウソをマコトにできる状況が、すでに動画にはそろっている。
— shinshinohara (@ShinShinohara) November 18, 2024
この、「動画を信じ込んでしまう」という問題、真剣に考えないと、そう遠からず、ナチスのようなことを企む人間が登場するだろう。何らかの対策を考えなければならないが、間に合うだろうか。すでに「これは使える」と考えている人間がいるだろう。私たちは、ナチス登場に対抗する用意ができていない。
— shinshinohara (@ShinShinohara) November 18, 2024
このツイートの筆者は、「動画」とともに「既得権益」という言葉の乱暴な使いかたも、大衆を煽った武器だったともいう。
既得権益というレッテルを張ることで、相手を「敵(人間でない)」と平気で見てしまう。
私は、「既得権益」という言葉を使った途端、人間でなくなる道をすでに歩み始めてしまう、と考えている。相手を人間としてみなさない。なんと危険な道だろう。なんと酷薄な道だろう。相手も人間であり、生活があるということを、なぜ認めないのか?
— shinshinohara (@ShinShinohara) November 18, 2024
自分の信じるもの以外を見ようとせず、異なる考え方をすれば「既得権益」とみなす。これが老若男女を問わず起きたことを、私たちはもっと戦慄しなければならないように思う。
— shinshinohara (@ShinShinohara) November 18, 2024
僕も反省しなければならない。
いつかも能登の支援で、誰かの救援要請に乗って、その人がどういう人なのかを調べもせずにブログやラインで拡散したことがある。
あれは無駄になったとは思わないけれど、もう少し慎重に判断すべきだった。
ほかにも、DSやレプリコンワクチンのことなど、その真偽を確かめることもなく拡散しているな。
しかし、確かめるってほんとに難しいことだね。
僕は権力側の方が、多様な情報メデイアを操って大衆操作に長けていると思うから、反権力的な情報については、感覚的に(僕のルサンチマンが働いていることには注意しつつも)正しそうだと思えるものには、ガードをさげて拡散している。
そうすることで、少しでも権力の暴走に歯止めをかけるバランスに寄与できるのかとも思う。
だって完全に正しいと確信できるまで発言するな、なんてことになったら、情報弱者の僕たちは、何も発言しなくなるし、そうなったらすべてに遅れてしまうだろう。
権力の側だって完全な確信とはほど遠いところで、自分たちの利益のため(だけ)に動いていると思うし。

自死した役人が汚辱にまみれた過去があって、それを隠蔽すべく知事を訴えたという陰謀があったのか、どうか、ほんとのことは、僕にはわからない。
でももしそうだったとしても、斎藤知事がパワハラを行って、内部告発を適正な手続きによらず処理しようとしたことは事実のように見える。
それ自体、メデイアに騙されているのかもしれないけれど。
だから、選挙ですべてが正常化したとは思わずに、これからの百条委員会などの冷静かつ公正な審議を期待する。

昨日の記事で、アメリカがウクライナに長距離ミサイルの使用を認めることは、ロシアの戦術的核攻撃の口実を与える可能性がある、と書いたことが現実になるかも知れない。
杞憂であることを切に切に切に祈る!
ロシアはウクライナが米国製ミサイルを使って攻撃したと発表、核による対応の用意があると示唆 - CNBC https://t.co/zMnJghtlpV
— World War III History (@WW3History) November 19, 2024
あの時はXもYoutubeもありませんでした。
それでも嘘は人々の不安をあおって燎原の火のように燃え盛りました。
「嘘も100篇言えばホントになる」
人間の心は、なんと危ういものでしょう。
告発者に対する対応は明らかに違法だったのではないのかと思います(公益通報者保護法)
でもそのことは選挙の争点にならなかった
兵庫県民の情報リテラシーに疑問を感じました
一方でいい対抗馬がいなかったということもあるのかもしれないけれど
自分を見失わないように、仕掛けに乗らないように、、と思います。
皮のジャンパーにだぶだぶジーンズ、いいですね!かっこいいです!
ピンクのセーターの時も素敵と思いましたけど、あのときは素敵コメントが殺到してたので、黙ってました。
お話わかりやすくて、思ってることを代弁してくださってるようで、すっきりします。
やはり頭の良い人の文章はわかりやすいなあと。

本当に信じられない事が起きてしまいました。
どうして何だろう、何が起こったのだろう、何かの間違いではないか。
我が故郷の出来事です。心が震えて恐ろしくなりました。
熱狂する人々の映像に恐怖さえ感じました。
若い頃見慣れた風景がまるで異国のように映っていました。
確かに皆さんがおっしゃっているようにナチスや関東大震災の後の異様な感じですね。
一体人間とは何なのでしょう。
心が辛くなったので谷川俊太郎さんの詩を読んで気持ちを落ち着けています。

かくいう僕も、昨冬革ジャンデビューしました。似合いませんが(笑)
>兵庫県知事
「あちたりこちたり」様にもコメントしましたが、たとえ難しくても「情報の目利き」にならなくてはダメですね。昨晩の番組で橋本五郎氏の「おねだりのことなどよりも、尊い人命のことの究明が大事」という考えには共感いたしました。
